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お気に入りの服や帽子に残る「汗染み」。時間が経つほど落ちにくく、白い服は黄ばみ、色物は変色することもあります。しかし、正しい方法で対処すれば、頑固な汗染みもスッキリ落とせますよ。そこで、本記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに、時間が経った汗染みの落とし方や、帽子やスーツなどアイテム別の最適なケア方法をお聞きしました。自宅でできる簡単な方法を試して、清潔な衣類をキープしましょう。
汗染みの正しい落とし方とは? 放置するとどうなる?
汗染みは一度ついてしまうと落ちにくく、長期間放置すると黄ばみや衣類の傷みを招きます。正しい落とし方を知れば、簡単に衣類を長持ちさせることができます。ここでは、汗染みが起こる原因から、放置すると起きる問題まで解説していきましょう。

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汗染みの原因とは? なぜ落ちにくいのか
汗は本来透明で、すぐに洗えば簡単に落とせます。しかし、時間が経つと黄ばみや変色が起こります。これは、汗に含まれる皮脂やタンパク質、塩分が空気に触れて酸化するためです。色物の衣類は、汗の成分や紫外線の影響で変色や脱色が起こります。
特に皮脂やタンパク質は、繊維に入り込んで固まりやすくなります。つまり、放置するほど普通の洗剤だけでは落ちにくくなってしまうのです。
時間が経った汗染みは特に落ちにくい
黄ばみや生地の変色が起こると、衣類自体の質感や清潔感まで損なわれる恐れがあります。そのため、汗染みはできるだけ早めに対処することが肝要です。
時間が経った汗染みの落とし方【簡単ステップ】
時間が経った汗染みは「落とせない」と諦めがちですが、家庭にあるものを使って簡単にきれいにできます。具体的な方法を初心者でも分かりやすく順を追ってご紹介しましょう。
重曹を使った効果的な方法
時間が経つと汗染みは、特に皮脂汚れが原因で固まってしまいます。この場合、重曹が効果を発揮します。まず、重曹大さじ2杯に対し、ぬるま湯を大さじ1杯加えてペーストを作りましょう。このペーストを汗染み部分にやさしく塗り、約10分間そのままにします。その後、歯ブラシなどで軽くこすり、水ですすぎます。仕上げに洗濯機で洗えば、染みが薄くなりスッキリしますよ。
セスキ炭酸ソーダを活用
皮脂汚れが原因で汗染みがひどい場合には、セスキ炭酸ソーダが便利です。洗面器に約40℃のお湯を張り、セスキ炭酸ソーダを大さじ1杯入れて溶かします。衣類を20~30分つけ置きしたあと、すすいでから洗濯機で通常通り洗濯。衣類の色落ちや縮みのリスクも低く、初心者でも安心して試せる方法です。
白い服・色物の汗染み、どう落とす?
白い服の場合、黄ばみが目立ちやすいため、酸素系漂白剤が役立ちます。ぬるま湯1リットルに対し酸素系漂白剤大さじ1杯を溶かし、約30分間つけ置き。その後、十分にすすいでから洗濯をすると、衣類を傷めずに白さを取り戻すことができます。
一方、色物の服の場合、漂白剤で色落ちする可能性があるため注意が必要です。この場合は重曹やセスキ炭酸ソーダを使い、ぬるま湯で部分的につけ置き洗いをします。約20分置いた後に通常洗濯をすると、生地の色を守りながら汗染みを落とせますよ。

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アイテム別! 汗染みの落とし方【帽子・スーツ・ブラウス】
お気に入りの帽子やスーツ、ブラウスは大切に長く使いたいものですが、それぞれ素材や形状が異なるため、汗染みのケア方法も違います。ここではアイテム別に丁寧に説明し、衣類を傷めずきれいに保つ方法を紹介していきましょう。
帽子の汗染み:変色・黄ばみの対処法
帽子は額や頭皮の汗が直接つきやすく、長期間そのままにすると黄ばみや変色が目立ってきます。特に洗濯表示で洗えるタイプなら、重曹を使ったケアが簡単です。ぬるま湯500mlに対し重曹大さじ1杯を溶かしたものに、帽子を約20分浸します。優しく押し洗いした後、すすぎを丁寧に行い、タオルで水分を取り、風通しのいい場所で陰干しすると変形や色褪せを防げます。
洗えない帽子の場合は、クエン酸水を作って部分ケアします。水100mlにクエン酸小さじ半分を溶かし、布やスポンジに染み込ませて汗染み部分をやさしく拭き取ります。最後に濡らして固く絞った布で仕上げ拭きをすれば、雑菌の繁殖を軽減できます。