結婚式にまつわるお金のやり取りのなかでも、「お車代」は判断が難しい項目のひとつです。親族や友人など相手によって金額は変わるうえ、封筒のマナーや渡すタイミングにも配慮が求められます。
この記事では、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない知識として、お車代の意味から実務での対応方法までを丁寧に整理しました。基本を押さえておけば、安心して式の準備に臨めるはずです。
結婚式のお車代とは? 意味と役割をわかりやすく解説
結婚式の準備で悩みがちな「お車代」。まずは基本的な意味と役割を整理しておきましょう。
お車代の意味と位置づけ
お車代とは、結婚式に参列する人の中で移動に時間や費用がかかる人へ、負担の軽減を目的として手渡す金銭的な配慮です。おもてなしの一環とされることが多く、「遠くから足を運んでくれてありがとう」という感謝の気持ちを形にする意味を持ちます。
正式な義務ではありませんが、受け取った側に「気遣ってもらえた」と感じてもらえる手段の一つとして、多くの場面で準備されています。

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御礼との違いは? お車代に含まれる“気遣い”
お車代が「御礼」として渡されるケースもあります。御礼は、スピーチや受付など、式の運営を手伝ってもらうことに対する感謝として渡されますよ。一方で、物理的な移動に対しての支援という性質を持ちます。
似たように見える場面でも、「行動に対する謝意」か「移動に対する配慮」かを考えることで、適切な対応が見えてくる場合があります。
誰に渡すもの? 渡すべき対象の考え方
お車代は、どのような基準で誰に渡すのかという点で迷いやすい事項です。目安として移動時間が長い、あるいは交通費が高額になると見込まれる人が対象になることが多いですが、明確なルールがあるわけではありません。
距離だけでなく、移動手段や天候、交通の利便性など、相手の状況を多角的に想像して判断する姿勢が大切とされています。準備の段階で招待客の住所やアクセス方法を確認し、必要に応じて相談できるようにしておくと安心です。
お車代の相場とケース別の目安
親族・友人・遠方・海外など、相手や状況によって金額の目安は異なります。
親族へのお車代相場と注意点
親族に対して用意するお車代の目安は、移動距離や交通費の実費をもとに検討される傾向があります。具体的には、移動に新幹線や高速バスなどを利用する場合には、片道1万円を超えるようなケースもあるため、全体で1万円~3万円程度を参考にすることがあります。
ただし、親族間でお金の授受に対する価値観は異なる場合もあり、両家で対応が一致していないと、誤解を招く要因になる可能性も考えられます。事前の話し合いにより、両家間での意識のずれを確認しておくことが望ましいです。
友人・スピーチ・受付などゲスト別の金額目安
友人に対してのお車代は、距離や交通手段を踏まえつつ、片道の交通費の半額から全額を基準に考えられることが多いです。スピーチや受付など、式を支えてくれる立場のゲストには、交通費とは別に御礼金が渡されるケースも見受けられます。
お車代と御礼の両方をお渡しする際は、それぞれの意図が伝わるように、金額の設定だけでなく渡し方にも工夫が求められます。役割を担うゲストの負担に配慮し、丁寧な対応を心がけることが信頼感につながりますよ。
海外からの出席者に渡す場合の配慮
海外からのゲストを迎える場合には、渡航費用に加えて、時差や滞在スケジュールへの配慮も重要になります。現地通貨と日本円のどちらで用意するのか、滞在中の交通手段や宿泊先の手配にどう関与するかによって、お車代のあり方も変わってきます。一律の形式よりも、相手の立場や渡航条件を丁寧にくみ取ることが大切でしょう。

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お車代は誰が出す? いつ渡す?
「誰が負担するのか」「渡すタイミング」など、現場で迷いやすいポイントを整理します。
新郎新婦が出す? 両親が出す? 負担の考え方
お車代の費用を誰が負担するかは、地域や家庭の考え方により異なるでしょう。新郎新婦が主体となって準備することが増えている一方で、親が関与することが当然とされる風習が残る地域もあります。
費用面に限らず、「誰が手配するか」「誰の名義で渡すか」など細かい判断が必要になる場面もあるため、両家の考え方や役割分担については早い段階で擦り合わせをしておくと、当日の混乱を避けやすいでしょう。