Summary
- 「30」の洗濯マークは水温30度以下で洗う指示。
- 下線の本数は水流の強さを示し、おしゃれ着洗いが目安。
- 「中性洗剤+洗濯ネット」で縮み・色落ち防止が期待できる。
Contents
衣類に記された「30」の洗濯マークを見て、「どう扱えばいいの?」と迷ったことはありませんか? この数字は水温の目安だけでなく、衣類を長くきれいに保つヒントにもなります。
この記事では、洗濯マーク30の意味と正しい洗い方を、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。忙しい日常でも取り入れやすい視点を紹介します。
洗濯マーク「30」は何を示している?|数字と線から正しく読み取る
「30」と書かれた洗濯マークは、見た目はシンプルでも多くの意味を含んでいます。ここでは、水温の目安だけでなく、線の数や手洗いとの違いなど、見逃しやすいポイントを丁寧に読み解きます。
「30」は水温の上限|やさしく洗うための基準
洗濯マークに記された「30」は、30度以下の水温で洗うことをすすめる表示です。高温で洗うと生地が縮んだり、色が落ちたりするおそれがあるため、低めの温度が適しています。
特にウールやレーヨンなどは熱に弱く、30度前後のぬるま湯が負担をかけにくい温度とされています。夏場は水道水でも30度近くになることがありますが、冬は冷たすぎる場合もあるため、ぬるま湯に調整すると安心です。
見た目のきれいさを保つには、水温のコントロールがひとつのポイントになります。

一本線・二本線の違いとは?|洗濯機の設定にも関係
マークの下にある線の本数には、洗濯の強さに関する意味があります。線が一本なら「弱水流」、二本なら「非常に弱い水流」で洗うことを示しています。
例えば、レースや薄手のブラウスなどは摩擦に弱いため、二本線で表示されることが多く見られます。洗濯機を使うときは、おしゃれ着コースやソフトモードに切り替えることで表示に近い洗い方が可能です。
この線の意味を知っておくと、洗濯コース選びに迷いにくくなります。衣類への負担を抑えるためにも、マークの線に目を向けてみてください。
「30」と書かれた洗濯マークは、水温30度以下指定。下線の本数で水流強さも判断。
「30」表示の衣類をうまく洗うには?|実践的な洗濯方法と工夫
表示どおりに洗っているのにうまくいかない…。そんな経験がある人のために、洗濯機のコースや洗剤の選び方、ちょっとした道具の活用法まで、失敗しにくい洗い方を具体的に提案します。
おしゃれ着洗いやドライコースを活用する理由
「30」と表示された衣類は、繊細な素材や仕上がりが重視されたアイテムが多く見られます。そのため、洗濯機の標準コースでは水流が強すぎて型崩れや擦れが起きやすくなります。
おしゃれ着コースやドライコースは、やさしい水流と緩やかな回転によって衣類をいたわりながら洗う設計です。脱水も弱めに設定されているため、繊維が縮みにくく仕上がりもきれいに整います。
ラベルの表示と洗濯機の機能を照らし合わせて選ぶことで、安心してお手入れができますよ。
中性洗剤と洗濯ネット|やさしく洗うための基本アイテム
中性洗剤は、生地を傷めにくく色落ちも抑えられるため、「30」表示の衣類に適しています。蛍光剤や漂白成分が含まれていないタイプを選ぶと、やわらかな風合いを保ちやすくなります。
あわせて使いたいのが洗濯ネットです。衣類同士の擦れを防ぐほか、装飾やレースが引っかかるのを防ぐ役割もあります。
ボタンやファスナーのある衣類をネットに入れておくだけでも、生地へのダメージはずいぶんと軽減されます。洗濯前のちょっとしたひと手間が、仕上がりに大きく影響します。
避けたい洗い方|ありがちなNGパターン
汚れを落としたい気持ちから、強力な洗剤を使いたくなる場面もありますが、洗浄力が高すぎると色あせや生地の傷みにもつながります。
「念のため」のつもりで長時間つけ置きしてしまうのも、素材を傷める要因になります。衣類表示に合わせたやさしい洗い方を心がけることで、安心して長く着られる状態を保てますよ。

おしゃれ着コースと中性洗剤で衣類をやさしく保護。
素材や季節で変わる洗濯のポイント|失敗しないための見極め
同じマークがついていても、素材や季節によって洗い方は変える必要があります。ここでは、判断に迷いやすい条件ごとの工夫を整理します。
ウールやシルクなどの繊細素材を洗うときの注意点
「この服、30度って書いてあるから洗えるはず…」そう思って洗ったら、縮んでしまった。そんな経験、ありませんか?
ウールやシルクのような天然素材は、とてもデリケートです。水分や摩擦に弱く、洗濯中のちょっとした刺激で型崩れや縮みが起こることもあります。
洗う時間は短めに、おしゃれ着コースなどやさしい設定で回すのがおすすめです。脱水も軽く済ませて、干すときは形を整えてから陰干しにするときれいに仕上がります。
中性洗剤を選ぶ、ネットに入れる、この2つを意識するだけでも違いが出てきますよ。

季節による水温差とその影響|冬と夏で考え方を変える
「洗濯マークは同じなのに、なぜか冬だけ仕上がりがゴワゴワする…」そんなふうに感じたことはありませんか?
冬場の水はとても冷たく、10度を下回ることもあります。この温度では洗剤がうまく溶けず、繊維が固くなってしまうこともあるんです。
反対に夏は水温が自然に30度前後になりやすいため、表示に近い条件で洗えます。だからこそ、冬の洗濯ではぬるま湯を使ってみるのも一つの手です。
洗面器にお湯をはって溶かした洗剤を入れるだけでも、生地へのやさしさはぐっと変わります。季節を意識することで、日々の洗濯がもっと快適になるかもしれませんね。
ウールやシルクは短時間洗い。冬はぬるま湯を活用。
最後に
POINT
- 「30」は水温上限30度以下を意味する。
- 下線1本=弱水流、2本=非常に弱い水流を指定。
- 中性洗剤とネットで型崩れや色落ちを防止できる。
「洗濯マーク30」は、ただの数字ではなく、衣類を大切に扱うためのヒントが詰まっています。表示の意味を正しく読み取り、日々の洗濯にひと工夫を加えることで、服の持ちも印象もぐっとよくなります。無理なくできるところから、見直してみてはいかがでしょうか。
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