変遷ってどんな意味?
変遷(へんせん)という字を見ると、何となく「何かが変わること」を意味する言葉だと想像できるでしょう。では実際「変遷」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。本章では「変遷」という言葉について、意味や使い方を解説します。さらに「変遷をたどる」という慣用句についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
変遷の意味
「変遷」とは、時間の流れとともに物事が移り変わることです。「変」は、従来とは異なる状態に移り変わることを指しており、「遷」とは時間とともに物事が変化することを意味します。
「変わる」「移り変わる」という類似した意味を持つ漢字が組み合わさり、「時代の経過に伴って変化する」という概念を表す言葉として、使われるようになりました。なお「変遷」を辞書で調べると、以下のように説明されています。
[名](スル)時の流れとともに移り変わること。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
変遷の使い方
「変遷」の使い方としては、「変遷する」や「○○の変遷」という形があります。これは時間とともに変化することを示し、特に長期間にわたる状況の変化を指す言葉です。
数分ごとの変化や1日の中での状況の変動など、短期間での変化の場合、一般的には「変遷」という言葉は使いません。数年を単位とする変化や時代の移り変わりに伴う変化など、長期間にわたって変化することを指します。
「変遷をたどる」とは
「変遷」という言葉は、しばしば「変遷をたどる」という慣用句に用いられます。ここでの「たどる」とは、事物の進展や変化を注意深く追跡するという意味があります。そのため、「変遷」と「たどる」という組み合わせによって、事柄の移り変わりを理解する(確かめる)ことを指します。時間と共に物事がどのように変化してきたのか、変遷をたどってみましょう。
変遷の類義語6つ
変遷の類義語には、以下の6つがあります。類義語も多数理解しておくことで、ボキャブラリーが大幅に向上します。
本章では、それぞれの類義語の意味をはじめ、変遷と異なるニュアンスがある場合は、その違いについても解説します。変遷とは異なる言い回しをしたい場合は、参考にしてください。
変化
「変化」とは、ある状態や性質が、他の状態や性質に移り変わることを指します。一方で、「変遷」は時間とともに移り変わることを意味します。つまり「変化」は、時間に左右されずに起こることを意味する言葉です。通常「変化」は「変遷」よりも広い意味で使われます。「変化」を用いた例文は、以下の通りです。
・日本の食生活は、時代が進むにつれて大幅に変化している
・洋服の流行は、時代とともに変化していく
推移
「推移」は、時間が経つにつれて状態が変化することを表します。特に、短期間での変化や数字の変化を指す際に使用されます。「推移」を使った例文としては、以下を参考にしてください。
・訪日外国人数の推移を見ると、2019年までは毎年増加していたことが明らかだ
・出生率の推移を見ると、日本が少子化の国出ることを実感する
変移
「変移」とは、ある状態から他の状態に移り変わることを指します。通常、異なる性質のものへの移り変わりを示す言葉です。同じ性質のものが変わっていく「変遷」とは、異なる状況で使用されます。「世界情勢は、刻一刻と変移する」といった使い方をします。
遷移
「遷移」は、ある状態から別の状態への移り変わりを表す言葉です。量子力学においては、粒子が定常状態から、別の状態に移ることを指します。短期間における、状態の切り替わりを表すニュアンスで用いられます。
・URLから、外部のサイトに遷移します
・水分の乏しい土地では、植物群落が遷移する