沿革
「沿革」は、物事の移り変わりやこれまでの歴史を意味する言葉です。特定のものの変化を指しており、会社の歴史を説明する際、頻繁に用いられます。「移り変わり」そのものを指す場合は「変遷」を用い、その内容を指す場合は「沿革」を使います。
・会社の沿革は、公式サイトでチェックできる
・自分の経歴を沿革にしてまとめる
変転
「変転」は、状態や情勢が急速に変化することを表します。一方で「変遷」は、時間とともに移り変わる様子を指しており、「変転」よりも緩やかに変化します。急激な変化を示す際に「変転」が用いられます。また大きな変化が起こる場合にも、「変転」が使用されるでしょう。「変転」の例文は、以下の通りです。
・科学技術の進歩により、世の中は急速に変転している
・今は変転きわまりない、激動の時代だ
変遷を使った3つの表現
変遷(へんせん)を使った表現には「変遷をたどる」という慣用句があります。しかし他にも、「〇〇の変遷」という表現も、変遷の代表的な使い方です。本章では「歴史の変遷」と「人生の変遷」、「時代の変遷」といった3つの「変遷」について解説します。それぞれの変遷が、具体的にどのような変化を意味する言葉なのか、本章でチェックしてみてください。
歴史の変遷
歴史の変遷とは、言葉どおり対象の「歴史」を意味します。「変遷」という言葉を使用する以上、長期間で緩やかに変化していくものが対象です。国の歴史であったり宗教観の歴史であったり、一朝一夕では変化しないものが対象になります。
人生の変遷
人生の変遷とは、特定の人物がこれまでどのように生きてきたかを表す言葉です。自分の人生を振り返ったり、他者の人生について知ったりする際は、それぞれの「人生の変遷」を辿ってみましょう。
時代の変遷
時代の変遷を言い換えると、「時代の移り変わり」となります。流行をはじめとして、時代とともに変わっていくものを指して、「時代の変遷」と表現します。
「変遷」を正しく使おう!
「変遷」は「時の経過に伴う、物事の移り変わり」を指す言葉です。歴史や物事の進化を表現する際に用いられます。「変遷をたどる」や「〇〇の変遷」といった表現で用いられるでしょう。「変遷」には、「変化」「推移」「変遷」「遷移」「沿革」といった類義語も存在します。文脈に沿って、より適切な表現方法を使用してください。
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