Summary
- 「配慮」は、状況や相手の立場を踏まえて「心を配る」ことを意味。
- 「気遣い」は「心遣い」に加え、「心配・懸念」の意味も含むのが特徴。
- 類語には、「心配り」「心遣い」「気配り」がある。
「配慮」と「気遣い」。どちらも相手を思いやる言葉ですが、実際に使い分けようとすると意外と難しいものですよね。
この記事では、意味の違い、例文と使い方、類語や言い換え表現まで丁寧に見ていきます。
「配慮」と「気遣い」の違いを理解する
意味が近く、日常でも混同されやすい「配慮」と「気遣い」。まずはそれぞれの辞書的な意味を押さえたうえで、違いを整理していきましょう。
「配慮」の意味
「配慮」は、「心遣い」を意味します。特に、物事や相手の状況を踏まえて、深く考えて気を配ることを意味しますよ。
辞書では次のように説明されていますよ。
はい‐りょ【配慮】
[名](スル)心をくばること。心づかい。「―に欠ける処置」「当事者の気持ちを―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「気遣い」の意味
「気遣い」も基本的には「心遣い」を指します。2つ目の意味として、「心配」や「懸念」の意味を持つことが特徴です。
辞書では次のように説明されています。
き‐づかい〔‐づかひ〕【気遣い】
1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお―なく」
2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる―はない」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「配慮」と「気遣い」の違い
「配慮」と「気遣い」はどちらも「心遣い」を表す類語です。その上で違いを挙げるとするなら、次のように整理できます。
●配慮:状況や相手の立場を踏まえて、先回りして気を配るところが特徴。
●気遣い:心配・懸念の意味でも使う点が特徴。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
配慮と気遣いは、どちらも心遣いを表す。気遣いは「心配・懸念」の意味でも使う。
「配慮」を使った例文で使い方を確認
まずは「配慮」から使い方を確認していきましょう。
「相手のスケジュールに配慮して、会議の時間を調整した」
相手の都合を尊重し、負担が少ないよう「先回りして考える」という「配慮」の基本を示す用法です。
「新人が質問しやすいように、周囲も声をかけるなどの配慮を心がけている」
状況を整えるために心を配るケース。職場環境づくりなど「行動としての配慮」が表現されています。
「相手の気持ちに配慮した言葉選びをすることが、円滑なコミュニケーションにつながる」
言葉遣いのように「目に見えない行動」への気配りにも「配慮」は使われます。ビジネスでも非常に汎用的です。

「気遣い」を使った例文で使い方を確認
続いて「気遣い」の使い方を確認していきましょう。
「遠方から来る友人に気遣い、集合時間を少し遅めに設定した」
心配りの気持ちが行動に表れた典型例です。


