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2023.06.26

2023年の「土用の丑の日」はいつ?その意味やうなぎを食べる理由を解説

 

「土用の丑の日(どようのうしのひ)」といえば、うなぎを思い浮かべる人も多いのでは。なぜこの日にうなぎを食べるようになったのでしょうか?2023年の土用の丑の日の日付や、言葉の意味を解説します。

土用の丑の日の意味は?

土用の丑の日」の存在は知っていても、その意味まで詳しく説明できる人は少ないかもしれません。「土用」そして「丑の日」はそれぞれどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

新緑と青空

「土用」は季節の変わり目の期間

土用」は、季節の変わり目の期間です。万物は「木・火・土・金・水」の五つの要素に分けられるという、中国伝来の「五行説」の考え方に基づき、春夏秋冬に「木・火・金・水」をあて、季節の変わり目の期間に「土」をあてて「土用」と呼ぶようになりました。それぞれの季節の変わり目に土用があるため、年に4回土用があります。立冬・立春・立夏・立秋の直前の約18日間が土用とされ、おなじみの「土用の丑の日」の土用は、立秋前の夏の土用を指しています。

丑の日の「丑」は十二支の1つ

「丑(うし)」は十二支の1つです。日本では昔から年、月、日、方位、時刻などに十二支を用いてきました。土用の期間にめぐってくる丑の日が、「土用の丑の日」です。

2023年の土用の丑の日はいつ?

一般的に行事として知られているのは、夏の土用の丑の日です。毎年日にちが異なるので、今年は何日なのかわからないという人も多いはず。2023年の土用の丑の日はいつなのか見ていきましょう。

7月のカレンダー

7月30日の日曜日

立秋直前の約18日間が夏の土用の時期です。2023年の立秋は8月8日(火)、夏の土用は「7月20日から8月7日まで」。この期間中の丑の日は、7月30日(日)です。土用は約18日間あるため、年によっては丑の日が2回訪れることもあります。その場合は最初の丑の日を「一の丑」と呼び、2回目を「二の丑」と呼びます。

うなぎを食べる理由

なぜ土用の丑の日にうなぎを食べるのか、疑問に思ったことはないでしょうか。丑の日にうなぎを食べるようになった理由を解説します。

鰻丼

平賀源内による広告説

「土用の丑の日」の詳しい成り立ちを知らなくても、うなぎを食べる日だと認識している人は多いはず。うなぎを食べるようになった理由には、諸説あります。中でも、江戸時代の学者・平賀源内が考えたキャッチコピーによるものという説が有名で、夏にうなぎが売れないことに困ったうなぎ屋が、彼に相談したことがきっかけだとされています。平賀源内は、丑の日に「う」が付く食べ物を食べると夏バテしないという言い伝えをもとに、うなぎ屋の店先に「本日丑の日」と書いた貼り紙をしました。こうして町の人々の関心を集めたことで、土用の丑の日のうなぎが定着したといわれています。

ビタミンAなどの栄養も豊富

うなぎはビタミンA(レチノール)が豊富な食材で、数多くある魚介類の中でもトップクラスを誇っています。うなぎをかば焼きにして食べた場合、100gあたり1500μgのビタミンAを摂取可能とされています。ビタミンAは、目・皮膚・粘膜などの健康維持に効果がある栄養素で、不足すると視力が衰えたり、肌の乾燥を招いたりすることがあります。

さらにうなぎにはビタミンAだけでなく、タンパク質・ビタミンB群・ミネラル類なども豊富に含まれているのが特徴です。さまざまな栄養素をバランスよく摂取できるので、夏バテ予防に役立つと考えられています。

参考:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

うなぎ以外に食べるとよいもの

うなぎ以外にも「う」が付く食べ物はたくさんあり、丑の日に食べるとよいとされてきました。例えば、うどん・梅干し・瓜なども土用の丑の日の食べ物です。これらを土用の丑に取り入れるのもおすすめです。また、土用に特別な食材を取り入れる習わしが古くからあります。土用の期間に産み落とされた卵を「土用卵」、この時期とれるしじみを「土用しじみ」、魔除けに効くとされる小豆を使ったあんころ餅を「土用餅」といい、昔から親しまれてきました。

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土用の丑の日の風習

土用の丑の日には、食べ物以外にも風習があります。どんなことが行われてきたのか、見ていきましょう。

土用の丑の日に行われてきた風習
  1. 丑湯に入る
  2. 土用の虫干し

お風呂

丑湯に入る

江戸時代には「う」が付く食べ物を食べるだけでなく、桃の葉など肌にいい薬草を浮かべた「丑湯」に入っていました。こどもの日のしょうぶ湯や冬至のゆず湯からも分かるように、日本には古くから薬湯の文化があります。土用の丑の日にも薬湯に入り、体調を整えようとしていたのです。現代は桃の葉を入手することは難しいため、桃の葉にこだわらず好きな入浴剤を入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。

土用の虫干し

夏の土用は、ちょうど梅雨明けの時期にあたります。梅雨のジメジメとした湿気で大切な衣類や本、調度品などが傷まないよう、土用に虫干しをする風習があります。現在は換気もしやすくなり、防虫剤や乾燥剤などの便利なアイテムもあるため、衣類などを全て干さなくても問題はありません。しかし整頓の意味も込めて、土用にお手入れをしてみるのもいいですね。

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)
『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)

季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。

監修/和文化研究家  三浦康子先生

監修/和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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