渡すタイミングはいつ? 受付や控室の工夫
お車代を渡すタイミングには明確な決まりがあるわけではありませんが、落ち着いた環境で丁寧に渡せる機会を設けておくと安心です。受付での対応を検討する場合は、混雑を避ける方法をあらかじめ整えておくと混乱が起きにくくなります。
また、控室での待ち時間や、会場入り直後のタイミングなど、静かに会話ができる時間帯を活用することで、相手に負担をかけずに渡すことができるでしょう。
受付係が対応する場合の配慮と段取り
お車代の受け渡しを受付係にお願いする場合は、事前に必要な情報を共有しておくことが重要です。誰に渡すかが明確になっていないと、受け取りの漏れや行き違いにつながる可能性があります。封筒に名前を記載しておくことで、相手の確認がしやすくなり、受付係の負担も軽減されます。
併せて、渡すべき対象や順番をリスト化し、チェック方式にしておくことで、より丁寧かつ確実な対応がしやすくなりますよ。
【目次】 [hide]
お車代の封筒マナーと正しい書き方
封筒の種類、表書き、名前の書き方などは、マナーに不安を感じる人が最も多い部分です。わかりやすく解説していきましょう。
どんな封筒を使えばいい? 水引・セリアの活用も
封筒を選ぶ際は、相手との関係性や場の格式に合わせた選び方が求められます。目上の親族や年長の来賓に渡す場合には、水引付きののしが印刷されたものを選ぶことで、丁寧な印象を伝えやすいでしょう。
一方で、親しい友人に対しては、おしゃれなポチ袋などカジュアルなものでも失礼にあたらないとされる場面もあります。装飾の有無にこだわるよりも、「相手を思って準備されたものかどうか」という視点が、封筒選びの軸になると考えられています。

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宛名・表書き・裏面の記載例を紹介
封筒の表面には「御車代」や「お車代」と書くのが一般的とされています。文字は縦書きにし、楷書で丁寧に書くことで、形式への敬意が伝わりやすくなります。特別な指定がない限りは無記名でも問題ないとされることもあります。地域や慣習によって違いがあるため、迷った場合には事前に家族や式場スタッフと確認を取る方法も検討されます。
お札の向きと入れ方に気をつけたい理由
お車代に使用する紙幣は新札を選ぶことが多いでしょう。封筒へ入れる際には、紙幣の肖像が表面かつ上部に入れると整った印象になります。一枚だけでなく複数枚入れる場合も、紙幣の向きや厚みが不自然にならないよう整えましょう。
手書きでも問題ない? 丁寧さを伝える工夫
印刷された封筒を使用するか、手書きにするかについては、どちらが正しいとは一概に言えません。筆ペンや万年筆で手書きする場合には、文字のバランスや読みやすさに意識を向けることで、丁寧さが伝わります。
形式や見た目以上に、落ち着いて整った状態で準備されたことが伝われば、封筒の印象も好意的に受け取られやすくなりますよ。
最後に
結婚式のお車代は、形式だけでなく心遣いを表す大切な文化です。相場や渡し方に迷ったときこそ、相手の立場に立って考えることが信頼につながります。丁寧な準備で、当日をより温かな時間にしましょう。
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監修
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン