潮田流・子どもの絵本選びのコツとは…?
うちには4歳の息子と2歳の娘がいるんですが、子どもの絵本を選ぶときにはまず年齢に合うような内容かどうかを目安にしています。2歳差だとフィットするものが微妙に違ったりするようで、お兄ちゃんがすごく好きな絵本を妹が好きかというと、必ずしもそうではなかったりするんですね。そこで選ぶときは必ず自分で1回読んでからと決めています。
娘のほうは最近『とんとんとんこんにちは!』(文・絵/まついのりこ 童心社)のようなかわいいキャラクターが出てくるお話や、飛び出す絵本のようなものをすごく喜んで見ています。
一方、息子が今くり返し読んでいるのは『わにのワニンバ はっはっはっ!』(文・絵/わたなべちいこ キンダーメルヘン 2019年6月号)。歯磨きもせずに甘いものばかり食べていたわにのワニンバが、とうとう虫歯になって森の友達に心配されるお話です。かわいい絵で歯磨きの大切さがとてもユーモラスに描かれているのです。朝起きたら顔を洗うとか歯を磨くなどの基本的な生活習慣を自然と身につけてほしいので、実はそうしたことができるだけ楽しく読めるような本を心がけて選んでいます。
そんなふうに選び始めたのは、娘が産まれたときからでした。息子はまだ1歳10か月だったので“妹ができる”ことがうまく伝わらないかもしれないと思い、お兄ちゃんになる準備をするのにいい絵本を探してみたのです。それまでお祝いでいただいた本や書店で見かけたかわいい絵本を読んでいました。でも“子どもに何かを伝えるのにいいかもしれない絵本”を意識したのはそのときが初めてでした。
選んだのは『ぼくはひなのおにいちゃん』(文/たかてら かよ 絵/さこ ももみ 文化出版局)。赤ちゃんが生まれてお兄ちゃんになったぼくが、ママのいない間にお昼寝から目覚めて泣き出した妹を泣きやまそうと頑張るお話です。“もうすぐお兄ちゃんになるんだよ”という気持ちを込めて、主人公を息子の名前に変えて読んでみました。
それ以降子育ての場面では言葉で言って聞かせるよりも子どもの心にすんなりと入っていきやすい“絵本の力”みたいなものを借りています。実際“ちゃんと歯を磨きなさい!”と口で言って聞かせるよりも“ぴかぴかマン”のお話のほうが効果絶大なんですよ(笑)。
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撮影/真板由起(NOSTY)スタイリスト/今井聖子 ヘア&メーク/鬼頭恵美 (2019年Domani12/1月号より)
キャスター、元女子バドミントン日本代表
潮田玲子さん
しおた・れいこ/1983年、福岡県生まれ。バドミントン女子ダブルス日本代表選手として北京五輪などで活躍。29歳で引退後、Jリーガー増嶋竜也選手と結婚。32歳で長男、34歳で長女を出産。産休中に育児セラピスト二級、ジュニア野菜ソムリエ、ソイフードマイスター、アタッチメント食育インストラクター資格を取得する。現在は競技解説やキャスターとして活躍。『シューイチ』(日本テレビ系)、『ぞっこん九州』(RKB)、『金色のアスリート』(FBS)、『お台場バドミントン学園』(BSフジ)などに出演中。パーソナリティを務めるラジオ番組『女神たちのオリンピック』(ニッポン放送)も好評。
構成・文
谷畑まゆみ
フリーエディター・ライター。『Domani』連載「女の時間割。」、日本財団パラリンピックサポートセンターWEBマガジン連載「パラアスリートを支える女性たち」等、働く女性のライフストーリー・インタビュー企画を担当しています。