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2018.12.05

嫉妬、猜疑心、不義の愛…。林真理子さんが解釈する不朽の名作”源氏物語”とは?

今回、待望の文庫化される『小説源氏物語 STORY OF UJI』は、2013年4月号から2014年8・9月号までの間、雑誌『和樂』で連載されていた林真理子さんの連載小説。前作『六条御息所 源氏がたり上・下』に続く、完結編です。

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林真理子さんが新解釈&再構築した『小説源氏物語 STORY OF UJI』の魅力

日本文学史上最高傑作と称賛される紫式部の『源氏物語』を、日本を代表する作家・林真理子さんが新解釈&再構築した『小説源氏物語 STORY OF UJI』。源氏物語の後半部分にあたる、光源氏没後の子孫たちを主役にした「宇治十帖」を、優雅にそして官能的に小説化した話題作です。

実は古典文学は苦手、学生時代に古典の授業では習ったけどきちんと理解ができてはいなかった…という人も多いのでは?恋愛小説の名手・林真理子さんが21世紀に蘇らせた『小説源氏物語 STORY OF UJI』を読めば「あっ、そういうことだったのか!」「そういう風にも読むことができるのね」と改めて『源氏物語』の奥の深さを感じてしまうかも。今回は、担当編集者に聞いたおすすめポイントとともに『小説源氏物語 STORY OF UJI』の魅力をお伝えします。

■:魅力1
イケメン貴公子たちが水郷の地=宇治で繰り広げる“恋愛ゲーム”に目が離せない!
恋愛小説の神様=林真理子さんだからこそ書ける、現代小説のようなストーリー

「『小説源氏物語 STORY OF UJI』は、平安時代の都のイケメン貴公子二人が繰り広げる、恋愛ドラマです。二人は同年代で、親友。一方で、立場上微妙な関係にもあります。薫は、史上最高のプレイボーイでもあった光源氏の子供もう一人の匂宮(におうのみや)は、光源氏の孫にあたり、将来は帝になる可能性もある(つまり二人は叔父と甥の関係でもある)。地位は匂宮の方が上なのに、世間では光源氏の子供として薫の方がもてはやされる・・・。そこに生まれる妬みや猜疑心・・・。

さらに、この二人の性格が対照的。薫は誠実だけど、趣味は仏教の研究だったりして、女性に対してもどちらかといえば淡泊。一方の匂宮は、手当たり次第、やりたい放題に女性たちと関係を持つような男ながら、女性に対しては優しく情熱的

そんな二人が、都から離れた水郷の地=宇治で繰り広げる“恋愛ゲーム”。二人が狙うのはまずは宇治の地に住む美しく、教養もある二人の姫君(姉妹)。さらには新たに登場するもうひとりの姫君(実はこの姫君、先に登場する二人の姫君の異母妹)をも奪い合うわけですが、主要登場人物としてはこの5人だけで極めてシンプルな構成。この5人のキャラクター付けが明確になされているので、スピード感があってぐいぐいと引き込まれます。さすが、恋愛小説の神様=林真理子さん!

林真理子さんは、この連載を始めるにあたって、『この小説は、別荘地で繰り広げられる、フランスの恋愛小説のようにしたい』という趣旨のことをお話になっていました。確かに、都から半日かけていく宇治の地は、都とは違う空気。しかも宇治川の流れがある風光明媚な地。そこを舞台にしての恋愛ゲームは、なるほど、フランス映画でみた“別荘小説”の空気感があります

登場人物が少なく、ひとりひとりの人物像を、林真理子さんがこってり丹念に書き込んでいらっしゃるので、『源氏物語』という世界的古典名作(一説には世界初の恋愛小説とも言われる)ながら、現代小説を読む感覚で楽しめます」

■ :魅力2
男と女の間にあるどうすることもできない心の揺れ動き、機微がリアルすぎるくらいに描かれている

「あとから登場する姫君=浮舟を巡る、二人の貴公子の駆け引きと、その間で揺れ動き、愛欲におぼれていく浮舟の心情・・・これがこの小説の一番面白いところかもしれません。浮舟は、二人の貴公子両方と関係を持ってしまいますが、そのことを二人には隠し続けています。不義の愛です。

