お中元を贈る適切な時期
「お中元」は日頃お世話になっている人や、会いたくてもなかなか会えない人などに、気持ちを伝えるための贈り物です。そのためには、適切な時期に贈ることも大切なポイントです。
地域によって異なる
お中元は7月中旬に贈ることが一般的ですが、地域によって以下のような違いがあります。地域に合わせて、適切な時期に贈りましょう。
・北海道:7月中旬~8月15日
・東北・関東:7月初旬~7月15日
・北陸:7月初旬~7月15日(一部地域では7月15日~8月15日)
・東海・関西・四国:7月中旬~8月15日
・九州:8月1日~8月15日
・沖縄:旧暦のお盆(旧暦7月15日まで)
同じ地域でも時期が異なる場合があるので、確認しておきましょう。たとえば、北陸の都市部は関東と同じ7月初旬~7月15日ですが、都市部以外の地域では7月15日~8月15日に贈るところがあります。また、旧暦のお盆はその年によって異なるので、毎年確認しないといけません。2023年は8月30日が旧暦7月15日にあたります。
時期を過ぎたらどうする?
お中元を贈る予定だったのに、忙しくてすっかり忘れてしまっていた…。そんなときにはどうすればよいのでしょうか。時期が過ぎてしまっても、工夫をすれば贈り物を渡すことができます。お中元を贈るのが遅れてしまったときの対処方法について見ていきましょう。
表書きを変える
お中元を贈ろうと思っていたのに、うっかりタイミングを逃してしまったという経験はありませんか?贈る時期が遅れてしまったときは、お中元ではなく「暑中見舞い」や「残暑見舞い」と表書きを変えれば、お渡しすることができます。
暑中見舞いとして贈る場合
お中元を7月15日までに贈る地域なのに間に合わないときは、「立秋の前日まで」は「暑中見舞い」として贈りましょう。2023年の立秋は8月8日なので、8月7日までとなります。立秋はその年によって日にちがずれることがあるので、その年のカレンダーをチェックして確認してください。
参考:令和 5年(2023) 暦要項 二十四節気および雑節 – 国立天文台暦計算室
残暑見舞いとして贈る場合
贈り物が立秋以降に届く場合は、「残暑見舞い」として贈りましょう。残暑見舞いは、処暑(毎年8月23日頃)までを目安に、遅くとも8月いっぱいには贈るようにするとよいでしょう。お中元の時期を逃さないためには、6月下旬ごろから準備を始め、配達日を指定するのがおすすめです。
喪中のときはどうする?
お中元はお祝いではなく、日頃の感謝を伝えるものなので、喪中であっても贈ることができます。とはいえ、贈り方には注意が必要です。喪中のときのお中元の贈り方を紹介します。
忌中明けを待ってから贈る
お中元は喪中でも贈ることはできますが、忌中に贈ることは避けましょう。一般的に、故人の命日から「四十九日」の間を「忌中」といいます。忌中は、遺族が喪に服し忌に慎んでいる期間のことです。忌明けを待って、落ち着いてから受け取れるように手配した方がよいでしょう。贈る側が喪中の場合も、相手に気を遣わせないように忌明け以降に贈ります。
掛け紙の選び方に注意する
お中元やお歳暮は、紅白の水引と熨斗が付いた掛け紙を使うのが一般的ですが、喪中の場合は「白い無地の掛け紙」を使用するとよいでしょう。紅白の水引や熨斗は慶事の際に使うものなので、控えたほうがよいからです。心配な場合は、品物を購入するお店で喪中の相手に贈りたい旨を伝えると、適切な対応をしてもらえるでしょう。また、あいさつ状を添えるとより丁寧です。とはいえ故人のことに触れると、かえって悲しい気持ちにさせてしまう場合があります。日頃の感謝の気持ちを述べたり、家族の体調を気遣ったりするなど、心情に配慮しながら簡潔に記しましょう。
故人宛には贈らない
家としてのお付き合いがあり、いつも宛名に記している方がお亡くなりになった場合、宛名を変えるのを忘れずに。うっかり故人宛に贈ると失礼になるばかりか、悲しい思いをしているご家族に、余計につらい思いをさせてしまいます。品物も、華々しいものにならないよう注意して選んでください。
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監修/和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。
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