ファッションとカルチャーが心の栄養! 新卒から一貫してアパレル一筋
杉本緑さん:1987年生まれ、2児の母。2009年、新卒でアパレルメーカーに入社。2016年に転職し、世界的に展開するアパレル企業へ。Domaniの読者モデル組織「Domani Lab」のメンバーとしても活動中。
グローバルに展開するアパレルメーカーで、生産管理を担当

今の会社は入社して9年目。アパレルメーカーで生産管理を担当し、服作りに関わっています。グローバル企業ということもあって、世界の動きにあわせてつねにアップデートしていくのがおもしろいところ。それだけについていくのも大変ですが、日々変化する環境が、とても新鮮で楽しいです。ブランドの規模が大きい分責任もあるけれど、関わったアイテムを街中で見かけたときには喜びもひとしおです。
これまでのキャリアヒストリーを振り返ると…
仕事は新卒からアパレル一筋。もともとファッションが大好きで、学生時代もアパレルショップでアルバイトをしていました。「販売の仕事は一見キラキラしているけれど、実際は力仕事も多くて大変」とよく耳にしていたのですが…やってみたら、裏方の仕事も含めてとても楽しくて。右も左も洋服に囲まれている環境が本当に刺激的だったんです。就職活動でも、いくつもの選択肢から迷いなくこの業界を選びました。
一社目は、百貨店を中心に展開する会社に7年勤めました。そのころから一生アパレルの仕事がしたいと思っていたのですが、さまざまな部署を経験するなかで、自分にとってアパレルの魅力は「ものづくり」であると実感するように。よりいっそう「ものづくり」の側面に関わりたいと、30歳目前で転職して今に至ります。
「ファッション」に目覚めたのは中学生のころ
中学時代のある日、友達と何人かでカラオケに行ったら、雑誌『プチセブン』(小学館、2002年休刊)を持ってきた子がいたんです。それが私にとって初めてファッション誌というものをしっかり読んだ経験で、「なんて楽しい世界なんだろう」と衝撃を受けました。それからというもの、私もファッション雑誌を読むようになり、お小遣いやお年玉で好きな洋服を買うように。毎年お年玉を持ってラフォーレ原宿の初売りに行くのが当時いちばんの楽しみでした! その頃のプチセブンは、記念に今でもとってあるんです。今こうして、プチセブンを発行していた小学館でDomani Labメンバーとして活動しているのは、なんだか不思議なご縁だと思います。
Domani Labメンバーとしても活動中。挑戦のきっかけは?

▲運動会コーデ企画に登場した杉本さん。「白Tとデニムの王道スタイルに、お気に入りのスニーカーやブルゾンを合わせて春らしいトーンでまとめました。つばが長めのキャップや斜めがけバッグで、日焼けなどを気にせず存分に動けるようにしたのがポイントです」
“働くママのためのファッションメディア”というテーマはとても斬新で、読者時代からいちワーママとして勇気付けられていたんです。私も何かで関われたらと、もともとはDomaniの「アンケートメンバー」に応募したのですが、縁あってDomanist(Domani Labの前身)に加入することになりました。かれこれ7年のお付き合いですね。
加入したのはちょうど第一子の育休から復職するタイミングで、「これからは育児と仕事でいっぱいいっぱいになるだろうな」と考えていた矢先のご縁。予想外ではありましたが、「働くお母さんでも、仕事や育児以外のことに向き合ってもいいんだ!」と実感できたのは、自分にとってもありがたいことでした。
Domani Labのメンバーはみなさん本当に好奇心旺盛で、バイタリティに溢れていて魅力的な人ばかり。それぞれの子育て情報を聞き、非常にいい刺激をもらっています。
小学生の女の子&1歳の男の子を育てるママとして

