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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2023.12.11

入試準備に追われる中、合格祈願でお守りを爆買いする母の想いとは…。【39歳、子連れ再婚の365日vol.36】

 

入試当日の持ち物で足りないものを買いに母と出かけるあん。学問の神様にお参りするも…。【毎週月曜日19時更新】

登場人物
あん(私)…メーカー勤務のシングルマザー。8年前に離婚し、実家に出戻り。39歳。
…生意気盛りの小学生。11歳。
臣斗くん…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生で再婚相手。34歳。
結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中受予定。
お母様…臣斗の母。英語教師で蓮の中学受験を強力プッシュ。
蒼先生…蓮の家庭教師で東大生。
早苗さん…あんの地元の先輩であり、昨年中受終了組。

【前回までの話】
シングルマザー歴8年を経て、事実婚という形で再婚に踏み切ったあん。義母から中学受験を進められるもあんは反対派でいたが、息子・蓮の前向きな気持ちと、夫・臣斗のサポートもあり中受へ臨むことを決意。その後、あんは臣斗とのセックスレスに気づいてしまう。また追い討ちをかけるよう疑惑の女性が浮上するも、その正体は臣斗の姉と判明。この一件で、セックスレスについて話すこともでき、新たな一歩が踏み出せた。一方、受験生にとっての正念場と言われる夏休みに蓮は、原因不明の夜泣きを始めるも理由が分からないまま1週間で止まる。そんな蓮を支える中、あんは吐き気が止まらず妊娠を疑うがストレスによる逆流性食道炎と診断される。しかし、それがきっかけで夫婦間のズレに気づいてしまう。9月に入り日曜日まで塾になる中、連が塾講師に暴言を吐かれていたことが判明。謝罪を受けるもあんは中受をさせたことへの後悔が膨らむ。そんな中、母の定期検診で癌の再発を知る。手術ができないため母は自宅で過ごすことを決める。また家庭教師も持病で入院をし、授業はその息子さんに変わることとなった。入試2ヶ月前になっても合格率の上がらない蓮や母の病気などストレスが溜まったあんは、しゃしゃり出る義母と大喧嘩をしてしまう。

前回の話▶︎テストの点数が下がった状況にも冷静で強い夫に、家庭教師とのアレで罪悪感が…【39歳、子連れ再婚の365日vol.35】

Season1『シングルマザーの恋愛』はコチラから

出願に当日の持ち物、物理的にも精神的にも余裕がなくなってきた直前期。

こんにちは。シングルマザー歴8年目にして再婚に踏み切ったあおいあんです。

前回は息子・蓮の合格判定テストの結果が前回より下がってしまい、臣斗くんの力を借りてなんとか蓮のモチベーションを落とさずにすんだところまでお話ししました。

臣斗くんが蓮の勉強方法について、冷静かつ的確にアドバイスをしてくれたことで、合判テストの結果をそれほど引きずることなく変わらない毎日を過ごす蓮。まだ冬季講習&正月特訓があるからと油断しているのかもしれないが、何も手がつけられないほど落ち込んだり、テストの結果が良くて有頂天になるよりはマシだと思った。

一方で、私は受験校の出願日や入試当日の持ち物などのリストを作ったりと準備に追われる毎日を送っている。1月校の入試まで1ヶ月を切った今、早苗さんの言うように余計なことを考える時間もないくらい準備に忙しかった。中でも出願日や合格発表日、入学手続き日など各学校で日付も対応も違うため何度も確認をした。子どもがここまで頑張ってきたのに、親のミスで全てが水の泡になるなんて考えるだけでもゾッとする。

結衣ちゃんママとも何を持って行ったらいいか相談したが、念には念をと思い早苗さんにもLINEで聞いてみると。

早苗さん「うーん、机のがたつき用に段ボールの切れ端、鼻血用の『鼻ぽん』くらいかなぁ。あっ、あとは子どもと同じセットを親も持って行くこと。つまり2セット準備するの。忘れ物しても焦らなくてよくなるし、お守り的に持っておくといいよ。当日の格好も工夫が必要かも。学校によって暖房の効き具合も違うし…。男子は暑くても寒くても面倒臭がって洋服を脱ぎ着して調節しないじゃない。流石にコートは脱ぐと思うけど、外が寒いからって厚着させていくとぼーっとしちゃうかも。うちは脱ぎ着しなくても良いようにロンTの上にダウンベスト着せたかな」

