Summary
- タメ語とは敬語を使わない対等な言葉づかいのこと。
- 「タメ語でいいよ」と言われたときでも、自分のペースを保ちつつ、丁寧に対応。
- タメ語が苦手な人には配慮ある表現が信頼を生む。
「タメ語って失礼なの?」ふとした瞬間にこうした疑問を持つことはありませんか? 職場やSNS、ママ友との会話など、私たちは日々さまざまな言葉遣いを選びながらやり取りをしています。
この記事では、意味や違いだけでなく、相手との距離感や使う場面まで、大人にこそ知っておきたい「タメ語」のリアルな使い方を解説します。
「タメ語」とは何か? 知っておきたい基本の理解
まずは誤解なく使いこなすための基本を、丁寧に押さえましょう。
「タメ語」とは何か?
「タメ語」とは、敬語のように丁寧な言葉づかいを避け、相手と対等な関係性を前提としたカジュアルな表現の総称です。
友人や同世代との会話では自然と使われる一方で、ビジネスや年齢差のある相手に対しては、意図せず無礼と捉えられる可能性もあります。
「タメ語」の意味は辞書で確認できなかったので、ここでは「タメ口」の意味を紹介しましょう。
ため‐ぐち【ため口】
年下の者が年長者に対等の話し方をすること。ためくち。「―をきく」「―をたたく」→ため
[補説]1960年代に不良少年の隠語として始まり、1980年代には一般に広まったという。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「タメ語」と「敬語」の違いとは?
タメ語と敬語の違いは、相手との関係性や心の距離感にあります。敬語は「敬意」や「配慮」を伝える機能を持ち、「です・ます」といった語尾や尊敬語・謙譲語などを用いて、言葉に丁寧さを加えます。
それに対してタメ語は、丁寧さをあえて省くことで「親し」や「フラットさ」を表現します。例えば「楽しみにしています」が「楽しみにしてるね」に変わることで、ぐっと距離が近づいた印象になるのです。
重要なのは、どちらが正しいかではなく、状況や関係性に合わせて使い分ける視点を持つことです。

タメ語が使われやすい場面と人の心理
タメ語が自然に使われる場面には、心理的な共通点があります。それは、「もっと近づきたい」「壁を取り払いたい」といった、相手との距離を縮めたいという気持ちです。年齢や立場が近い関係では、あえて敬語を外すことで打ち解けやすくなるケースも少なくありません。
一方で、初対面からタメ語で話す人に対して、唐突さや馴れ馴れしさを感じることもあるでしょう。この違和感の背景には、相手の立場や場の空気を読む配慮が不足していることが挙げられます。
親しみやすさと礼儀のバランスを見極める視点が、大人の言葉づかいには求められますよ。
「タメ語」とは、敬語のように丁寧な言葉づかいを避け、相手と対等な関係性を前提としたカジュアルな表現のこと。
タメ語を使う前に考えたいこと
相手との関係性や立場によって、同じ表現でも伝わり方は大きく変わります。信頼関係を大切にする人こそ、タメ語を使う前に一呼吸おいて、場の空気や相手の気持ちに目を向ける視点が求められます。
職場での「タメ語」はアリかナシか?
たとえ関係が良好でも、上司や年上の同僚に対してタメ語を使うと、配慮に欠けると受け止められることがあります。反対に、同僚や後輩との関係でも、ビジネスシーンでは敬語を使うことで信頼感が保たれる場合もあるのです。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるように、職場では「関係性が近いからこそ敬意を払う」という視点が重視されます。柔らかい雰囲気を保ちつつ、相手との信頼関係を損なわない言葉づかいを選ぶことが、円滑なコミュニケーションにつながります。

「タメ語でいいよ」と言われた時の対処法
相手から「タメ語でいいよ」と言われると、安心感を覚える反面、本当に切り替えていいのか戸惑うことってありますよね。そのような場面では、すぐにタメ語に移るのではなく、「ありがとうございます。でも慣れないから敬語が混じってしまうかも」などのやわらかい返しを挟むことで、相手の意向を尊重しながら、自分のペースを保つことができます。
また、タメ語に切り替える際も、すべての語尾を一気に砕けさせる必要はありません。語尾は丁寧に保ちつつ、呼びかけだけをフランクにするなど、段階的な調整も有効です。大切なのは、相手が言った「いいよ」をどう受け取り、どのように関係性を築いていきたいかを自分なりに考えて対応する姿勢です。
「タメ語が苦手」と感じる人への配慮
自分は親しみを込めたつもりでも、相手にとっては距離の詰め方が急に感じられることもあります。言葉の受け取り方には個人差があるからこそ、誰にでも伝わる安心感のある表現を意識することが大人の配慮です。
タメ語を避けたい人の心理
タメ語に抵抗を感じる人の多くは、言葉の使い方に対して丁寧さや秩序を重んじている傾向があります。世代や育ち、職業観によっても価値観は異なり、「礼儀は言葉に表れる」という信念を持っている場合もあるでしょう。
また、言葉づかいが急に崩れることで、相手の態度や距離感までもが変わってしまったように感じる人もいます。フランクさの押しつけが、結果として「雑に扱われた」と受け止められることもあるため、相手の反応をよく観察し、違和感を与えていないか振り返る視点が大切です。

言葉の選び方で印象が変わる
タメ語を使わなくても、距離を縮めることは十分可能です。「〜ですね」「〜でしたか」といった柔らかい言葉遣いや、「どう思います?」など相手の意見を引き出す言い回しは、堅苦しさを和らげながらも丁寧さを保てる表現です。
「親しみ」と「無遠慮」は、紙一重。言葉選びによって、同じ内容でも印象は大きく変わります。会話の中で相手の話し方や表情をよく見て、違和感なく馴染む語調を探ることが、信頼を築くうえで欠かせません。
思いやりは、言葉の選び方にこそ表れるという意識が、齟齬を生じさせない関係を支えてくれます。
最後に
POINT
- タメ語は親しみを表す一方で、関係性によって誤解を招く表現になり得ます。
- 敬語とタメ語は、相手との距離感の示し方が異なります。
- 職場では、関係性や場の雰囲気に応じて慎重な使い分けが必要です。
タメ語は、関係を縮めるきっかけにもなれば、思わぬ誤解を生むこともあります。意味や使い方を正しく理解することで、自分の言葉がどう届くかを意識できるようになります。
大切なのは、表現そのものよりも、相手への敬意と気遣いを持ち続けること。場に応じた使い分けを身につけ、信頼される会話力へとつなげていきたいですね。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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