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WOMEN女の時間割

2019.02.26

「たとえ100点満点ではなくても、”3つの顔”をもっていることが大切なのだと思うんです」サイバーエージェント執行役員・石田裕子さん【女の時間割】

女には3つの顔、3つの時間割がある。Domani2019年2/3月号より始まった新連載『女の時間割』。今回は、サイバーエージェント執行役員、石田裕子さんの「女」「妻」「母」としての時間割をご紹介します。!

Text:
谷畑まゆみ
Tags:

株式会社サイバーエージェント
執行役員・37 歳
石田裕子さん

「女」時間 

職場での自分をひとことで表すなら聖徳太子のように〝同時に聞いて即断即決していく人〟

「効率よく時間を使うために、1日のタスクを毎朝分刻みでスケジューリング。チャットワークだけで500本近く受けるので、5分間で10くらいの小さなタスクを一気に処理します」

「妻」時間 

週に一度は短時間で効果が得られる加圧トレーニングを。心身の疲れも解き放ちます!

「短時間で効果が得られる加圧トレーニングで腰痛が改善、疲れにくくなりました。自分磨き時間の捻出は大変ですが、〝ちゃんと続いているね〟という夫の応援も励みになっています」

「母」時間 

土曜日は長女の習いごとに同行。走ったり泳ぐ姿を見守りながら穏やかなひととき

「娘が〝リレーの選手になれなくて悔しかった〟と言うので、体を動かす習いごとを。自分は母親として何ができるのか、子供にとっていちばんいい環境とは何かを、常に考えています」

仕事では“ボールを持ちすぎない”。即座に決断、即レス対応します

ワークとライフのバランスがとれた生活は理想的だ。けれど、働く女性の現実はもっとシビア。ましてオフィスでのもち時間が少ないワーキングマザーにとって“仕事も家庭も100%”を目ざすことは息苦しいもの。 

サイバーエージェントの執行役員として採用戦略本部を率いる石田さんは、かつて知人の“ワークとライフだけじゃダメだよねと言う言葉にハッとした”という。著書の『ワーク・ライフ・セルフの時代』(クロスメディア・マーケティング)の中で、“仕事も家庭もひとりの自分も、すべて重要”と呼びかける。

「職場で見せる顔だけでも、母としての顔だけでも、私という個人は語れません。たとえ100点満点ではなくても“3つの顔”をもっていることが大切なのだと思うのです」

そう語る彼女の仕事人生はパワフルかつ波瀾万丈。就活で受けた会社は300社。18社から内定が出たが“活動を通じて自分が深掘りされるのが楽しかった”と振り返る。最終的に“若手社員にも裁量権があり、意思決定の機会を経験できる”と、現在の会社に新卒入社。

インターネット広告の営業部に配属され、もちまえのタフさで多くの企業に足を運んで成果を出し、わずか2年で社内表彰を13回受ける。27歳で女性初の営業局長に就任。その手腕を見込まれて、ふたりの子供を妊娠・出産・スピード復帰しながら、30代前半に2度、ふたつの子会社立ち上げを任命される。しかし市場が成長せず伸び悩み、上層部は早期撤退を決断。これが石田さんの分岐点となった。

「1社目のときは、育児休暇中に役員から撤退の電話連絡を受け、すぐに会社に飛んでいきました。損失額は2社で10億円。当然成功させたかったですし、社員数十人の人生を預かる立場だったので簡単には割り切れず、自責の念でいっぱいになりました。しかしその中で、それ以上に次につながる貴重な経験もありました。自分の意思決定が会社の命運を左右するという恐怖とプレッシャーの中、仕事と対峙し続けたことで、強い精神力と決断力が鍛え上げられたのだと思っています」

家事を担う“昭和の妻”な自分と常に“確変状態の働く母”な私

日中、仕事でめいっぱい闘ったら、できれば家事はシェアしたい。しかし石田さんは高機能の時短家電を駆使して、合理的に遂行。“家のことは自分”という昭和な妻気質を自覚していて、それは母親ゆずりとも。

「夫には子供たちと思いっきり遊んでもらい、その間、無心で掃除機をかけていると、達成感があるんですよ。料理は日曜日にまとめてつくりおき。1日の中に点在するすきま時間を逃さず『NewsPicks』のプロピッカーとしての情報収拾をしたり、ネットで服や雑貨を購入して“自分時間”を確保しています」

ワークもライフもセルフも十分にバランスがとれているように見えるが、最近娘に指摘されて“やめたこと”があると笑う。「あるとき“ママ、ずっと忙しそうにしてるじゃん”と言われたんです。ご飯を食べたらすぐ片付けて、平日も休日もどたばたしていたんですね。それ以来、手があくと家事や仕事をするクセをやめて、子供たちと一緒に何もしないでくつろぐ時間をつくるようになりました。人生、何かしんどいことがあっても、ミスチルの『終わりなき旅』の歌のように、高い壁を登ったその先にはきっと何かがあるはずだからと、笑顔を忘れずにすごしています」

いしだ・ゆうこ/1981年、青森県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、現在の会社に新卒入社。インターネット広告事業部門の営業局長・営業統括、スマートフォン向けAmebaのプロデューサーを経て、2度にわたる子会社立ち上げと撤退を経験。35歳で現職に抜擢される。結婚は28歳。29歳で長女、32歳で長男を出産。座右の銘は、アントニオ猪木氏が引退式のときに詠んだ詩「危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし」。

Domani2019年2/3月号『新連載 女の時間割』より
撮影/ 真板由起(NOSTY) ヘア& メーク/ 今関梨華(P-cott)構成/ 谷畑まゆみ

テキスト

谷畑まゆみ

フリーエディター・ライター。『Domani』連載「女の時間割。」、日本財団パラリンピックサポートセンターWEBマガジン連載「パラアスリートを支える女性たち」等、働く女性のライフストーリー・インタビュー企画を担当しています。

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