虚言癖とは「頻繁に嘘をつく」、「普通では考えられないような嘘をついてしまう」などの性質を持った人を指します。
Summary
- 虚言癖とは「たくさん嘘をつく」「普通では考えられないような嘘をつく」性質の人を指す
- 虚言壁の原因は「優越感に浸りたい欲求の強さ」や「劣等感」など、複数の要素が絡み合っているとする説がある
- 虚言壁の人が周囲にいる場合、適切な距離感を保ちながら接する。共同作業するなら重要なことは証拠を残しておくのがマスト
虚言癖とは?
「つい嘘を言ってしまった」ということは、誰にでもあるでしょう。しかし、それが過度になるのは考えもの。あなたの周りに、嘘をついて周りを振り回したり、困らせたりする人がいたら、それは「虚言癖」によるものかもしれません。
虚言癖とは「きょげんへき」と読み、簡単に言えば「すぐ嘘をついてしまう性質」を指します。そもそもは心理学領域の専門用語でしたが、その概念が発達し、一般的に知られるようになったのです。
虚言癖の人は、自分のために嘘をつくことが多いです。妄想と現実の境界があいまいになり、嘘をついている自覚がないケースもあるとされています。つまり虚言癖とは、ただの嘘つきではないということ。「たくさん嘘をつく性質」や「普通では考えられないような嘘をつく性質」を持った人を指すと考えていいでしょう。
現時点では、「虚言癖=病気」いう定義はありません。しかし、中には精神的な影響で生じているケースもあり、「病気ではない」と一概に言い切ることはできないのです。


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虚言癖の原因とは?
虚言癖の原因はさまざまで、複数のことが複雑に絡み合っているとする説もあります。身近に「虚言癖があるかも」と感じる人がいたら、なぜ平気で嘘をつくのか知りたくなりますよね。
ということでここからは、虚言癖の原因について見ていきましょう。一般的に原因かもしれないとされていることを把握すると、何かしらの対処法が見つかるかもしれません。
プライドが高く虚栄心が強い
プライドが高く虚栄心が強いと、自分を大きく見せようと嘘をつくことがあります。「周りにすごい人だと思われたい」「周囲から尊敬されたい」など、優越感に浸りたいという強い欲求が嘘をつかせるのかもしれませんね。嘘をつくと一時的に虚栄心や自尊心が満たされるというのも、影響しているといえそうです。
また、プライドが高い人は馬鹿にされたり、下に見られるのを極端に嫌う傾向があるでしょう。「自分が人より幸せで恵まれている」と他人に思わせたいと望み、悪気なく嘘をついてしまうのです。
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劣等感が強い
劣等感が強いことも、虚言癖の原因のひとつとされます。なぜなら、劣等感が強いと「自分が周囲より劣っていることを悟られたくない」と考えがちなため。自分の弱点や自信のなさをカバーしようと、嘘をついてしまいます。
しかし、そのような嘘はその場しのぎでしかありません。すぐに嘘だと見抜かれてしまい、さらに劣等感を深めてしまうでしょう。信頼を失うことにもなり、人が離れるという悪循環に陥るケースもあります。
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努力ができない
努力ができない人もよく嘘をつくようです。スキルや能力を向上させたい、欲しいものがある場合、自分で手に入れようと努力する人が多いでしょう。しかし努力ができない人は「がんばることなく手に入れたい」と考える傾向があり、手っ取り早く嘘をついて解決しようとするのです。ただ、結局はそれもその場しのぎの嘘に過ぎないため、アラが目立つのでしょう。その後もごまかそうと嘘を重ねることになりがちです。
隠したいことがある
隠したいことがあって嘘をつくというのは、誰もが経験していることかと思います。しかし、一つ嘘をつくと、たくさんの嘘を重ねることになりますよね。話がどんどん複雑になっていき、何が嘘で何が本当かわからなくなるということも。どんな嘘をついたかを覚えておかねばならず、多くの人はその過程で「嘘はよくない」と悟るはず。
しかし、嘘をつき通すことができてしまうと、嘘をつくのが上手くなります。感覚が麻痺するのか、嘘に罪悪感を抱かなくなるということも…。そんな日常を送っていると、嘘をつくのが普通になり、虚言癖につながってしまうというケースもあります。
かまってほしい
虚言癖のある人は、承認欲求が強め。承認欲求とは、「多くの人に認められたい」という強い気持ちを指します。また、人にかまわれたいという気持ちも強い傾向にあり、俗に言う「かまってちゃん」が虚言癖の原因になることも。「嘘をついてでも注目されたい」「嘘をついてでも周りにすごいと言われたい」と望むのは、強い寂しさや孤独の裏返しともいえます。
しかし、このような言動は裏目に出ることがほとんど。話を盛っている・作り話ばかりだと気づかれてしまい、周りから信頼されません。さらに人が離れ、孤独が強まるという悪循環に陥ることが多いでしょう。
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虚言癖の特徴
ここからは、虚言癖の特徴を紹介します。次に挙げる事柄は、一見誰にでもあてはまりそうですが、虚言癖の人はその度合いが通常レベルではないと考えてください。また、紹介する特徴を把握しておくと、相手に虚言癖があるかどうかを判断する基準にもなるはずです。
嘘をついている自覚がない
虚言癖の大きな特徴として挙げられるのが、嘘をついている自覚がない、または自覚が通常よりも薄いという点です。
小さな嘘から大きな嘘まで、ありとあらゆる嘘を平然とつきます。悪気なく嘘をつくことも多いでしょう。それが当たり前になり、嘘と現実の境界があいまいになっているケースもあるようです。
嘘をついて、他人を傷つけることが平気な人もいます。そしてそういった人は、誰かに濡れ衣を着せることにも抵抗を感じません。嘘をつくことに罪悪感がなく、悪いと思っていないのです。周囲が虚言癖のある人だと認識していないと、多くの人に迷惑がかかることもあるでしょう。
八方美人
「嫌われたくない」という意識が強いあまり、周りに話を合わせようと嘘をつき続ける八方美人の側面を持つ…それも虚言癖の特徴です。話を合わせるためには手段を選ばず、どんな嘘でもついてしまいます。
例を挙げると、本当は見ていないテレビを見たと言う、本当は興味のないアーティストのファンクラブに入っていると嘘をつくといったことが当てはまるでしょう。いずれも、その場しのぎの明らかな嘘であるため、貫くことができません。だんだんと話が合わなくなり、周囲にバレてしまうのです。「すぐバレる嘘をなぜつくのか」と、周りを不思議がらせます。