子育てと仕事の両立は
小学2年生の娘と2023年生まれの息子、そして夫の4人家族です。環境に恵まれていることもあって、子育てと仕事の両立に大きな壁を感じたことは、じつはあまりありません。蓋を開けてみたら夫がしっかり子育てに参加してくれたことも、うれしい誤算でした。子育てを「手伝う」ではなく「一緒にやる」という姿勢なので、精神的にも助かっています。
杉本さんの1日のスケジュール
5:30 起床
6:30 身支度・家族の朝食下準備・自分の朝食を完了
6:40 子供のお世話は夫にバトンタッチ、会社へ出発
7:30 出社・業務スタート
16:30 業務終了
17:30 長男保育園お迎え
17:50 帰宅
18:00 小学校から長女帰宅
18:40 長女の宿題を見ながら夕飯の準備。洗濯など他の家事や長男のお世話も同時進行
19:30 子供と3人でお風呂
20:30 就寝前の絵本タイム
20:40 だらだらして寝たがらない長女の尻をたたきながら子供2人をベッドへ
21:30 寝かしつけ完了
23:00 自由時間のち就寝(SNSチェック・オンライン英会話・22時頃帰宅する夫とおしゃべり、読書など)
私の仕事がフレックス勤務で、7:30〜16:30とイレギュラーなスケジュール。そのため平日朝の子供ごとに関してはほとんど夫にお任せ、夜は私のワンオペと役割分担が明確なのも、無理なく子育てできている理由かもしれません。
とはいえ「もうちょっとこうして欲しい」という気持ちも当然あるのですが、不満があればその都度、フラットに話し合いができています。夫も私も海外出張が発生する仕事ゆえ、いざというときは完全ワンオペでもまわるよう、事前準備やすり合わせもこまめに。やっぱりいちばん大事なのはすり合わせですね。

▲第二子の育休中には、ふだん買っている日用品の画像を場所ごとにまとめてGoogleフォトに共有するアイディアも。これによって、“夫に買い物を頼んだら普段使っているのと違う種類を買ってきた”というプチストレスを未然に防ぐことに成功!
小学生の娘さんの最近のハマりごとは?

娘は7歳になりますが、今のところ洋服にはあまり興味がなさそう(笑)。性格も私には全然似ておらず、正反対でおもしろいです。ただ、「ものづくり」は娘も好きなようで、手を動かして工作するのが楽しいみたいです。娘も息子も、それぞれの興味がどこへ向かっていくかはまだまだ未知数。母としてもそれを楽しく観察しながら、のびのびと育ってくれたらと思います。
息抜きは歴史・文化を学ぶこと。夫との会話も大切な時間

大学でも史学科を学ぶほど、歴史や文化が大好き。通勤時間はPodcastの「KOTENラジオ」を聴いたり、月に一度は落語を見に演芸場へ行ったりしています。子供が寝たあとに本を読んだり、ネットフリックスを観たり、新しい知識を吸収する時間も息抜きのひとつ。世界各地の文化や宗教、価値観を知りたい欲求が昔から強いんです。仕事柄、日常的に海外の方とやりとりすることもあって、興味深く学んでいます。
夫と話す時間も大事な時間。夫もアパレル勤務で、出会いは大学の演劇サークル。子供の話だけでなく好きなファッションの話、共通の友人の話題など…話題は尽きません。

▲自宅リビングにはオーダーメイドの本棚が。「10代の頃から本を読む習慣を大切にしていて、手元に置いておきたい1冊をコレクションできる備え付けの本棚をつくりました。子どもたちがもう少し大きくなって、本棚の前で家族それぞれが思い思いに読書をする時間が今から楽しみです」
日々の体調管理のため「1日30品目」を目標にしています
本当に恵まれていると思うんですが、もともと体が丈夫であまり不調を感じたことがないんです。産後は骨盤の痛みなどを感じることもあったけれど、骨盤矯正に通ううちに持ち直して、今では産前より体調がいい気がしています(笑)。子供を産むと体調も変化するといいますが、20代のころ悩まされていた冷え性がなくなったりと、むしろいいほうに体調が変化しているかもしれない。ただ昔から貧血には悩まされていて、鉄分は意識的に摂るようにしているので、「1日30品目」を目標に食事はバランスを心がけています。
今後の目標や夢は?
仕事面では、アパレルの生産管理という仕事をずっとやっていきたい! 長くやるほど、深みのでる仕事だと思っています。単純に着飾るという目的だけではなく、毎日の積み重ねを、ひいては人生を前向きかつ主体的に生きていくために必要不可欠なのが”洋服”という存在。そんな一着を産み出すこの仕事に、一生をかけて関わっていきたい。いつかは海外でも働いてみたいです。これまでとまったく違う環境で自身も成長できるし、子供たちにも新しい世界を見せてあげられるのでは、と想像するだけでワクワクします。そして何よりの目標は、ふたりの子供を立派に育てあげること。夫とふたり試行錯誤しながら、将来は家族みんなでお酒を飲める日が来たらいいなと思っています。

Domani Labメンバー
杉本 緑
2児の母。洋服への愛が高じてアパレル業界へ飛び込み、某アパレル会社で企画、生産に携わる。舞台や落語などの芸術鑑賞で自らの感性を刺激。娘との日常を描いたユニークなイラストもSNSで発信中。
Instagram:https://www.instagram.com/green_sgmt/
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