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2025.08.08

「忌憚なく」の意味や読み方は?ビジネスで使うときの注意点を解説!

ビジネスシーンで耳にする機会のあるフレーズ「忌憚なく」の意味を知っていますか? 今回はこのフレーズの読み方から意味、ビジネスで使える例⽂や言い換え表現もご紹介します。

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Summary

  • 「忌憚なく」(きたん なく)とは、「遠慮のない」「率直な」という意味
  • 「忌憚なく」は敬語表現ではないものの、中立な言葉として社内外問わず使うことができる
  • 目上の方に使う場合は前後の言い回しに注意が必要で、「ご意見を伺いたく存じます」などの表現でも十分

「忌憚なく」の意味や読み⽅とは?

「忌憚」は、常用漢字ではありません。そのことから、文字に馴染みがない方も少なくないかもしれませんね。まずは、読み方や意味から見ていきましょう。

読み⽅と意味

「忌憚なく」は「きたん なく」と読みます。二つの漢字が持つ意味は、以下の通りです。

「忌」:いむ。きらう。さける。
「憚」:はばかる。さしひかえる。おそれる。

辞書には、このように意味が記載されています。

「いみはばかること。きらい嫌がること。遠慮すること」
(小学館『デジタル大辞泉』より引用)

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よって、「忌憚」に打ち消しの助動詞「なく」をつけて否定形になった「忌憚なく」は「遠慮のない」「率直な」という意味になります。

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「忌憚なく」はどんなシーンで使う?

「忌憚なく」は「遠慮なく」「率直に」という意味で、ビジネスシーンでは、会議での本音の意見交換や、企画書・成果物へのフィードバックを求める際に使われます。顧客へのアンケートで正直な感想を募りたいときや、自分が相手に伝えにくい意見を述べるときにも有効です。

この言葉を使うことで、表面的なやり取りではなく、より本質的な議論や改善を促しながら相互理解を深めることができます。ただし目上の方に対して使う際は、失礼にならないよう言い回しに配慮が必要です。

ビジネス等で使う際の注意点

「忌憚なく」をビジネス等の場面で使う際、気をつけたいポイントについても見ていきましょう。

「忌憚」のあとは必ず否定が伴う

「忌憚」は「遠慮」を意味しますが、「遠慮します」の意で「忌憚いたします」といった使い方は現在ではしません。「忌憚」に続く否定語には「忌憚なく」のほかに、「忌憚なき~」「忌憚のない~」などの表現があります。

同音異義語に注意

同じ読み方で「奇譚(きたん)」という言葉があります。「奇譚」は、「珍しい話」「不思議な物語」という意味です。「忌憚」とはまったく違う言葉ですので、変換ミスなどには気をつけましょう。

目上の方に対して使うのは要注意

「遠慮なく意見を聞かせてください」という意味で「忌憚のない意見をお聞かせください」と言うこともあるでしょう。しかしこの表現は、目上の方に対して使うと、おかしな雰囲気になるかもしれません。なぜなら、そもそも目上の方は目下の者に遠慮をする必要はないからです。もし、上司や目上の方に対して率直な意見を聞きたいときは「ご意見を伺いたく存じます」「ご意見いただきますようお願いいたします」という表現で十分です。

使い⽅を例⽂でチェック

「忌憚なく」は、敬語表現ではありません。中立な言葉として、立場が下の者から目上の方まで、社内外問わず使うことができます。しかし、目上の方に使う場合は文章前後の言い回しに注意が必要です。では、どのように使えばいいのか例文でチェックしていきましょう。

会議中の人々のイラスト
(c)AdobeStock

「忌憚なくご意見」「忌憚のないご意見」

ビジネスシーンで、率直な意見を聞きたいときに使う表現がこちら。「遠慮なく、率直な意見を聞かせてください」という意味の言葉として、一般的に顧客に向けてのアンケートや会議での意見交換の場で多く使われます。また、忌憚のない意見を受けての返答には「忌憚~」を使わずに、「率直なご意見ありがとうございます」「貴重なご意見ありがとうございます」などとしたほうが好ましいでしょう。

例文

・今後のチーム運営に関して、何かご提案があれば、忌憚なくご意見をいただければ幸いです。
・忌憚なくご意見をお聞かせください。
・より良いサービス提供のため、皆様には忌憚のないご意見を賜りたく存じます。

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「忌憚なく申し上げます」

こちらは、「恐れ入りますが、今から遠慮なく率直な意見を言わせていただきます」という意味合い。素直な意見を言うときに用いられますが、目上の方に使う際は注意が必要です。その場合は「恐縮ですが」「失礼を承知の上」など、「失礼だとは思いますが」というニュアンスのクッション言葉を入れて、相手への配慮を忘れないようにしましょう。

例文

・大変恐縮ですが、忌憚なく申し上げます。
・本件につきまして忌憚なく申し上げますと、現状の計画では目標達成は困難かと存じます。
・より良い改善のため、忌憚なく申し上げますが、この点については再考の余地があるかと存じます。

「忌憚なくご指摘いただけますと幸いです」

問題点などがあれば「遠慮なく指摘してもらえるとありがたいです」という意味。「ご指摘ください」というと、命令のように受け取られるかもしれません。丁寧に、「~いただけますと幸いです」とするほうが好ましいでしょう。

例文

・問題点がありましたら、忌憚なくご指摘いただけますと幸いです。
・こちらの企画書について、お気づきの点がございましたら、どうぞ忌憚なくご指摘いただけますと幸いです。
・今後の成長のためにも、忌憚なくご指摘いただけますと幸いです。

「忌憚なくお申し付けください」

忌憚なくお申し付けください」は、「遠慮なく何なりとお申しつけください」「気兼ねなくご注文・ご依頼ください」という意味を持つ、非常に丁寧な表現です。相手に、どんなことでも遠慮せずに言ってほしい、依頼してほしいという意思を伝える際に使われます。

例文

・何かご不明な点がございましたら、どうぞ忌憚なくお申し付けください。
・資料の修正や追加のご要望がございましたら、忌憚なくお申し付けください。

⾔い換え表現にはどのようなものがある?

「忌憚なく」の言い換え表現には、次のような言葉が挙げられます。

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