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2023.04.14

【5月5日】こどもの日の由来や歴史って? 祝い方や食べ物を解説

 

「こどもの日」がどのような日なのか、詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事ではこどもの日の由来や歴史について解説。祝い方や食べ物、おすすめの過ごし方についてもご紹介します。

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こどもの日とは

5月5日はこどもの日。具体的には、どのような日なのでしょうか?意味や目的など背景を知ることで、より理解が深まります。

たくさんの鯉のぼり

もともとは端午の節句

5月5日のこどもの日は、もともと五節句の1つである「端午(たんご)の節句」の日です。五節句とは、1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句を指します。江戸時代初期には幕府によって公式な「式日」と定められました。制度としては明治時代に廃止されましたが、形を変えて現在でも親しまれています。

国民の祝日の一つに

こどもの日」は国民の祝日の1つで、1948年に制定されました。子どもの成長や健康を願う日と認識されていますが、実はそれだけではありません。祝日法では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日となってます。

こどもの日は日本だけでなく世界各国でも祝われています。中国・韓国・トルコ・メキシコ・ブラジル・インド・タイなど多くの国で祝う風習があります。1954年に国際連合が11月20日を「世界子どもの日」として制定し、加盟国に対してこどもの日を設けるように勧めたことがきっかけです。日付は各国がそれぞれの事情を考慮して決定しました。

参考:国民の祝日について – 内閣府

こどもの日の由来と歴史

こどもの日はどのように成立したのでしょうか。その由来や歴史的背景を紹介します。

こどもの日

起源は古代中国の厄払い

こどもの日は中国の「端午節(たんごせつ)」に由来します。古来、奇数は陽数とされ、陽数が重なる日は大変おめでたい反面「陰」に転じやすいとされたため、祝いとともに災厄を避けるための行事が行われるようになりました。

この風習が奈良時代に日本に伝わると、「端午の節会」という宮中行事になりました。邪気を払うと考えられた「菖蒲(しょうぶ)」を身に着けたり、屋根を葺いたり、菖蒲を編んだ薬玉を飾ったりして、無病息災を祈願していました。

江戸時代以降に立身出世を願う祭りに

端午の節句は、菖蒲を用いて行事をするので、別名「菖蒲の節句」といいます。鎌倉以降、武士の力が強くなると、「菖蒲」が「尚武」に通じることや、菖蒲の葉が剣に似ていることから、武家の間で端午の節句が重んじられるようになりました。一族の後継ぎとなる男の子が生まれると、健康や成長・出世を願い盛大にお祝いするようになりました。

江戸時代には五節供のひとつになり、武家だけではなく庶民の間にも広まっていきました。武者人形や吹き流しなどを販売する店もでき、一大行事に発展しました。

鯉(こい)のぼり」が誕生したのも江戸時代です。もともと武家では、家紋付きの旗「のぼり」を立てる習慣があり、男の子が生れるとのぼりを立てて祝う習わしがありました。この習わしを取り入れようとした庶民が鯉のぼりを考案し、現在に至っています。

こどもの日の祝い方

こどもの日には、どのようなことをしてお祝いするのでしょうか?一般的な祝い方を紹介します。

こどもの日の一般的な祝い方
  1. 五月人形を飾る
  2. 鯉のぼりを飾る
  3. 菖蒲湯に入る

お湯を張ったバスタブに浮かぶ菖蒲の葉

五月人形を飾る

こどもの日の前の3月下旬~4月中旬から、「五月人形」を飾るのが一般的です。甲冑(かっちゅう)や弓矢がセットになった「鎧(よろい)飾り」、頭にかぶる兜(かぶと)を模した「兜飾り」、武者の姿をした人形「武者人形」などの種類があります。

五月人形の起源は、戦が続いていた戦国時代とされています。梅雨が来る前に風を通し、手入れをするために武具を飾る風習がありました。鎧や兜は武士が身を守る大切な防具であり、強さの象徴と考えられてきました。五月人形には男児のたくましい成長を願い、災厄から守る厄よけや、その子の厄を引き受ける役割があるとされています。

鯉のぼりを飾る

鯉のぼり」には、男児の成長と出世を願う意味があります。中国の故事である、竜門という滝を登った鯉が竜となって天に昇った「登竜門」伝説にちなみ、立身出世を願います。鯉は、池や沼など環境の整っていない状況でも生きていける生命力の強い魚なので、「どんな環境でもたくましく成長し、立派になってほしい」という願いが込められているのです。

