カジュアルなシーンで使える別の言い回し
親しい間柄なら、堅苦しさよりも「心からのメッセージ」を。
「元気でね!」
シンプルですが、同期などには一番響く言葉かもしれません。

「無理しないでね」
頑張り屋さんの相手には、この一言が何よりの労いになります。
「たまには息抜きもしてね」
これからの忙しさを気遣う、優しいニュアンスが含まれます。
退職時のメッセージを送る際の注意点
よかれと思って言った言葉が、実はマナー違反だった、なんてことは避けたいですよね。最後に、退職メッセージで失敗しないための注意点を確認しておきましょう。
「お体に気を付けて」を使うべきでないケース
相手が現在、体調を崩して退職される場合や、病気療養中である場合には注意が必要です。「お体に気を付けて」が「もっと健康に注意すべきだった」というプレッシャーや皮肉に聞こえてしまう恐れがあるからです。
この場合は、健康への言及は控えめにし、「〇〇さんとご一緒できて光栄でした」「心穏やかな日々を過ごされますようお祈りしております」といった、相手の「今」と「心」に寄り添う言葉を選ぶのが、本当の思いやりです。
退職メッセージで気を付けるべきマナー
退職理由は人それぞれです。寿退社やキャリアアップのようなポジティブな理由もあれば、介護や体調不良などデリケートな理由の場合もあります。
大切なのは、「退職理由に深入りしないこと」、そして「未来へのポジティブな言葉で締めること」です。
ネガティブな話題や過去の失敗談は封印し、「ありがとう」と「これからを応援する気持ち」の2点に絞って伝えるのが、美しい別れのマナーです。
最後に
POINT
- 「お体に気を付けて」は同僚・後輩向きの表現。
- 上司や目上の人には「ご自愛ください」が無難。
- 退職者への挨拶は「感謝+今後を願う言葉」で締めることを推奨。
退職の挨拶で「お体に気を付けて」は、相手を思う気持ちが伝わる、やさしい言葉です。ただし、目上の方や改まった場面では「ご自愛ください」「ご健勝をお祈り申し上げます」など、敬意がより明確な表現に置き換えると安心です。
大切なのは、きれいな言い回しよりも、これまでお世話になった事実への感謝と、これからを願う誠実さ。あなたの言葉で丁寧に締めくくれば、そのひと言が、次のご縁にもつながっていくでしょう。
TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

執筆
武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
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