第3回 暗黒時代を乗り越えた私への最高のご褒美
株式会社ランクアップ
代表取締役・51歳
岩崎裕美子さん
前回のお話▶︎売り上げは順調なのに息が詰まる。「まるで軍隊のような会社」と言われた暗黒時代
苦しい日々もぜったいだれかは見ていてくれる
「うれしかったことはたくさんありますが、一緒に働いていた上司が独立して立ち上げた広告代理店に誘われたときがそのひとつ。上の写真がそのころのもので、29歳のときです。よく社員に『毎日がオーディション』と言うんですけど、面接のときだけ態度をよくしてもダメですよね。ふだんの働き方がいちばん大事。その上司は、一緒に働いていたとき、私の働きを見ていてくれたんだとうれしくなりました。その会社で、営業部長や取締役を経験したから、ランクアップを起業できたんです」
社員が残業をして準備してくれたサプライズパーティー
もうひとつは、ランクアップ創業10年のときだという。そのとき何かあったのか…。
「創業7~8年のころは社内が暗く活気がない暗黒時代だったのですが、その暗黒時代を乗り越えて社内が明るくなってきたのが10年目のころ。その年の10周年の記念日に社員がサプライズでパーティをしてくれたことがいちばん心に残っています。朝出社すると『10周年おめでとうございます!』という掛け声とともにクラッカーの嵐。10年間の思い出のスライドショーが流され、社員はらは歌や踊りを披露してくれて。『前はあんなに嫌われていたのに…』と感激してしまいました。そのときの感動は今でも忘れられなくて、イヤな社長だったことを社員に少し許されたようでそれがいちばんうれしかったですね」(次回へ続く)
取材・文/赤木さと子(スタッフ・オン)