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2024.04.26

「老舗」の正しい意味は? 語源や使い方、日本の老舗を解説

「老舗の和菓子店」や「老舗の旅館」など、日常生活でもよく耳にする「老舗」という言葉。まずは、「老舗」の意味をおさらいしましょう。また、知っているようで知らない「老舗」の語源を解説しますので、しっかりチェックしてくださいね。

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「老舗」の意味や語源とは?

「老舗旅館」や「老舗和菓子屋」などに使われる、「老舗」という言葉。歴史があることは理解できても、「一体、創業何年以上が老舗と呼べるの?」「そもそも老舗ってどんな意味?」などとわからないことも多いかもしれませんね。実は、世界から見ても日本は老舗が多い国。教養として日本の老舗をいくつか覚えておくと、話の種にもなるでしょう。

本記事では、「老舗」の意味や日本で有名な老舗について解説します。

意味

「老舗」の読み方から見ていきましょう。一般的には、「しにせ」と読みますが、「ろうほ」と読んでも間違いではありません

《動詞「しに(仕似)す」の連用形から》
1 代々続いて同じ商売をしている格式・信用のある店。
2 先祖代々の家業を守り継ぐこと。
「かみは正直、商売は所柄なり、―なり」〈浄・天の網島〉
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「老舗」とは、何代にもわたって、同じ商売を続けてきた伝統的かつ格式の高いお店のことをさします。長く続いてきたために、お客さんや取引先の人から信用を得ているのも特徴といえるでしょう。

ちなみに、日本は、世界的に見ても「老舗大国」。「老舗」が最も多い国であるとされ、2023年の「帝国データバンク」の調査によると、業歴100年を超える老舗企業は、4万3631社存在しているそうです。

ちなみに世界で最も古い企業は、社寺建築の設計や文化財建造物の復元などを行う「金剛組」(創業578年)。聖徳太子から命を受けて、「四天王寺」を建設したことが開業のきっかけです。その後何度も苦境に立たされながらも、約1400年もの間、事業を守り続けています。

老舗

(c) Adobe Stock

語源

「老舗」という言葉は知っているものの、言葉の由来について疑問に思ったことはないでしょうか。ここでは、「老舗」の語源を解説します。

「老舗」は、もともとは「似せて行う」「家業を守り継ぐ」「仕事を覚える」などの意味を持つ「仕似す(しにす)」「為似す(しにす)」が語源です。それが名詞の「しにせ」に変化し、やがて「老舗」という漢字が当てられました。「老舗」の「老」は、年老いていること、「舗」は店舗を意味するので、「しにせ」にぴったりな漢字として選ばれたのでしょう。

「老舗」とは何年以上のこと?

「老舗」という言葉は、はたして何年続くお店であれば使えるのでしょうか。はっきりとした基準はありませんが、創業100年を超えるお店については、「老舗」と言ってもいいでしょう。実際に、企業の信用調査を行う「帝国データバンク」や、「東京商工リサーチ」では、業歴100年以上を「老舗」として定義することが多いようです。

ちなみに、「老舗」の割合が高い京都では、一説によると創業100年では「老舗」とは呼べないのだとか。「老舗」の基準が曖昧なため、「老舗」の多い町と、少ない町でも、基準が異なるのかもしれませんね。

日本で有名な「老舗」について

日本の有名な老舗はご存じですか? ここでは、いにしえから今に残る仏具屋や旅館、菓子司などをいくつかピックアップして紹介します。

田中伊雅仏具店(たなかいがぶつぐてん)

京都の仏具屋である「田中伊雅仏具店」は、平安時代の仁和年間885年創業の老舗。真言宗などの密教仏具を扱う専門店です。荘厳な意匠や漆塗りの技術は、長年培ってきた職人の技が光ります。京仏具を代表する会社です。

城崎温泉 旅館 千年の湯 古まん(こまん)

旅館「古まん」の創業は、養老元年(717年)にさかのぼります。宿は純和風木造りで、館内には城崎温泉にゆかりのある作家の作品が展示されています。露天風呂付き客室もあり、中には庭園を眺められる客室も。老舗ならではのおもてなしを受けながら、心身ともにリラックスできそうです。

北陸 粟津温泉 法師(ほうし)

石川県小松市にある温泉旅館「法師」は、創業約1300年の老舗。小堀遠州ゆかりの庭園や文化財に指定された客室「延命閣」も。明治時代に宮大工が建てた総檜の御殿造の建物で、皇族の方などが宿泊しています。北陸最古の名湯 粟津温泉を堪能できる旅館です。

女将

(c) Adobe Stock

通圓(つうえん)

京都・宇治に店を構えるお茶屋「通圓」の創業は、平安時代末期の1160年にさかのぼります。元祖は、源頼政の家臣である古川右内という武士だったそう。今の店舗は、寛文12年(1672)に建てられた江戸時代の町家の遺構を残す建物で、江戸時代初期の建築方法を今に残しています。

豊臣秀吉や徳川家康などの歴史に名を残した大名も、この茶屋でお茶を飲んだことが記録に残っているとか。

虎屋(とらや)

とらやの羊羹でもお馴染みの「虎屋」は、室町時代後期に京都で創業しました。御所の御用菓子司を務め、明治2年の東京遷都の際に東京にも進出しました。虎屋の経営理念は「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」。いつの時代も、職人の熟練した技術でお客様に喜んでもらえるお菓子づくりを続けています。

使い方を例文でチェック!

「老舗」は、お店に対して使われることが多い言葉です。例文を見て使い方を理解し、しっかり使えるようになってくださいね。

「今週末は、創業1300年の老舗旅館に泊まる予定だ」

日本には、創業100年以上の歴史を誇る「老舗」の旅館が、現在も数多く存在しています。長い年月を経てきたからこそ醸し出す風情は「老舗」ならではのものですよね。ちなみに、日本で最も古い「老舗旅館」は、705年に開湯した山梨県の「慶雲館」。日本に限らず、世界で最も古い宿泊施設として、ギネスワールドレコーズにも認定されている歴史ある旅館です。

「手土産には、老舗の和菓子を持っていけば間違いない」

お店を長く続けていくには、お客さんからの支持を得られないと厳しいですよね。「老舗」のお店は、世間からの信用が厚いため、「老舗だったら味は間違いない」と思われることが多いです。

類語や言い換え表現とは?

「老舗」とまったく同じ意味を持つ言葉はありませんが、似たようなニュアンスを持つ言葉はいくつかあります。「老舗」と同じく、ポジティブなイメージを与える類語を紹介しますよ。

「老舗」の類語
  1. 伝統ある
  2. 由緒ある
  3. 格式高い

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