体型や浴衣・帯の色、小物使いに注目し、自分らしい帯結びを選びましょう。
兵児帯が垂れて崩れないポイント
兵児帯は、初心者でも結びやすい反面、時間が経つとリボンが垂れてきて、伊達締めや前板が見えてしまうことも…。崩れないポイントとしては、帯結びの段階で高い位置で結ぶこと、リボンの結び目の下にガーゼハンカチやハンドタオルなどを土台として入れておくことで帯が安定しますよ。
また、胴回りに帯を巻き付ける際に、くしゃくしゃとしたシワを伸ばして幅広めに巻いていくこともポイント。帯の上下を帯板に挟むようにして巻いていくと、動いても帯幅が縮まらず、伊達締めが見えてしまうということを防ぐことができますよ。
自分に似合う帯の結び方を見つける3つの視点
どの結び方が一番かわいく見えるかは人それぞれ。体型や帯の素材に合わせて、似合う帯結びを選ぶポイントを見ていきましょう。
低身長でも映える帯結びのバランスとは?
身長が低い方は、帯を締める位置やリボンの羽根の配置によって、全体のプロポーションが変わることがあります。帯の位置をウエストよりやや高めに設定することで、足元までの縦のラインが強調されやすくなり、よりスタイルがよく見えますよ。
また、羽根の大きさを左右で揃えるだけでなく、やや上向きに角度を調整すると、視線が自然と上方に引き寄せられる傾向があります。縦にラインの入った柄を選んだり、髪型もダウンヘアより高い位置でお団子ヘアにするなどすると、よりすっきりとした印象になります。
浴衣と帯の色合わせで印象をコントロール
似合う帯を見つけるには、色味の印象(寒色系か暖色系か)や浴衣の色味とのコントラストにも着目してみましょう。浴衣に柄が多い場合は、無地に近い帯を選ぶと全身で見た時の調和が取りやすくなります。反対に、柄が控えめな浴衣には、淡い色の帯よりも濃い色の帯、もしくは柄がはっきり入った帯を合わせることで、帯が主役として目立ちやすくなりますよ。
「かわいい」の中に大人っぽさを出す工夫とは
今まで着ていた浴衣と雰囲気を変えて、大人っぽく仕上げたい場合は帯の種類を変えてみるのもおすすめ。例えば、正絹(シルク100%)の博多献上帯は、伝統的な柄で上品な印象になります。紺地の絞り染めや型染めの浴衣に白い帯を合わせると、日本らしい古典的なコーディネートになりますね。
また、帯締めや帯留を使うことで着物風に着ることもできます。ガラスでできた帯留を選ぶとより涼しげな印象に。水風船やかき氷など夏らしいモチーフを選ぶことで、友人との会話のタネにもなりそうです。

コーディネートのワンポイント!帯留

帯締めと帯留をつけると着物風に

最後に
- 帯の種類やシーンに合わせて、結び方のバリエーションが楽しめます。
- 温泉や旅館の浴衣の着崩れを防ぐには高い位置で帯を締め、ハンカチなどで土台を作ると効果的。
- 帯の色合わせや帯留など小物使いで、さらに自分らしい浴衣スタイルが楽しめます。
かわいく浴衣を着こなすためには、帯の結び方を工夫するだけで印象が大きく変わります。場所やシーン、体型に合わせた結び方を知っておけば、より自分らしいコーディネートを楽しめますね。まずは帯結びや着付けのポイントなどを試して、心地よく着られる方法を見つけてみてはいかがでしょうか?
TOP・アイキャッチ・文中画像/鈴木菜々絵(京都メディアライン)

監修
きものトータルクリニック吉本
吉本は、創業80余年の歴史を持つ、京都発祥の染み抜き・お直し専門店です。京都・日本橋・南青山・金沢・高松・鹿児島に店舗を構えています。着物をはじめ、高級衣類や鞄などのクリーニング・染み抜きや修復を行なっております。他店で難しいと言われた品も、最高峰の修復技術でお直しします。 →HPはこちら
執筆/鈴木菜々絵(京都メディアライン)