旅館の浴衣の帯はウエスト高めに巻き、着崩れ防止の工夫で上品かつ可愛い浴衣姿が長持ちします。
Summary
- 旅館や温泉で浴衣姿が崩れにくくなる着付けポイントを紹介。
- 文庫結びやリボン返し、カルタ結びなど、人気の帯結びを手順付きで解説。
- 体型や浴衣・帯の色に合わせた“自分に似合う帯結び”の選び方アドバイスも充実。
Contents
夏のお出かけや旅先で、浴衣をかわいく着こなしたい! でも「帯の結び方がわからない…」と悩む人も多いはず。この記事では、不器用な人でも簡単にできて素敵に見える帯結びを、シーン別・帯の種類別にわかりやすく解説します。今年の夏は、自分で帯結びにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
旅館や温泉で差がつく! 浴衣帯のかわいい結び方
旅館や温泉で浴衣を着ることは非日常感があり、気分が上がる方もきっと多いですよね。しかし、いざ着てみると、衿元が開いてきてだらしなく見えてしまったり、帯が落ちてきてしまって困った経験もあるのではないでしょうか? いくつかのポイントを押さえておくことで、きちんと感もありつつかわいらしい着姿になれますよ。早速、見ていきましょう。
「浴衣っぽさ」が出すぎない、上品かわいい帯のアレンジ
旅館で用意されている浴衣は、普段花火大会などで浴衣を着ているときに使っている腰紐や伊達締めが用意されていないこともしばしば。半幅帯よりも細めの旅館帯1本で浴衣を着ることも多いため、着崩れやすいこともあるでしょう。
綺麗に着るポイントとしては、ウエストよりもやや高い位置で帯を巻くことで胸元や衿元がはだけるのをカバーできます。また、浴衣を着る際に衿あわせをやや深めにすることで、品のある着姿になります。

旅館帯

喉のくぼみで衿合わせをするのがポイント
館内移動でも崩れにくい! 機能性と見た目を両立するコツ
旅館の中では、階段の昇降や浴場までの移動など、身体を動かす機会が多くなります。着崩れが心配な場合は、腰紐を持参し、腰紐を結んでから帯を巻くと綺麗な着姿をキープしやすいでしょう。
また、帯のリボン部分が下がってきてしまう方は、リボンと体の間にガーゼハンカチを挟むことで、ハンカチが土台代わりになってリボンが下がってくるのを防ぐことができますよ。
このようなポイントを意識して着付けをすることで、移動のたびに手直しする手間が減るはずです。安心して旅館でくつろいでくださいね。

簡単なのにかわいい! 初心者向けリボン結びアレンジ集
初心者でもできる結び方を探している方へ。浴衣に使われる半幅帯の特徴とかわいい帯結びを3種類紹介します。
半幅帯ってどんな帯?
浴衣に合わせる帯で定番なのが、「半幅帯(はんはばおび)」です。半幅帯とは、フォーマルシーンで着物を着る際に用いられる袋帯や名古屋帯の約半分の幅に仕立てられた帯です。長さは一般的に3.6m〜4mほど。表と裏の生地の色柄が異なるリバーシブルタイプを選ぶと、アレンジ次第でカラフルな帯結びが楽しめますよ。素材は、ポリエステルや正絹(絹100%)、麻などがあります。
花火大会や夏祭り、友達や家族とのショッピングなどのカジュアルシーンで活躍します。

