サイバーエージェントで執行役員・石田裕子さんに聞いたワーキングマザーの仕事術
週のスタート月曜日。タスクをためずに片づけたいとき、あなたはどんなふうに処理していますか?
株式会社サイバーエージェントで執行役員を務める石田裕子さんは、「ワーキングマザーになって勤務時間に制約ができたことで、逆に時間生産性があがりました」と語ります。
「子どもをもつ前は、よくも悪くも時間の制約なく自分のペースで働けました。でも毎日必ず18時に退社して保育園にお迎えに行く生活が始まると、自分の中に退社までに仕事を終わらせようという“強烈な時間制約意識”が生まれます。勤務時間は9時から18時。午前中はおおよそ会議4本、午後は10本、それぞれ30分単位で入ってきます。私の場合、会議と会議のあいだに生まれるすきま時間をどう活用するかでタスク処理に差がついてきます」
▲Domani2/3月号「女の時間割」より 撮影/ 真板由起(NOSTY)
そんな石田さんが日々実行しているタスク管理のルールとは…?
その1:業務は分単位でスケジューリング
「9時に始業したら、約10分でその日のタスクをすべて可視化し、いつまでにタスクを完了させるか決めてしまいます。ポイントはすきま時間の使い方を1分単位で区切ること。何時までに何をやるか、緻密に計算するのです。子どもが小さいうちは特に“1分が惜しい”ので、この時間までにはこの書類をつくり終え、このメンバーと全部話を終えるなど、明確な時間設定を行います」
その2:すきま時間に行う業務を決めておく
「“すきま時間ができたらブロックして、タスクを集中的にさばく”とあらかじめルールを設定。優先順位を決めてから、資料作成や社内の“チャットワーク”の返信を並行して一気に行います。チャットは1日に500本近く来るので、私のところで止めてしまうとあとが大変。頭の中をマルチ・スイッチングして即座にレスを返していきます」
その3:社内のどこにいてもチャットをさばく
「メールやチャットをさばく時間は、デスクの上だけではありません。エレベーターでの移動中にも、お手洗いに寄るときにもさばきます。こまめにリアクションを返すことで円滑な進行が保てます。また要件を“了解”するだけでなく、その都度、ちいさな意思決定もあわせてくだすようにしています」
すきま時間を分単位で活用+ためこまず常にボールをもちすぎないのが、石田さんのマイルール。とはいえ、状況によっては処理しきれないときももちろんあります。
「そんなときでも、定時になったら予定どおりにサッと退社して、翌朝すっきりした頭であらためてミッションに取り組みます。決して完璧はめざしすぎないのが同じペースを継続させるコツではないかと思っています」
次回>>石田裕子さんの愛用時短家電を公開!
テキスト
谷畑まゆみ
フリーエディター・ライター。『Domani』連載「女の時間割。」、日本財団パラリンピックサポートセンターWEBマガジン連載「パラアスリートを支える女性たち」等、働く女性のライフストーリー・インタビュー企画を担当しています。
あわせて読みたい
▶︎「たとえ100点満点ではなくても、”3つの顔”をもっていることが大切なのだと思うんです」サイバーエージェント執行役員・石田裕子さん【女の時間割】