Summary
- トートバッグを洗う前には、素材の見極めとタグ表示の確認が重要。
- 洗濯機を使う場合は、ネットと脱水の工夫で型崩れを防ぎます。
- キャンバス・帆布・ナイロンは素材別に適した洗い方が必要です。
Contents
「トートバッグを洗いたいけれど、失敗したらどうしよう…」と悩んでいませんか? この記事では、洗濯機を使ってよいかの判断基準から、黄ばみや黒ずみを落とす工夫、そして素材に合った洗い方までを自宅でできる簡単なケア方法まで創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。忙しい日々でも簡単に取り入れられる、自宅ケアのヒントが満載です。
トートバッグを洗いたい人が知っておくべき基本と注意点
まずは、洗濯前のチェックポイントやよくある落とし穴を具体的に紹介していきましょう。

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洗える素材と洗えない素材の見分け方
トートバッグには綿、キャンバス、ナイロンなど多様な素材があります。綿やキャンバスは比較的洗いやすいですが、革素材や芯地の硬いタイプは水に弱く、変形の原因になることがあります。
また、表面だけで判断せず、裏地や持ち手部分の素材にも注意が必要です。裏地に厚紙や金属板が使われている場合、水を吸って変形しやすくなることがあるため、洗濯には向いていません。バッグ全体の作りを観察し、無理なく洗える構造かを冷静に見極めることが肝要です。
洗う前に確認したい「タグ表示」と色落ちのチェック
洗濯表示タグは、家庭でのケア方法を見極める重要な手掛かりです。「手洗い可」や「洗濯機不可」などの記号は、洗う・洗わないの判断基準になります。また、色落ちの有無は目立たない部分に水をつけて白い布で押さえ、色がにじむかどうかで確認できます。
とくに濃色や柄もののバッグは、想定外の色移りで衣類を汚すリスクもあります。洗濯前にこうしたチェックをしておくことで、後悔するような失敗を避けやすくなりますよ。
トートバッグが縮んだり型崩れする理由
バッグが縮んだり型崩れする主な原因は、水分と摩擦、そして乾燥方法にあります。綿素材は水を含むと膨張し、乾く過程で繊維が収縮するため、サイズが変わったように感じることがあるでしょう。
また、洗濯機で強く回転させると、バッグの形が崩れやすくなります。乾燥時に吊り下げると、重みでバッグが伸びたり、持ち手が変形するケースもあります。縮みや型崩れを防ぐには、洗い方だけでなく、乾かし方にも意識を向けることが大切です。
トートバッグの黄ばみ・黒ずみを落とす方法
見た目を損ねる黄ばみや黒ずみは、使用頻度の高いトートバッグにありがちな悩みです。原因別の落とし方と、家庭で使える洗剤やグッズを使った効果的なケア方法を紹介します。
オキシクリーン・重曹・ウタマロを使うときのコツ
バッグに黄ばみや黒ずみが出る原因は、汗や皮脂、手垢などの蓄積によるものが多いです。これらは時間とともに酸化し、生地に定着し、黄ばんできます。オキシクリーンは活性酸素の泡で汚れを浮かせる働きがあり、40℃前後のお湯で溶かすと反応が高まりやすくなりますよ。
重曹はアルカリ性で、酸化した皮脂や汗の分解を助けます。少量の水でペースト状にして、黄ばみに塗ってからやさしく叩くように拭き取ると効果的です。
ウタマロ石けんは中性に近い性質を持ち、色柄物にも使いやすいのが特長です。ブラシは使わず、スポンジか柔らかい布を使い、表面をなでるように汚れを取り除きます。力を入れすぎると繊維を傷めるおそれがあるため、扱いは慎重にしましょう。
黄ばみ・黒ずみが取れないときの応急処置
洗剤や漂白剤を使っても汚れが落ちないときは、すぐにあきらめず、いくつかの方法を試す価値があります。部分的な黄ばみであれば、白い布に洗剤液を含ませ、汚れの表面に軽く押し当てて数分置いてから拭き取る方法が有効です。
それでも改善が見られない場合は、一時的な応急処置として、トートバッグの汚れ部分に布バッジやワッペンを縫い付けたり、アクセントで隠す工夫も考えられます。目立たない場所の汚れであれば、使う場面を選ぶことで、バッグ自体を長く活用する道も残されます。状態に応じて、見せ方や用途を変える視点も有効です。
クリーニングとの違いと自宅ケアの限界
自宅でのケアは、身近な道具で手軽に行える利点がありますが、トートバッグの素材や汚れの状態によっては対応しきれない場合もあります。プロのクリーニングでは、生地の特性を見極めたうえで、専用の洗浄剤や機器を使用して丁寧に処理されます。
とくに合成皮革や刺繍入り、芯材が入っているような複雑なつくりのバッグでは、自宅での洗浄はトラブルにつながる恐れも。自分で対処できる範囲と、専門家に任せるべきラインを知っておくことが、バッグを長く大切に使ううえで大切です。

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洗濯機で洗える? トートバッグの洗い方と注意点
「洗濯機で洗っても大丈夫?」という疑問は、多くの人が感じるポイントです。ここでは、洗濯機を使うときの判断基準と、型崩れやシワを防ぐための実践的な対処法を紹介します。
洗濯機OKなトートバッグの条件とは?
家庭用の洗濯機で洗えるトートバッグは、厚手の綿やキャンバスなど、比較的繊維が丈夫な素材が基本です。ただし、それだけでは安心できません。芯材がしっかり入っているタイプや、装飾が多いもの、持ち手にレザーが使われている場合などは、洗濯機の回転によって破損の恐れがあります。
また、プリント部分が多いバッグは、水圧や摩擦で模様が剥がれることも。購入時の取扱表示やメーカーの公式情報を確認し、使用素材や構造に不安があるものは手洗いを検討する方が安心です。