当初は本人を表す黒い真鯉だけを飾っていましたが、現在は家族を表すことが多くなりました。一番上が父親を象徴する黒色の真鯉、その下には母親を象徴する赤色の緋鯉、続いて子どもを象徴する青や緑色の子鯉を飾るのが基本的な飾り方です。鯉の上に飾られるカラフルな「吹き流し」の由来は、中国から伝わった「五行説」です。赤・青・黄・白・黒の「五色(ごしき)」で魔よけの役割があります。

菖蒲湯に入る

こどもの日が近くなると、スーパーなどで菖蒲(しょうぶ)が販売されているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。菖蒲を風呂に入れる「菖蒲湯」も古くから続く慣習です。

5月5日はめでたい反面「陰」に転じやすいとされたため、香り高い菖蒲を入れたお風呂に入り、邪気を払って無病息災を願います。また、菖蒲には薬草効果があるので健康につながります。

菖蒲をそのまま湯船に入れるだけでも楽しめますが、葉を細かく刻んでカーゼやネットに入れて使用すると香りが増します。

こどもの日の食べ物

こどもの日には、家族みんなで行事食を楽しんでみませんか?主な食べ物をその意味と合わせてご紹介します。

こどもの日の主な食べ物
  1. かしわ餅
  2. ちまき

柏餅

かしわ餅

主に関東エリアでよく食べられるのが、「かしわ餅(柏餅)」です。かしわの葉は新しい葉が育たないと古い葉が落ちないため、古くから家督が続く、子孫繁栄の象徴として端午の節句に供え、食べるようになりました。

かしわ餅を食べる習慣が始まったのは、江戸時代中期ごろといわれています。当時は小倉あんとみそあんの2種類が食べられていたようです。

またかしわの葉に含まれている物質には、防腐・抗菌作用があることが知られています。古くから食べ物を包んだり、盛ったりするときにも使われていました。

ちまき

ちまき

主に関西エリアの定番のお菓子が「ちまき」です。本来、端午の節句の行事食といえばちまきで、端午節とともに中国から伝わりました。その由来は中国の故事にあります。

古代中国に、国王の側近で詩人としても活躍していた「屈原(くつげん)」という政治家がいました。屈原は人々から強い信頼を得ていましたが、陰謀により国を追われてしまいました。彼は国の未来に失望し、自ら川に身を投げて命を絶ってしまいます。人々は屈源の死を悲しみ、5月5日の命日にお供え物のちまきを投げ入れて供養しようとしましたが、悪い竜に盗まれてしまい届きません。そこで竜が苦手な楝樹(れんじゅ)の葉でちまきを包み、邪気払いの役割がある五色の糸で結んで投げ入れたところ、屈源に届いたという話です。

おすすめの過ごし方

昔ながらの風習以外にも、こどもの日におすすめの過ごし方があります。家族の思い出に残る過ごし方を見つけてみてください。

こどもの日におすすめの過ごし方
  1. 記念撮影をする
  2. 親子で楽しめる遊びをする

折り紙で作った兜と鯉のぼり

記念撮影をする

子どもの健やかな成長を願う日なので、記念撮影をして思い出に残すのもおすすめです。毎年こどもの日に過去の写真を振り返ると、成長を実感する機会にもなるはず。

五月人形や鯉のぼり、行事食と一緒に写真を撮っている家庭も多いのではないでしょうか。毎年、五月人形や鯉のぼりと一緒に写すと、大きさが比較でき、成長記録にもなります。カメラのタイマー機能を使えば、自宅でも全員で写真を撮ることができますね。

写真スタジオなどでプロに撮影してもらう方法もあります。個人では準備しにくい衣装や小物もそろっているため、プロならではの出来栄えに仕上がります。

親子で楽しめる遊びをする

子どもと一緒に思いきり遊ぶのもおすすめです。天気が良ければ、近くの公園で思う存分遊ぶのもいいですね。お弁当を持ってピクニックをすると、楽しい思い出になります。

家の中では、年齢問わず遊べるゲームがおすすめ。トランプやボードゲームなど家族みんなで楽しめるものも多くあります。カルタやすごろくなど日本古来の遊びを取り入れると、普段とは違った楽しみ方ができるでしょう。

鯉のぼりや兜の工作も親子で楽しめます。簡単なものから本格的なものまで作り方はさまざまなので、子どもの年齢に合わせて選んでみてください。

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)
『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)

季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。

監修/和文化研究家  三浦康子先生

監修/和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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