【目次】
「現実なのか撮影なのか、わからなくなる瞬間がありました」(竹内)
「いつものおじさんだ!って、セットの中で暮らしている感覚でしたね」(河合)
─────ドラマ『龍が如く』では、幼なじみでありながら、微妙な距離感を保つ一馬(竹内)と由美(河合)。この、たとえようのないふたりの関係が、ドラマにいっそう深みをもたらしています。
竹内さん(以下敬称略):小さいときから2005年まで、一馬のことをいちばん見てくれているのが、由美。それを一馬本人もわかっていて、近くにいてほしい存在なのに、大人になるほど素直にそれを認められない。これは、家族としての愛情なのか、恋愛感情なのか、それともその間にある名前のない感情なのか…。
河合さん(以下敬称略):一馬のことを慕う私たち幼なじみたちは、一馬の「ヤクザになりたい」「龍になりたい」、そして「強くなりたい」という思いに引っ張られて、運命が動いていきます。一馬によって、自分たちだけでは見ることができなかった世界に引き寄せられていく、という感じです。
写真をもっと見る▲舞台は新宿・歌舞伎町をモチーフにした架空の歓楽街・神室町。1995年と2005年の2つの時間軸が交錯しながら物語が展開する。1995年、幼くして親を失い、児童養護施設「ひまわり」で暮らす桐生一馬(竹内涼真)、錦山彰(賀来賢人)、澤村由美(河合優実)、錦山ミホ(中山ひなの)は、規律に縛られた暮らしから新しい世界へ飛び出そうと、あることをきっかけに、神室町の裏社会に踏み込んでしまう。一方、2005年では、由美の姉アイコが犯したある過ちにより、東城会と近江連合は一触即発の状態にある。10年の間にすっかり友情関係が壊れてしまった桐生たちは新たな運命の渦に巻き込まれていく。
─────そのほか、「このドラマでしか見ることができない」ことを挙げると…?
河合:なんといっても、舞台となる神室町のオープンセットです。1995年、2005年それぞれのモチーフとなった歌舞伎町を再現し、エキストラさんだけでも総勢何百人といて。
竹内:それが、とんでもなくリアルでした。だから、現実の出来事なのか撮影中なのかわからなくなる瞬間がよくあって。
河合:そうでしたね。セットの神室町で過ごしている設定の人たちはたぶん100人ぐらいいて、何日も続けて撮影していると、何度も顔を合わせる方もいるんです。あ、いつも自転車に乗ってるおじさんだ、みたいな。ほんとうに街で暮らしている感覚になりました。
それをまとめる、演出部のスタッフさんのエネルギーも大きく、画面の隅々まで細かく演出していて素晴らしかったですね。
竹内:あんなに隅々までリアルさにこだわった撮影は、初めてでした。そうした演出は、僕らの視界に入っていなくても雰囲気として肌で感じ、演技に影響を与えるもの。神室町でのリアルな日常を演じるのに、すごく助けられました。
それもこれも、武正晴監督の細部まで演出するという方針が貫かれているからで。僕たち役者に指示をするときも、とにかく細かいし、監督自身が自分で動いて全部やって見せてくれるんです。
河合:自分の足で動いて見せるパワフルさがありました。
竹内:でしょう。だから僕らも気を抜けないんです。
写真をもっと見る▲かつての新宿・歌舞伎町をモチーフにした、架空の歓楽街・神室町。細部までリアルな再現性は、セットとは思えない!
「自分が男性だったら、ヤクザの役ができたのにな」(河合)
「家族の愛の物語…そう、壮大なラブストーリーなんです」(竹内)
──ヤクザもの、格闘ものというと、男性向けと思われがちですが、Oggi読者に向けての見どことを教えてください。
河合:自分が絶対に身を置くことがない世界に対する憧れは、誰にでもありますよね。そんな非現実の世界をのぞく楽しさは、絶対に味わえると思います。その上で、見進めていくほど、人物それぞれの心に入り込んでいく。『龍が如く』というタイトルから想像ができない広がりがあるし、ゲームとはまた違う醍醐味があると思います。
竹内:そうそう、僕も見どころは「人間ドラマ」だと思ってます。さらに言えば、家族の愛の物語…そう、壮大なラブストーリーなんです。幼少期のつらい経験を背負った子供たちが、ものすごいエネルギーでそこから脱したいと願いながら過ごす。だけど、環境を変えたとしても、いつまでたっても満たされない部分はあって、親から愛情を注がれなかったこととか、もっと強くなりたい思いとか、何か足りないピースを探し続けるんです。
足りないものが相手にあれば、無意識に求め合い、惹かれあってしまうのも、また人間。足りないピースを、1995年から2005年にかけてずっと探しているのが、一馬や由美、そして錦山にミホ。そして神室町という場所なんです。
河合:だから、近くにいるのに切なくて。なんだか遠くて。
竹内:ずーっと切なくて、ずっと探して。愛情を求めるパワーだけは強くて、家族になりたいけどなれなくて、距離感がつかめそうでつかめない。この切なくもどかしい感じ、見る人の国も性別も関係ない気がします。
河合:それから…俳優としての感想を言わせてもらえば、自分が男性だったらヤクザの役ができたのにって、少し悔しく思ったりして。
竹内:そのときは、アクション教えるよ。
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Amazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』
原作:セガ『龍が如く』シリーズ
監督:武正晴、滝本憲吾
配信日:2024年10月25日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信
全6話(10月25日、11月1日に各3話ずつ配信)
※作品の視聴には会員登録が必要です。(Amazon プライムについて詳しくは amazon.co.jp/prime へ)。
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Profile
竹内涼真(たけうち・りょうま)
1993年4月26日生まれ、東京都出身。代表作にNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』『過保護のカホコ』『陸王』『六本木クラス』『君と世界が終わる日に』シリーズ、『ブラックペアン』シリーズなどがある。
河合優実(かわい・ゆうみ)
2000年12月19日生まれ、東京都出身。2024年のドラマ『不適切にもほどがある!』で主人公の娘・小川純子役で大ブレイク。映画『あんのこと』『ルックバック』『ナミビアの砂漠』『八犬伝』など出演作の公開が続く。
撮影/中田陽子 スタイリスト/徳永貴士(SOT/竹内さん分)、スタイリスト/Shohei Kashima(W/河合さん分) ヘアメイク/佐藤友勝(竹内さん分)上川タカエ(mod’s hair/河合さん分) 構成/南 ゆかり
◾️竹内涼真さん衣装ジャケット¥451,000・ニット(参考商品)・パンツ¥154,000・靴¥165,000(フェラガモ・ジャパン<Ferragamo>) 問い合わせ先:フェラガモ・ジャパン0120-202-170
◾️河合優実さん衣装プルオーバー ¥132,000・スカート¥132,000(sacai) 問い合わせ先:Sacai.jp