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2025.05.20

日本と世界の夏至の風習って?地域によって違う祝い方を紹介します

夏至とは1年のうちで最も昼の時間が長い日を指します。本記事では夏至の概要や時期の決め方、日本海外における風習などをご紹介します。

Summary

  • 夏至とは、1年のうちで最も昼の時間が長く、夜が短い日
  • 日本では例年6月21日または22日だが、将来的に20日になることもある
  • 全国共通の風習や食べ物はないが、地方によって独自の風習が存在している

「夏至」の概要

夏至とは二十四節気のひとつで、北半球では1年のうちで最も昼の時間が長く、その分夜が短い日です。日本では、毎年6月21日か22日が夏至となります。

太陽が照る青空

日本や世界には夏至にまつわる風習がさまざまに存在します。それらを知るうえでも、まずは夏至の成り立ちをみていきましょう。

夏至は太陽が夏至点を通過する時刻

夏至は太陽が黄道上で最北に位置する「夏至点」を通過する日や時期のことです。現行暦においてはそれが6月21日ごろにあたります。

北半球では夏至の時期が一年中で昼の時間がもっとも長く、夜の時間はもっとも短くなります。また北極圏あたりでは太陽が地平線下にまで没さず、白夜の現象が生じるころです。

夏至の日付

夏至は毎年おおよそ同時期ですが「日付」は年ごとに異なり、日本では例年6月21日または22日になります。将来的には、20日になることもあるようです。

夏至の日付が毎年異なる理由は、一年間の季節を24に分けて考える「二十四節気」が関係しています。二十四節気は太陽の位置を目安としていますが、天体の動きは毎年微妙に変わるもの。それに合わせて日にちが決められるため、年によって変化するのです。

日本における夏至の風習

日本における夏至には、全国的な風習として共通の食べ物や行事食などありません。ただし「三重県の夏至祭」「京都府の水無月」「愛知県の無花果田楽」などを代表に、各地域では独特の風習が存在します。

夫婦岩と朝焼け

また夏至に関する全国的なイベントはないものの、伝統的な行事はあります。ここでは、日本における夏至の風習を3つ例に挙げてみていきましょう。

三重県の夏至祭

日本の代表的な夏至の風習として、三重県で行われる「夏至祭」が挙げられます。太陽のエネルギーが最も溢れるとされる夏至の日の3時30分〜6時の間に、伊勢市にある二見興玉神社で夫婦岩の間から昇る朝日を浴びながら、禊が行なわれるのです。

夫婦岩付近は古来より清い場所とされ、清浄な浜辺として尊ばれてきました。当日の天気次第では、富士山の頂から昇る朝日を拝める可能性もあり、全国から多くの方が参加します。

京都府の水無月

夏至に食べる代表的な和菓子として京都府の「水無月(みなづき)」があります。水無月は、ういろうの上に小豆を乗せて、三角に整えた和菓子です。

京都府では古来より、夏至の期間となる6月30日にこの水無月を食べる風習があります。6月30日を1年の半分としてカウントし、残りの半年間の邪気を払い、無病息災を祈願することが夏至に水無月を食べる理由です。

愛知県の無花果田楽

愛知の一部の地域で食べられる「無花果田楽(いちじくでんがく)」も夏至の日に食べる代表的な食べ物です。いちじくを半分に切り、その上から田楽味噌をかけて焼いて食べます。

いちじくは「不老長寿の果物」と呼ばれていたことが所以で、かつては薬としても使用していました。また田楽味噌の「田楽」は豊作を祈願する「田楽」の踊りが由来であることから、「無病息災」や「豊作」を祈願する意味も持つのです。

静岡の冬瓜

静岡を中心に、全国で夏至に「冬瓜(とうがん)」が食べられています。冬の瓜と書きますが、実は冬瓜は夏が旬の野菜です。水分を多く含み、ビタミンCやカリウムが豊富に含まれていることから、夏バテを予防する効果も期待できます。

見た目にも涼しげな翡翠煮をはじめ、スープや炒め物、サラダ、浅漬けなど様々な食べ方で楽しむことができる食材です。

三重の茗荷

三重県では、夏至に茗荷を食べる風習があります。茗荷は栄養価が高く6月に旬を迎える食べ物であることから、夏至の時期に田植えを終える三重では疲労回復とねぎらいの意味を込めて食べていたと言われています。

関東の新小麦の焼き餅

関東では田植えと同時に小麦を作る農家が多いことから、夏至に新小麦と餅米を混ぜて作った「焼き餅」を食べたり、お供えにする風習があります。新小麦の収穫を祝うとともに、お餅のように「粘り強く物事を進めるように」という意味込められています。

また、島根県や熊本県にも、小麦の団子やまんじゅうを供える風習があります。

関西の半夏生餅

夏至から11日目の日を「半夏生(はんげしょう)」と言い、奈良を中心に和歌山や大阪の一部地域で、この時期に小麦ともち米を半分ずつ混ぜて作り、きな粉をまぶした「半夏生餅」を食べる風習があります。

