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2023.04.29

「夏至」と「冬至」はいつ?それぞれどんな日?成り立ちや違いを詳しく解説

 

「夏至」と「冬至」は、太陽の動きをもとにした二十四節気の1つ。昔から季節が移り変わる目安として使われており、さまざまな風習や行事食があります。「夏至」と「冬至」について詳しく解説します。

「夏至」と「冬至」の成り立ち

夏至」と「冬至」は、古くから人々が季節を知るために役立ててきた二十四節気の1つです。何気なく過ごしている人も多いかもしれませんが、どのように日にちが決められ、どんな特徴があるのか解説します。

昇る太陽

二十四節気の1つ

「夏至」と「冬至」のほか、カレンダーでよく目にする「春分」や「秋分」などは、二十四節気の1つです。古代中国で作られ、季節や天候の指標として使われてきました。

二十四節気は、太陽が年周運動で通る黄道を24等分したものです。毎年同じ時期にやって来ますが、日付は固定されているわけではありません。「夏至」は毎年6月21日ごろ、「冬至」は毎年12月21日ごろに訪れます。

「夏至」は一年で最も昼が長い日

「夏至」は、日本では毎年6月21日もしくは22日に訪れ、一年で最も高く太陽が昇って、昼間の時間が長くなる日です。昼間の時間は場所によって異なりますが、東京よりも北側にある北海道の方が、太陽の昇っている時間が長くなります。地球の最北端にある北極圏では白夜(はくや、びゃくや)となって、24時間太陽が沈みません。

また、夏至を境に昼間の時間が少しずつ短くなっていきます。ただし、夏至の昼間の時間が長いのは北半球のみで、南半球では一年で最も昼間の時間が短い日になります。

「冬至」は一年で最も昼が短い日

「冬至」は日本では毎年12月21日もしくは22日に訪れ、北半球では一年で最も昼間の時間が短い日です。北極圏では極夜(きょくや)となって、太陽が24時間昇りません。逆に、南半球では最も昼が長い日になります。

「太陽が生まれ変わる日」とも考えられており、中国や日本では陰が極まって陽に転ずる日「一陽来復(いちようらいふく)」とも呼ばれています。

「夏至」と「冬至」を比較

なぜ季節によって昼間の長さが異なるのでしょうか?「夏至」と「冬至」における太陽の動きと日照時間を比較してみましょう。

波打ち際に描かれた「SOLSTICE」の文字

それぞれの太陽の動き

季節ごとに昼間の長さが違うのは、地球の自転軸が太陽に対して約23.4度傾いていること、太陽の動きが変わることに関係しています。

「夏至」の太陽は、最も北寄りの東から昇り、南中高度が最も高い場所を通って、最も北寄りの西に沈んでいきます。南中高度とは、太陽が真南に来て、最も高く昇ったときの地平線との角度のことです。太陽の通り道が一年で最も長いため、昼間の時間も長くなります。

一方で「冬至」の太陽は、一年で最も南寄りの東から昇り、南中高度が最も低い場所を通って、最も南寄りの西に沈んでいきます。そのため太陽の通り道は一年で最も短く、夜が長くなります。

日照時間は逆転現象が起こることも

太陽の昇っている時間が長いからといって、日照時間も長くなるわけではありません

例えば、東京の「夏至」の太陽が出ている時間は、14時間35分程度です。しかし日照時間は例年5時間前後で、昼間の時間に対して3分の1程度しかありません。なぜ日照時間が少ないのでしょうか?東京を含めた本州では「夏至」の時期が梅雨の時期と重なっているからです。天気が悪いことに加え、雲で太陽が隠れてしまうため、日照時間はあまり長くありません。

また、東京の「冬至」の太陽が出ている時間は、9時間45分程度です。太平洋側の日照時間は5~6時間程度で、昼間の半分以上が太陽で照らされています。一方、日本海側での日照時間はわずか2時間ほどです。「冬至」の時期は冬型の気圧配置になるため、太平洋側は晴れ間が多く、日本海側は雲に覆われて天気が崩れやすい傾向にあるためです。

食べ物や風習の違いは?

「夏至」や「冬至」には、地域によって縁起が良いとされる食べ物や風習があります。古くから行われてきた風習を、普段の生活にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

柚子湯に入るカピバラ

「夏至」のお祭りや各地の風習

「夏至」の時期に世界各地でお祭りが開催されています。日本では、三重県二見浦の「夏至祭」が有名です。夫婦岩の間から昇る朝日を拝み、禊(みそぎ)を行うお祭りで、2つの岩間から美しい太陽が昇る景色は圧巻。天気がよければ富士山の背から登る朝日が見られるそうです。

また「夏至」から11日目の「半夏生(はんげしょう)」までが田植えの目安とされていたため、農作業にまつわる行事食が各地にみられます。関東では小麦餅、関西ではタコ半夏生餅、愛知の一部では無花果を田楽味噌で食べる、福井では焼きサバを食べるなどです。

「冬至」の食べ物や現在も残る風習

「冬至」は、一年で最も太陽の出ている時間が短いため、陰が極まり陽に転じる日とされ、厄除けや運気上昇に関する行事が行われてきました。江戸時代から続く「ゆず湯」もその1つです。

食べ物では「運」に通じるよう「ん」の付くものが縁起が良いとされ、「冬至の七草」と呼ばれる食材も、すべて「ん」が付いています。

・なんきん(かぼちゃ)
・れんこん
・にんじん
・ぎんなん
・きんかん
・かんてん
・うんどん(うどん)

「冬至の七草」は「ん」が2つ付いていることから、運気が2倍になるといわれ、かぼちゃを食べる風習は江戸時代から続いています。本来、かぼちゃは夏野菜ですが、長期保存ができるため、冬に栄養をとるための暮らしの知恵でもあったのです。

また「冬至粥」は、邪気払いができるという赤色の小豆を入れた小豆粥で、かぼちゃを入れる地域もあります。

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)
『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)

季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。

和文化研究家  三浦康子さん

監修/和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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