７人から選んだ夫は借金ありのダメンズだった!?
７人のプロポーズの中から、「いちばん緊急に自分を必要としていそう」と感じたDさんを選んで結婚した千恵子さん。
前回のお話はこちら▶︎「セックスの良さがわからない」恋愛こじらせ系シングルマザー〜千恵子さんの場合
だけど「私、ダメンズ養成器なんですよね〜」と笑う通り、結婚してから彼は仕事で稼ぐ千恵子さんに甘えきり、どんどん仕事がおろそかに。31歳で結婚し、翌年には長女を出産したものの稼ぎのない夫は育児の足手まといでしかない存在。
さらに、実は17歳のときに付き合った元彼をずっと引きずっていて、だから「恋愛と結婚とは別！」と割り切ろうと思って愛情の持てない相手と結婚してしまったものだから、出産後は夫とのセックスに嫌悪感しか持てずにレスに突入してしまうという事態に。
千恵子さん（以下、ち）：やっぱり結婚も、好きな人とじゃないと無理でした（苦笑）。
そしてそんなある日、Dさんがなぜか、元カノの借金800万円を肩代わりして返済していることが発覚したそう。
ち：「自己破産するから!!」って謝られたんですけど、もう彼との結婚生活はムリ。それなのに、なかなか離婚してくれないから「借金は私が払うからその代わりに今すぐ離婚して」と伝えて、そのお金は私が全部出しました。
―おっとこまえ〜〜〜〜〜!!! でもたしかに、千恵子さんのそんなところがダメ男を養成してしまうのかも…。
忘れられない元彼とSNSで再会しビジネスパートナーに
さて、17歳のときに付き合っていた相手を忘れられないという千恵子さんですが、実はこの彼と今はビジネスパートナーとして付き合っているとのこと。健康食品会社を経営する彼が開発したサプリメントの効果に感動した千恵子さんが、その商品を扱う代理店を始めたそう。
離婚後再会したきっかけは、千恵子さんが離婚していちばん辛い時期にFacebookで「この人は知り合いですか？」と、その元彼Cさんのプロフィールが表示され、だけど５年間は連絡を取るのをガマン。ある年の自分の誕生日に再びCさんが表示され、思わず友達申請してしまったのだとか。
ち：彼とは高校時代に付き合っていたんです。その頃は日本でモデルをしていて、本当にハンサムで、大好きだった。だけど付き合ってすぐにフラれてしまって。でも彼のことが忘れられなくて、それから付き合った人はいても、誰かを好きになったことがない。20歳になったときに、今度は結婚を前提に付き合って欲しいと言われたんですけど、ちょうど彼のお父様の事業が失敗して、私は当時アメリカに留学していたし、今みたいにメール環境も整っていなかったからなかなか連絡も取れずにそのまま自然消滅しちゃったんです。その失恋を、私はず〜〜っとひきずってる感じ。そこから恋愛の仕方がわからなくなっちゃったんですよね。誰とでも、２回くらいデートするともういいかなって思っちゃう。
「好きすぎてセックスできない」現象発動中！
さかい（以下、さ）：お互い今独身なんだったら、付き合おうっていう話にはならないんですか？
ち：それがね〜〜〜。今も、何かと言うと私のところにやってきて、結局私の会社の名刺からWebサイトから何から全部「俺がやる！」って作ってくれて、私のこと、大好きみたいなんですよ（笑）。だけど私、彼のことを好きすぎて、ちょっと何かダメ出しされると立ち直れなくなっちゃう。それが怖くて、付き合えないんです。
さ：（理解不能すぎて）!!!??????????どういうことですか？ この年齢になって忘れられない彼がまだ独身でしかもお互い両思いだなんて、奇跡に近いのに!?
ち：う〜〜〜ん。彼のことは好きすぎて、セックスも出来ないんです。あ、もちろん、17歳で付き合ったときはしてたんですよ。でもそのあとは、自分の中で理想化しすぎて神聖なアイドルみたいな存在になっちゃってる感じですかね（笑）。好きだから、自分のダメなところは一切見せたくないんですよ、彼には。
Cさんと千恵子さんはお互い負けず嫌い。千恵子さんの理想の男性は「運転が上手くて駐車場に一発で入れられる男」（笑）だそうなんですが、交際していたときにはCさんが免許を持っていなかったため、別れるときに千恵子さんが捨て台詞のように「運転免許持ってない男なんてサイテー」と言うと、再会したときには彼が免許を取っていたり。「大学も出てなんてサイテー」と言った言葉も覚えていて、ちゃんとその後大学に進学していたり。
ち：私も、彼に聞かれたときに答えられるようでありたいから、留学中とにかく英語だけはがんばったんです。だけどフラれたあとは先生にも「どうしたんだ」って心配されるほど成績がガタ落ち。
さ：お話を伺っているとなんだか、お互い切磋琢磨していい影響を与え合う関係に思えますね。
「10年ご無沙汰」、から一歩踏み出す勇気
本当に好きな男性とは自分をさらけ出すのが怖くて、付き合えない。だけどもうアラフィフで、そろそろ恋愛だってしたい。そんなこじらせウーマン、千恵子さん。「20代は元彼をひきずって一度もセックスしてないし、離婚後ももう10年ご無沙汰なんですよ」とおっしゃるので、離婚のインタビューよりむしろ千恵子さんのセックスライフの問題の方が気になってしまって、途中から取材がカウンセリングのような様相に…。
さ：セックスって人間にとってすごく重要な要素だと思うんですよね。だから、そんなにモテているのにもったいないなって思っちゃいます。
ち：正直、イッたことがないから、良さがそんなにわからなくて。そんなにしたいという気持ちもないんです。子供がふたりも居るのに、潔癖こじらせ女子みたいになっちゃってるんですよね〜。
さ：そういう風になった原因って、その元彼Cさんへの失恋以外に考えられる理由はありますか？
ち：母親がすごく厳しかったっていうのはあるかなあ。でも、妹は私と違って性にオープンで「死んだら引き出しの中のバイブを処分してね」って言ってるくらいだから、どうなんでしょうね（笑）。あとは、昔一度霊能者に視てもらったときに「守護霊があなたの恋愛を邪魔している」って言われたことがあります。私と寝ようとすると、相手が当日になって高熱を出したりすることは確かによくあって…。
この取材のあと、「そろそろ本気でセックスしないと年齢的にもこのまま終わってしまいそうなので、ベッドで上手そうな男性をみつけて今年中にはトライしてみようと思います」とおっしゃっていた千恵子さん。
現在デートしている、大手広告代理店勤務のAのさんと経営コンサルタントのBさんにも「俺が絶対イカせてあげるから」と口説かれているらしいですが、果たして彼らが高熱を出さずに無事に千恵子さんといたすことができるのか。
でもロマンティストの私としては、どうせなら高校時代の忘れられない元彼Cさんともう一度やり直して、今度こそ上手く行って欲しいな〜という勝手な幻想を抱くのでありました。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」（講談社刊）。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて！バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。