確かに忘れ物大臣の蓮を思うと、同じものを私も持っていた方が安心だ。当日の格好まで色々想定しなきゃならないのか…。ダウンベストを持っていないので、『鼻ぽん』とやらと一緒に早速買い出しに行った。せっかくなので母も誘い、久しぶりに外でランチをした。

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本番までカウントダウンが始まったね。私が受験するわけじゃないのに、考えるだけでドキドキしちゃうわ

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そうだよね。出願も始まったし、色々リストを作ってると来月の今頃には受験会場にいてテストを受けているんでしょ。まだやり残してることたくさんあるのに、待ってはくれないね

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蓮は早生まれで一人っ子だからどうしても幼く感じるよね。結果がどうであれ、当日その場に立てただけで、試験を受けられただけで立派だなとおばあちゃん的には思っちゃうけどね。親としてはそうは思えないよね(笑)

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そう思えるほど人間できてないかも、私(笑)。やっぱり挑戦する以上、良い結果であって欲しいと願っちゃうよ

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そりゃそうだ!親はいつでも子どもに幸せでいて欲しいと願うからね。あとは入試まで体調を崩さないように見てあげなきゃね

母はランチを残し店を後にする。ここ最近、食べる量が減ってきているのは薄々気づいていたが、外食をするとそれが顕著に分かった。一人前はもう食べられなくなっていた。蓮の体調管理も必須だが、母のことも考えて効率よく栄養素が摂れるメニューを考えなくては。

そのまま帰ろうと思っていたが、母から湯島天神へお参りに行こうと誘われた。長い時間外を出歩くのが心配だったが、あまり病人扱いするのもよくないと思い行くことに。湯島天神に着くと受験生の親と思われる人がズラッと並んでいた。私たちもお参りをして、蓮の代わりに絵馬を書こうとテーブルへ行くと、母が私を突く。

母の視線の先を見ると、仕事中であろうスーツ姿の男性が御三家の名前を絵馬に書き、びっしりとお願い事を書いていた。母と私は無言で蓮の志望校を書く。改めて中受の恐ろしさというか、怖さというか、圧力を感じた瞬間だった。母は連に合格祈願のお守りと学業札、さらには鉢巻まで買い、参道の露店でだるままで購入していた。そんなにいらないよと思ったが、母の気持ちだからとそっと見守る。

お守り

母は帰ると、早速テーブルの上にお守りたちを並べ、蓮が帰るのを楽しみに待った。

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ただいま~。何これ?

蓮が早速お守りたちに食いつく。

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学問の神様に蓮が合格できますようにってお願いしに行ったからね

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ありがとう!

母は連にひとつずつお守りの説明をし、塾バッグにお守りをつけ、嬉しそうに蓮を見つめていた。蓮はソファーにゴロンとしながら、学業札の言葉をじっと眺めている。

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早くおやつ食べないと塾へ遅れるよ

蓮は「はーい」と言っておにぎりを頬張りながらまだ学業札を見ていた。中受が終わると次は大学受験がある。その時も同じように母が湯島天神でお守りを買うことができるだろうか?もしかすると母はそれができないかもしれないと思い、お守り以外にもたくさん買ってあげたのかもしれない。

そんな思いに気づいたら胸が苦しくなった。入試前の準備に追われていて余裕がなくなっていた私。母の気持ちに気付けていなかった自分につくづくガッカリした。いつも私の1歩も2歩も先を見て、自分よがりでなく家族みんなをしっかりと見守っている母。いつかは私も母のように強くて優しい人になれるのだろうか…。

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あおいあん

契約社員でメーカー勤務、現在38歳のシングルマザー。高学年になりちょっと生意気になった10歳の息子と実家に出戻り。40歳を前に「もう一度、女としての人生を!」と一念発起。離婚をしてから7年という恋愛ブランクを埋めるべく奮闘し、5歳年下の彼氏と再婚を決めた。
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