「きれいめ」×「トラッド」が自分らしくて心地よい組み合わせ
「『自分に似合うのはコレ』と決めているわけではありませんが、なんとなく毎シーズン使い続けているものを見ると、きれいめに使えるものやトラッドな雰囲気のものが多いようです。もちろん、カジュアルスタイルやトレンド服も好きですが、その括りの中でもきれいめなものを無意識に選んでいるのかもしれません。
普段のコーディネートを思い返してみても、ベーシックな組み合わせにトラッドなアイテムをポイントで加えることが多いので、『きれいめ』×『トラッド』の組み合わせが、私にとっていちばんしっくりくるのだと思います」(スタイリスト渡辺智佳さん 以下同)
そんな渡辺さんが、長年愛用している【Myベーシック】を教えてもらいました。
Item1:仕立てのよさが際立つ王道デザイン!〝セリーヌ〟の紺ブレ
「このジャケットは約3年前に購入したもの。ブランドのデザイナーが変わってから最初に発表したコレクションです。今では見慣れたシルエットですが、当時にしてはかなり丈が長めで新鮮に見えたのを覚えています。ゆったり着られるボックスシルエットに金ボタンが輝く王道のデザインなので、『これは長く着られる』と確信しました。実際、夏以外はずっと着ていますね。春と秋の端境期には出番高め! シャツの上からかっちり着るというよりは、Tシャツやマキシワンピにサッとはおったり肩がけして使うことが多いです」
ボーダーカットソー×紺ブレの春らしいマリンスタイル
「この春はボーダー柄が復活したので、ハイウエストパンツを合わせたマリンスタイルが気分。ジャケットを肩がけすることできちんと感が出るので、ヌーディなゴールドサンダルやパールピアスで女らしさを加えています」
ジャケット・カットソー/セリーヌ パンツ/マルティニーク ピアス/タサキ ブレスレット/マリーエレーヌドゥタイヤック バッグ/ヴァジック 靴/ネブローニ
トレンドコーデもパールピアスで品よくまとめて
「マリンスタイルとも相性がいい〝タサキ〟のパールピアス。実は、シルバーの円錐ピアスのキャッチがパールになっているのですが、どちらを前にしても使えるので今日はパール面を前に!」
Item2:きれいめに着られる〝スローン〟のTシャツ
「ガザガザッとしたカジュアルなTシャツよりも、糸の細いなめらかな着心地のTシャツが好みです。〝スローン〟のTシャツはまさにそのタイプで、これに勝るTシャツに出合えていないため、毎年同じものを買い替えて使い続けています。数えてみたら、今年で5代目でした!
ジャストサイズで着たり、オーバーサイズのものを選んだり、その年によってサイズを変えているのが、こだわり。今年はコンパクトにまとまる『2』を選びました。そで口の折り返しが広く、ネックラインがリブ編みになっていないところも、きれいめに見えるポイント。
Tシャツは秋冬もニットなどにレイヤードして使うことが多いですよね。その点、このTシャツは、重ね着のことも考えて作られているので、上にニットを着たときにチラッとネックまわりを見せることができます。単体としてだけでなく、コーディネート全体のことを考慮してつくられているところも素晴らしくて、絶対に手放せません!」
カラーパンツを合わせればグッと華やかに
「プレーンなTシャツなのでどんなスタイルにもマッチしますが、この春はライラックの春色パンツを合わせることが多いです。ベルト、バッグ、サンダルなどの小物を黒で統一してキレ味よく着たい気分。同色の白ニットを肩がけしてコーディネートに奥行きを出しています」
Tシャツ・肩に掛けたニット/スローン パンツ/アダムエロペ ベルト/メゾンボワネ ブレスレット/マリーエレーヌドゥタイヤック バッグ/セリーヌ 靴/ユナイテッドアローズ
トレンドの厚底サンダルで足元にボリュームを
「きれいめパンプスを合わせるとコンサバすぎるので、厚底サンダルでトレンド感をプラス。存在感のある大ぶりジュエルがアクセサリー代わりになってくれます」