真面目で誠実に女性を扱う薫よりも、不誠実だとわかっていながらも情熱的な匂宮にひかれていく浮舟。匂宮と浮舟の間の性愛描写が、品がありつつも、かなりエロティックなんです。正直ドキドキします。どのように浮舟は匂宮に身を委ねてしまうのか・・・もうハラハラしながら一気に読み進んでしまうことでしょう。

昨今、世間では不倫に対してのバッシング報道がすごいですね。不適切な関係に対して、世の中は大変厳しい。もちろん許されていいわけではないけれど、男と女の間には、どうすることもできないことが起こる。そのこと自体を否定することはできない。そんな、男と女の間にある、どうすることもできない心の揺れ動き、機微みたいなものが、リアルすぎるくらいリアルに描かれた小説だと思います。

世界的名作『源氏物語』が誕生して1000年ですが、そこに通底する男と女の思いや葛藤や、焦燥感、どうにもならない関係は、現代と変わることがない。そんなふうに感じるはずです。

そのあたりは、妻であり、母であるけれど、同時に”女”の部分をきっちりともって生きている、女妻母=Domani読者に、是非読んでもらいたいと思います」

■ :魅力3
一気に平安時代の宇治の地へタイムスリップさせてくれる、世界的日本画家・千住博さんの表紙装画

「『小説源氏物語 STORY OF UJI』は、2008年の源氏物語千年紀(『源氏物語』が誕生して1000年を祈念した)をきっかけにして雑誌『和樂』で始まった大型連載の、最終完結版にあたります。この連載は、日本を代表する作家=林真理子さんによる文章と、世界的日本画家=千住博さんの装画による、超ビッグ連載としてスタートしたのです。

『源氏物語』の現代語訳は、これまで谷崎潤一郎や円地文子など、時代を代表する文豪が手掛けてきました。そんな中、林さんは『自分がやるなら、現代語訳ではなく、自分なりに解釈して小説のようにしよう』とお考えになったそうです。現代人にとってまどろっこしい部分、わかりにくいところはバッサリ割愛して、面白いところはよりじっくり書き込んで同時に、原文にある高貴な空気感は維持してと

一方、千住博さんは、この連載をきっかけに、源氏物語にある54帖に独自の3帖を加えて、計57点の『源氏物語』を描かれました。“源氏物語の登場人物たちの多様な存在感を、多彩な空の表情に託し描いてみよう”と考えられたのだそうです。

林真理子さんと千住博さん。おふたりによって始まった連載ですから、完結編である今回の文庫本の表紙には、どうしても千住さんの装画を使わせていただきたかったのです。お二人のコラボレーションで最後も終えたいと。千住さんは世界的に著名な日本画家なので、その装画を文庫本に使用させていただけるのは大変貴重で、ありがたいことです。

▲千住博さんによる装画

今回使用させていただいたのは、57点の『源氏物語』の中の「宿木」。「宿木」は『源氏物語』の第49帖にあたり、主人公薫が初めて浮舟の姿を垣間見て心を奪われる重要なシーンがある帖。そういう意味もあって、この絵を使用させていただきました。

都から離れた水郷の地=宇治。宇治は川霧がよく出るところだといわれていますが、そんな雲の合間から月が顔を出す・・・林さんの文章を読みながら、もう一度この表紙をみると、現代人の私たちも、一気に平安時代の宇治の地へタイムスリップしたような気になるかもしれません。

古典の授業が嫌いだった・・・歴史の授業も嫌いだった・・・・そもそも『源氏物語』って難しそう、と思っている人にこそ是非読んで欲しいと思います。『源氏物語』への認識が一変するに違いありません」


林真理子さんが蘇らせた21世紀の『源氏物語』は、1000年前に書かれたものとは思えないほどにリアル。夢中になっている恋愛ドラマや、恋愛映画、恋愛漫画と同じように、必ずやハラハラドキドキしながら楽しむことができるはずです。そして、『和樂』2月号(2018年12月28日発売)では、本作品の見どころを林真理子さん本人が解説するという企画も。こちらもお楽しみに。

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小説源氏物語 STORY OF UJI

林 真理子著 小学館文庫『小説源氏物語 STORY OF UJI』(小学館)
724円(税込)/文庫版/320P ▶︎購入はこちら

『和樂』2月号 ※2018年12月28日発売
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