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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2019.06.02

ハイスペック婚から転落!3年3か月の泥沼離婚裁判後、Twitterで再会した同級生と再婚するまで【バツイチわらしべ長者〜茉莉花さんの場合まとめ】

 

人生で挫折を知らなかったお嬢様が、ダメ夫との離婚から立ち直り、再婚して不妊治療の末に娘を授かるまで。ー人生とは喪失と再生の繰り返しのドラマ。「バツイチ」という離婚経験者たちは、ある意味、喪失を乗り越えてなお強く生きるサバイバー!バツという離婚経験が、幸せな結末=マルになる日を夢見て。そんなバツイチたちへのインタビュー。

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誰もが羨むハイスペック婚の突然の終わり

(取材者データ)
茉莉花さん(仮名)、45歳。24歳で銀行マンと結婚し専業主婦になったはいいけれど、3年後に夫が突然家出し離婚を要求され呆然。離婚後精神的にも病み激ヤセするが、生活のために再就職。その後は様々な恋愛の失敗経験を経たのちに同級生の男性と再婚し、現在はフリーランスのPRとして活躍。離婚をきっかけに天職と最愛の夫を手に入れた幸運の持ち主。

茉莉花さんは離婚自体も修羅場だったけれど、その後の恋愛もかなり波乱万丈。そんな彼女がいかにして現在の同級生の旦那様と愛猫とマイホームで暮らす穏やかな生活を手に入れたのか、というお話であります。

茉莉花さんが結婚したのは24歳のとき。相手は高校3年のときに文化祭で知り合った、某一流私立大学卒のラグビー部出身の銀行マンOさん。茉莉花さん自身もお父様は経営者で港区出身、かなりのお嬢様育ちです。そう聞くと、とても釣り合いの取れた、いわゆる「勝ち組」の結婚をしたように聞こえますよね。それがまあ、詳しく聞いてみると肩書きだけで、かなり見掛け倒しのお相手(失礼!)だったようなのです。

そもそも、離婚の原因は何だったのでしょうか?

茉莉花(以下、ま)「それがね、話せば長くなるんですが。銀行マンの夫とは、結婚して1年くらいで私が仕事を辞めて専業主婦として生活していたんだけど、結婚3年後の年末にちょっとしたケンカがきっかけで、『もう離婚する!』と言われたんです。本当にくだらないことが原因のケンカだったので、『なんでこんなことで!?』とびっくりして。よくよく聞いたら、彼女が居たんですよ」
「『この人に限ってまさか』と思って居たので…。モテるタイプだし、いつも自分がモテることを自慢してくるようなタイプではあったんですが、彼のことを信頼しきっていたんですよね。」

これはたぶん、〝愛されて育ったお嬢様あるある〟。健全で裕福な家庭で育ったお嬢様には、人の悪意(つまり浮気)を疑ったりしないという傾向が多々あるように感じます。

でもよくよく聞くと、夫の浮気が最大の離婚理由とはなっているものの、茉莉花さん夫婦は元から他にも様々な問題を抱えていたようです。上昇志向が強く新興宗教にハマる義母の存在に、Oさんはお酒とお金にだらしない有様。「お金にだらしない男は女性関係もだらしない」と言いますが、結局自制心が足りないということですものね。

寄生虫のような夫の抱えた問題▶︎銀行マンと結婚した専業主婦の幸せが壊れた日

3年3ヶ月の泥沼裁判でやっと離婚成立

ま「夫から『付き合ってる人がいるんだ』と告白されたときは衝撃でした。でも私は、〝結婚したら絶対にその人と添い遂げるもんだ〟と思って育ったし、その覚悟で結婚したんだから離婚なんて考えられなかった。『お互いの家族に今回のことは黙っておくし、私ももう忘れるから彼女と別れて』と夫にお願いしました」

茉莉花さんの「浮気を水に流す」という寛容な申し出にも頑なに「別れたい」の一点張りだった夫のOさん。茉莉花さんは仕方なく、両家の両親を呼んで話し合いの場を設けたそう。
しかし両家の話し合いもむなしく、その2週間後にはOさんが飼っていた犬を連れて実家に帰ってしまったそう。Oさん…いい大人の男性が浮気して出て行く先が実家って…どうなのよ?

さらにその後Oさんから「妻が家事を一切せずに苦しめられた」という訴状が送られて来て、ふたりは裁判所で争うハメに。自分の浮気で一方的に別れたいというのが原因なクセに、茉莉花さんのせいにして離婚を請求するなんて、最低過ぎる…!ショックと心労で、茉莉花さんは一ヶ月ほど入院してしまいます。

ま「診断名はPTSD。ご飯も喉を通らなくなったし眠れなくなって、抗うつ剤に睡眠導入剤、精神安定剤を処方されました」

そんな仕打ちをされても別れたくなかった茉莉花さんですが、あることで裁判で争うという気持ちにスイッチが入ります。

ま「ある日、家に荷物を取りに来た彼が、私の両親から贈られたエルメスの財布やバッグを持って行こうとしたんですよね。それを見たら『今まで散々うちの両親を利用しておいたクセに、何なの?』と怒りが込み上げて来ちゃって。しかも捨て台詞が『俺は金持ちのお前の実家に踊らされた』って。金銭面的にもかなり援助を受けてきたはずなのに、ですよ。もうやり直せないな、と思って弁護士さんに『戦う方向でいきます!』と伝えました」

この後、夫が家庭裁判所に訴える→茉莉花さんが訴え返す、というドロ試合になり、結局3年3ヶ月続いた結婚を終わらせるためには、同じ3年3ヶ月もの月日が費やされました。裁判中に他の人と付き合うと不倫になってしまうため、実質3年3ヶ月は恋もお預け状態でひとりでがんばっていた茉莉花さん。ようやく離婚が決まった際には、嬉しすぎて「離婚しました!」と仕事関係者含む知り合いに一斉メールで報告したそう。

離婚の最大のネックになったのは?▶︎浮気されたけど別れたくない! 不倫夫との裁判の行方

SNSでの再会からの恋はアラフォーあるある!?