Item3:脚がすっきり見える〝GU〟のストレートデニム
「右側のブルーデニムは、5年前に約¥3,900で買ったもの。ハイライズのストレートデニムって、はきこなすのが難しいイメージがあったのですが、このデニムは身長155㎝と小柄な私でもすっきりはけました。ストレッチがあまり利いていないところもポイント。ストレッチデニムははき心地がよい一方、長くはいているとだんだん自分の脚になじんでシルエットが変わってくることがありますよね。それを避けるために、デニムはストレッチなしタイプを選んでいます。
ワイドすぎない細身のストレートなので、トップスとのバランスも取りやすいんです。オーバーサイズのトップスはもちろん、今年のトレンドである丈短トップスとも相性がよく本当に万能! あまりに使いやすいので、昨年、同じデザインのホワイトデニムを買い足しました。ベージュ系のトップスになじませたり、パキッとした白トップスを合わせたワントーンコーデなどに活躍しています」
クロップドシャツ合わせで今年らしいバランスを実現
「お腹が見えそうなショート丈シャツも、ハイウエストデニムなら安心。トレンドアイテムも、定番デニムがしっかり受け止めてくれます」
デニム/GU シャツ/アストラット ネックレス/エディボルゴ ブレスレット/マリーエレーヌドゥタイヤック リング/プラウ バッグ/エバゴス 靴/へリュー
スリッポンローファーでトラッド感をひとさじ
「トレンドアイテムを取り入れていても、足元をトラッドなローファーにすることで、いつものスタイルが完成します。これはスリッポンタイプなので着脱がとってもラク! 撮影のときはもちろん、保育園へのお迎えで靴を脱いだり履いたりするときにも便利です」
ほぼ毎日つけている「定番アクセ」
ピアス/タサキ
「程よい存在感のパールと円錐モチーフのリバーシブルデザイン。パールでもエレガントすぎないので、デイリー使いできます。6.7年前に約¥100,000で購入しました」
時計/ロレックス
「時計はシーンに合わせていく使いわけていますが、いちばん合わせやすのが5年前に購入した〝ロレックス〟。シンプルなシルバーのデザインが、ワントーンコーデやモノトーンスタイルにもスッとなじんでくれます。主張が強すぎないので、ブレスレット感覚で愛用中」
ブレスレット/マリーエレーヌドゥタイヤック
「サカナとネコの茶目っ気のあるデザインがかわいいコードブレスは、昨年購入。きれいめコーデの外しにも便利ですし、ふとした瞬間に目に入ると楽しい気分になれるので、少しずついろいろなデザインを買い足していきたいですね」
どんなスタイルにも自分らしさを添えてくれる「ローファー」
右/へリュー
「トラッドなテイストが好きなので、ローファーは私にとってかかせないアイテム。特にこの靴は、仕事でもプライベートでも、今いちばんよく履いていますね。スリッポンは、かかとが靴から出ないように、普段のサイズより1.5㎝大きいものを選んでいます」
左/チャーチ
「約5年前に買ってしばらくお休みしていましたが、今季またバイカラーの靴が出だしたので、ワードローブに復帰。ベーシックなデザインにスタッズがアクセントになっていて、辛口に履けます」
長く愛用している服や、毎シーズン買い替えて使い続けているものなど、スタイリストならではの目線と、自分の「好き」を加味して厳選されたアイテムは、どれも気になるものばかり! 信頼できる【Myベーシック】があるからこそ、トレンドも自分らしく取り入れられるようです。
撮影/坂根綾子(静物) 構成/木戸恵子
スタイリスト
渡辺智佳
大手銀行に勤務していた経験から、働く女性に向けたファッション提案が得意なワーキングマザー。『Oggi』『Domani』を中心に活躍中。等身大でありながら、卓越したそのおしゃれワザで高い支持を集めている。
インスタグラム:@nabechikas