左から素材:ポリエステル、麻、正絹(絹100%)
基本の「文庫結び」はかわいさの王道
自分で帯を結んでみたいと思ったときに、まずマスターしたいのが基本の「文庫結び」。比較的シンプルな工程で、可愛らしいリボン型に結べるので初心者にもおすすめです。
1. 帯を半分に折って、右手で帯の端を持つ。大体腕の長さ60cmくらい
2. 1で持った押さえた部分を肩にかけて、帯を体の後ろに回す
3. 胴に2周巻いていく
4. 右脇から帯を斜めに折り返す
5. 肩にかけていた帯を降ろし、斜めに折った帯の内側に通して結ぶ。両方の帯を引いて締める
6. 上にある帯を肩に預けておく
7. 下の帯の根本を開く。帯のいちばん端っこを持ち、肩幅に合わせたら、その幅のままくるくると内側に折りたたんでいく
8. 真ん中から二つに折る。この時帯の根っこからしっかりと折る。左右のバランスを整えたら、リボンを下から支えて持ち、肩に預けていた帯を下に下ろす
9. リボンの真ん中部分に下から上に向かって巻いていく
10. もう一巻きする。残った帯を帯と前板の間に入れていく
11. 前板を押さえながら、右回りに帯を回して背中にリボンがきたら完成
話題の「リボン返し」で後ろ姿も華やかに
定番の文庫結びを少しアレンジしたのが、「リボン返し」です。リボンの結び目部分に2枚重なるようにして垂れた姿が可愛らしく、文庫結びよりこなれた印象に。さっそくやり方を見ていきましょう。
1. 帯の片側を半分に折って右肩にかける。手の先がお尻の下あたりにくるように調整する
2. 体の真ん中で帯をおさえながら帯を2周する
3. 右脇から帯を斜めに折る
4. 肩にかけていた帯を下ろす。肩にかけていた方の帯を、斜めに折った帯の内側に通してひと結びする
5. 下に出ている帯で輪を作って、リボン結びをする(リボンは肩幅の長さになるように)
6. 帯の先を2枚合わせて持つ。結び目の下から上に通し、結び目に被せる
7. たらした2枚の帯の長さを大体均等にする、リボンの羽を整える
8. 前板を押さえながら、リボンを時計回りに回して背中に持っていくと完成
「カルタ結び」で短時間でもキレイに決まる
「カルタ結び」は、舞台を見にいく時や乗り物に乗る時など、椅子の背もたれに寄りかかりたい時におすすめの結び方です。座った際にリボンが潰れる心配をしなくていいので、覚えておくと便利ですよ。
1.帯を体の後ろから巻き、左側の帯を床から30cmくらいの長さに垂らす。(この時、折った部分が三角になるように折る)
2. そのまま右手に預けていた帯を体に2周巻く
3. 下に垂らした帯を帯の上から通し、下に引き抜く
4. 帯の根本からしっかり折り返して肩幅より内側に入るサイズで折りたたんでいく
5. 下の帯を帯と前板の間に再び巻き込んでいく
6. リボンの真ん中を持ちながら、帯を時計回りに回すと完成
兵児帯でふんわり感アップ! 可愛い帯結びスタイル
兵児帯とは、帯芯が入っていない、一枚の布のような柔らかい帯のことです。元々は、男性や子供の普段着に占める帯でしたが、現在では女性の浴衣やカジュアルな着物にも用いられています。主な素材は綿やポリエステルで、絞り染めされたものも多く見られます。半幅帯では出せないふんわりした帯結びに仕上がりますよ。
ふんわり感が魅力「リボン結び」の作り方
それでは、へこ帯の基本的な結び方の「リボン結び」を紹介します。
1. 帯を幅半分に折る。そして長さも半分に織る。右手に持っているたれ先は、外側が内側より3cmほど短くなるようにする
2. 帯を体の後ろから前に持ってきて、左右が同じ長さになるようにする。この際、帯の折山が下になるようにする(ひらひらと開いている方が上になります)
3. 帯のたれの上に、帯の輪っかになっている方をのせて交差させる
4. そして、帯の輪の方を下から引き抜く。引き抜いたらぎゅっと結ぶ
5. 引き抜いて、上に来た方の帯の輪っかの根本を左右にしっかりと開く
6. 輪を広げて、真ん中を左手で持ってまとめていく
7. 下に垂れている帯を2本まとめて上へと持ち上げる
8. 帯の結び目の後ろに上から通し、下へと引っ張って締める
9. リボンができたら形を整えて、時計回りに帯を回したら完成