第3回 ママは、ご飯をつくるだけの人じゃないと思ってもらえる
サイボウズ株式会社
法務統制本部・48歳
江原なおみさん
前回のお話▶︎44歳で再就職。苦手な満員電車も息子の〝さびしい病〟も経験して思うこと
専業主婦時代は味わえなかった、子どもから評価されたときの幸せ
いちばんうれしいことは、子どもたちが「ママ、すごいね!」と褒めてくれるようになったことだという江原さん。
「専業主婦だったときは、評価されたり感謝されたりすることは少なかったんです。ご飯をつくって当然、掃除や洗濯をして当然…。母の日やお誕生日のメッセージカードには決まって『いつもおいしいご飯をつくってくれてありがとう』。
私も自分の母にそうやって書いていたんですけど、あるときメッセージカードを見た母が、『そうよね、私は所詮、ご飯つくる人なのよね…』とつぶやいたんです。そのときは〝何がそんなに不満なんだろう〟って思ったんですけど、実際書かれてみるとすごく気持ちがわかる。『私はほかにもできることあるんだよ』っていう気持ち。そこの部分を子どもたちは知らないから当然なんですけど、それでもさびしかったんだと思うんです。あのまま専業主婦を続けていたら、私も母と同じように思ってしまったかもしれません」
仕事を始めて子どもに尊敬されるように
今では、会社のホームページを見せたり、広報時代にはつくったプレスリリースを見せると子どもたちが目をキラキラさせてみてくれるそう。
「『ホームページを見せて、ほらほら、江原って書いてあるでしょ?』と言うと、興味をもって聞いてくれて、『頑張ってるんだね!』と言ってくれる。再就職をしなければ味わえなかった喜びで、仕事も家事ももっとがんばろうって思えます」(次回へ続く)
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取材・文/赤木さと子(スタッフ・オン)