「ご連絡いたします」は正しい敬語？ 使い方と文例、言い換えまでを解説

ビジネスメールの中でも、頻繁に使われる「ご連絡いたします」というフレーズ。丁寧に見えるこの表現に対し、「敬語として正しい…？」と不安に感じる人も多いようです。

本記事では、「ご連絡いたします」の成り立ちから言い換え表現、誤用を避けるポイントまで、実践的かつ論理的に解説します。

曖昧だった敬語表現をクリアにしていきましょう。

「ご連絡いたします」は敬語として正しい？

まずは「ご連絡いたします」の敬語としての成り立ちから見ていきましょう。

「ご連絡いたします」は正しい敬語

「ご連絡いたします」という表現は、「連絡」という名詞に丁寧さを加える接頭語「ご」をつけた「ご連絡」と「する」の謙譲語「いたします」で構成された、正しい敬語です。「連絡」という行為をへりくだって伝えることができます。

二重敬語になる？ 「ご連絡させていただきます」との違いとは？

「ご連絡いたします」は、よく「ご連絡させていただきます」と比較されます。結論から言うと、「ご連絡させていただきます」は文法上「二重敬語」とされることもある言葉です。「ご連絡させていただきます」を分解すると、「ご連絡さ」と「ていただく」がともに謙譲語にあたるためです。

さらに、「させていただく」は、「相手の許可を得て、その行為を実行する」という前提があります。「連絡」は、相手の許可をもらっていない場合がほとんどでしょう。そのことを考えると、「ご連絡させていただきます」というフレーズは不自然です。

ただし、「ご連絡させていただきます」は現代のビジネス文書やメールで広く使われているのも事実。過剰な印象を避けるなら、「ご連絡いたします」とシンプルに伝える方が、好印象でしょう。

「ご連絡いたします」は、正しい敬語表現

ビジネスメールで使える！「ご連絡いたします」の具体的な使い方と文例

ここでは、「ご連絡いたします」の具体的な使い方を見ていきましょう。

取引先・上司・同僚… 相手別の例文と使い分け

送る相手別に例文を紹介します。

取引先に対して使う場合

取引先とのやり取りでは、礼儀正しく明瞭な表現が求められます。丁寧な敬語を使い、相手に対する配慮や敬意を示しましょう。

例文：「詳細につきましては、別途ご連絡いたします」
例文：「担当部署より追ってご連絡いたしますので、少々お時間を頂戴できますと幸いです」

上司に対して使う場合

上司への連絡では、敬意と簡潔さの両立が求められます。

例文：「本件につきましては、改めてご連絡いたします」
例文：「必要事項を整理の上、明日ご連絡いたします」

同僚に対して使う場合

社内のちょっとしたやり取りや親しい相手であれば、「（ご）連絡します」でも十分丁寧でしょう。

例文：「確認が取れ次第、ご連絡します」
例文：「参加については、明日中に連絡します」

「ご連絡いたします」の言い換え表現は？

気づいたら「ご連絡いたします」ばかり使っていませんか？ 単調になるのを避けたい人のために、言い換えのパターンを紹介します。相手や場面に合わせて柔軟に選びましょう。

「ご連絡差し上げます」「ご連絡申し上げます」

「差し上げる」は「与える」の謙譲語、「申し上げる」は自分の行為を表す体現の下につけて、その行為の対象である相手を敬います。どちらも相手に対する敬意を表すことができますよ。

例文：「社に戻り次第、ご連絡申し上げます」

「お知らせいたします」

通知をするときに使える謙譲語です。

例文：「会議の日程をお知らせいたします」

ご案内いたします

主にイベントやパーティーなどに招待するときに適した謙譲語です。

例文：「祝賀会のご案内をいたします」

最後に

「ご連絡いたします」は、正しい敬語だということがわかりました。ぜひ、自信を持って使ってください。

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