「半夏生餅」は関東の小麦の餅とよく似た食べ物で、田植えが終わったころに「豊作祈願」やねぎらいの意味を込めて食べられていたものです。

関西のタコ

夏至が田植えの時期と重なることから「タコの足のようにしっかり根付くように」という願いを込めて関西では、夏至の日にタコを食べる風習があります。

また、タコは栄養価が高いことから、田植えの時期の疲労回復を促す狙いもあったようです。

福井の半夏生鯖

福井県の大野市周辺地域では、「半夏生」の時期に串刺しの丸焼き鯖を食べる風習があり、この鯖のことを「半夏生鯖」と呼んでいます。

江戸時代に夏バテ防止のために藩主が焼さばを食べることを奨励した、あるいは、鯖の丸焼きを配ったことが起源とされていて、文化庁が認定する「100年フード」にも選ばれています。

香川のうどん

香川県では、「半夏生」の時期に収穫した小麦でうどんを打ち、農作業を手伝ってくれた人たちに振る舞う風習があります。

そのことから、香川県製麺事業協同組合が「半夏生」の時期にあたる7月2日を「うどんの日」に制定しています。

海外における夏至の風習

日本だけでなく、海外にも夏至に関する風習が存在します。日本よりも夏至を重要な日として捉えている国が多いのが特徴です。ここでは「スウェーデン」「ポーランド」「ヨーロッパ諸国」の3つに関する風習をご紹介します。

ミッドサマーの踊り

スウェーデンのミッドサマー

スウェーデンでは夏至を夏至祭(ミッドサマー)として多くの人々が祝います。このミッドサマーをクリスマスよりも重要な日と位置づける人もいるようです。

スウェーデンはキリスト教が普及する以前から夏至を祝う風習があり、家族や友人と田舎で一緒に過ごす大切な日として捉えています。シュナップスというお酒とともに、ニシンやじゃがいもなど食べながら、朝まで宴を続けます。夏至のスウェーデンの夜は、北部では白夜、南部でも数時間の間だけ薄暗くなる程度です。

フィンランドの夏至祭

フィンランド北部も、スウェーデン北部と同じように夏至の頃には白夜を迎えます。そのため、フィンランドでも夏至祭は重要な行事のひとつと考えられています。

夏至祭には、古くから子孫の繁栄や将来のパートナーを見つけるためのおまじないが行われていました。中でも有名なものが「枕の下に7種類の花を置いて寝ると、夢で将来の伴侶に出会える」というものです。そのため、夏至祭は結婚式の多い日でもあります。

最近では、夏至祭の前日から休暇に入り、家族や友人とコテージでのんびり過ごすのが人気です。サウナに入ったり、パーティーやバーベキュー、魚釣り、セーリングなどを楽しむのが一般的です。

また、かつては夏至祭の間ずっと「コッコ」と呼ばれるかがり火を焚いて悪魔を追い払い、豊作を願っていました。そのため現代でもかがり火を焚くほか、皆で大騒ぎすることで悪魔を追い払い、幸運を呼び込むことができると考えられていたことから、夏至を祝うパーティーは朝まで賑やかに行われます。

ポーランドの花輪

ポーランドでも夏至の頃に夏至祭が行われます。夏至の夜は男女が恋に落ちると言い伝えられており、女性が花輪を作って川に流す伝統があります。かつては、その花輪を拾った男性と結婚することもよくあったそうです。

イギリスのストーンヘンジ

イギリスでは、世界遺産でもある「ストーンヘンジ」で夏至を祝います。普段はロープが張られれておりサークルの内部に入ることができませんが、夏至・冬至・春分・秋分のみ無料開放され、内側に入ったり石に触れることもできます。

ヒールストーンと呼ばれる石が夏至の日の出の方向と一致していることから、前夜の日没前から多くの人が夏至の日の日の出を見ようと訪れます。

ヨーロッパ諸国で行われる焚き火

ヨーロッパ諸国にも夏至に関連する行事や風習などがさまざまにあります。フランスのプロバンス地方では、「お焚き上げ」に似た焚き火の風習があります。またドイツでも同じく夏至の日に火を焚く風習があり、ヨーロッパ諸国では夏至の時期に行う焚き火を魔除け、牛疫除けとして信じられているのです。

日が少しずつ短くなる夏至以降に火を焚くことで、太陽の力を高めるとしているのです。夏至に行う火祭りは、ヨーロッパ諸国では重要な行事としています。

ギリシャの聖ヨハネの日

ギリシャでは、夏至の3日後にある「聖ヨハネの日」に未婚女性が自分の持ち物を容器に入れてイチジクの木の下に置いておくと、夏至の魔法がかかって将来の夫の夢を見るという言い伝えがあります。主にギリシャ北部の村で受け継がれており、翌日には村の女性が集って、見た夢の話に花を咲かせます。

 

夏至の風習は地域や国によってさまざま

青空と入道雲、ひまわりの花

日本においては夏至の日を特別な日として捉える人は少ないかもしれません。しかしスウェーデンのミッドサマーやポーランドの花輪などのように、ヨーロッパ諸国では夏至を重要な日・時期と捉えていることがお分かりいただけたと思います。

また日本でも地域によっては「三重県の夏至祭」「京都府の水無月」「愛知県の無花果田楽」のような古くからの風習があり、現在でも多く残っているのです。各地域にある夏至の風習を改めて調べれば、ビジネスの場面でも話の種になるかもしれません。国や地域ごとのネタは知っておくとさまざまな場面で重宝するのでぜひ情報収集してみてください。

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