浮気した夫と3年3ヶ月の泥沼裁判を経て、フリーとなった茉莉花さん。開放感からか、その後約6年で3人の男性たちと交際し、なかなか恋多き女と見受けられます。

ちなみに、この間(かん)、結婚を機に前職のアパレルPRを辞め専業主婦をしていた茉莉花さんは、元夫が家を出て行ってから飲食業のPR業として仕事を再開しています。その後、ある業界のフリーランスPRとして独立。現在では、次々ヒット商品を手がける敏腕PRとして第一人者に。

そして3人目と別れて半年後、ついに運命の再婚相手と出会うのです!!

その相手とは、エスカレーター式の学校に通っていた茉莉花さんの中高大学時代の同級生。中学で同じクラスになったことがあるものの、特に仲良くもなく連絡が途絶えていたKさん。きっかけは、同じ同級生の女性がTwitterで「誰か日曜のブランチに美味しいエッグベネディクトを一緒に食べに行かない?」とつぶやいたところから。

ま「そのツィートを見て反応したのが私とKさんだったんです。久しぶりに会う3人で行ったそのブランチがとても楽しくて、その後夜にはもう一度私の部屋に再集合。『この20年間、どんなことがあったの?』ってKさんに聞かれたので、離婚のことや16歳年上のGさんを今も好きで忘れられないことなどベラベラ話したら、「山あり谷ありだったのに、そのスレなさっぷりはすごいね!」って(笑)」

これぞ、アラフォーからの出会いあるある! SNSで同級生と再会して付き合うって、本当にこの世代に多いパターンですよね。周りでも本当に多いので、アラフォーになって出会いがないと嘆いている方には、SNSで同級生と繋がってみることを強くおすすめしたい。バックグラウンドが一緒という事実のみで、新たな出会いよりも警戒心もなくすぐに打ち解けられてしまうから不思議。

何度か会ったあと、茉莉花さんはKさんと会っているとやたら楽しいということに気づきます。そして、別れるときはなんだかさみしい、ということにも。そのころ茉莉花さん36歳。

ま「ようやくみつけた!、って気持ちでしたね。尊敬できて愛し愛されてベッド&キッチンの相性も合う、自分とバランスの取れたパートナーが彼」

バツイチアラフォーの恋愛遍歴▶︎離婚後始まる第2の恋愛人生から再婚への道

初婚の彼に結婚を踏み切らせるために

久々に再会した学生時代の同級生、Kさんと付き合い始めた茉莉花さん。

ま「同棲をスタートして3ヶ月くらいで、彼に結婚の話をしたんです。『私は結婚するつもりがない人とは付き合えない』って」
「彼は『まだしたいかどうかわからない。今じゃない』と。今まで、長く付き合ったカップルがつまらないケンカで別れるのを何度も見てきていたから、長すぎる春になるのだけは嫌だな、と。だから『期限を1年と決めよう』ということにしたんです」

けれど付き合って1年経ち、1年2ヶ月経っても何も起こらない。

ま「1年3ヶ月経った頃、香港に旅行したんです。毎日食い倒れで楽しくて、『これはもしかしたらサプライズでプロポーズがあるかも?』って思ったんだけど、帰国前日の夜になっても何も起こらない。明日朝5時に起きて帰るというタイミングで普通に寝ようとしていて。電気を消した暗闇の中で、彼に聞いたんです、『結婚の話、どうなってるの?』って」

業を煮やした茉莉花さんの問いかけにも、「う〜〜ん」と煮え切らない返事のKさん。
ま「『だったらこのままずるずる一緒に暮らすより、一度同棲解消する?』って聞いたら、『それもアリかなあ』って。ひどいと思いません(笑)?」

「経験上、そうなったらそのままお別れとなるものだけど、いいの?」と念押しする茉莉花さんに、「じゃあ一緒になろう」とKさん。

ま「『じゃあ結婚するってことでいいの?』と尋ねると、『ハイ』って。結果的に、めちゃくちゃ私から押し切った形になりましたね」

―さて、結婚が決まるとあとはスムーズ。結婚式はお互いの親族や仕事関係者、そしてもちろん同級生たちも呼んで盛大に挙げ、ふたりの新婚生活がスタートしました。そして今、茉莉花さんとKさんは結婚7年目に突入。子供は居ないけれど2匹の猫が居て(現在では一匹増えて3匹となりました)、茉莉花さんは転職した新しい業界でフリーランスPRとして成功。その道の第一人者として、自分の書籍まで出版したばかり。義理のお父さんもお母さんもいい人たちで、一人っ子のKさんとは結婚後、つかず離れずの距離を保っているそう。

茉莉花さんが「ようやくみつけた」パートナー、Kさん。きっとここに辿り着くまでの道は平坦じゃなかったし、回り道もいっぱいして、心細い気持ちになったことが何度もあるはず。
だけどその経験がなければ、Kさんをベストパートナーだと気づくこともなかったかもしれない。そう思うととても感慨深い、今回の取材だったのでした。

同居生活をうまく行かせるポイントって?▶︎幸せな再婚に必要なこと

インタビュー

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

イラスト/naotte 取材/さかいもゆる 再構成/Web Domani編集部

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