20年ぶりに再会した同級生の彼と意気投合!
東日本大震災のとき福島で被災し、外国人の夫と子どもふたりを連れて東京に住んでいた美和子さん。とりあえず夫をアメリカに帰国させた翌日にご飯に行くことになったのが、同級生のBさんでした。
前回のお話▶︎「Facebookで再会して2割増しに見えた同級生」と子連れ再婚するまで
美和子さん(以下、み):Bくんは高校でヨーロッパに留学して、そのまま大学も向こうで卒業してアーティストとしてフランスに住んでいました。20年ぶりくらいの再会は、彼もたまたま帰国していたからなんです。当時、彼はフランス人の奥さんと結婚したけど離婚してバツイチになっていました。
パートナーとして頼りない夫のことを「うちの大きい息子」のように感じてうんざりしていた美和子さんは、久々に会って海外で活躍し、見た目もがっちり男っぽく成長したBさんのことを「頼もしい!」と思ったそう。
み:Bくんとは高校1年のときに、よく学校帰りにゲーセンに行ったりして仲良くしてたんです。再会してから、彼が私に告白したことがあったって言うんだけど、私は覚えてないんですよね(笑)。いつかの帰り際に「これからも一緒にいられる?」って聞かれて、「なにそれ、ピンと来ない言い方!」って私が言ったのを、彼はずっとフラれたんだと思ってたみたい。
さかい(以下、さ):何ですか、その甘酸っぱいエピソードは(笑)!
み:(笑)。そんな風に不完全燃焼な仲だったから、その続きが気になる、って感じだったのかなあ。でもなんだか、別の人と出会い直したような感覚がありましたね。
―好きだった女の子が、20年ぶりに再会したら素敵な大人の女性になっていて、しかも「ちょっと聞いてよ〜、夫が頼りなくってさあ」なんて言って来たら、ついつい守ってあげたくなってしまうものなのかもしれません。その数ヶ月後、Bさんは結婚を前提に美和子さんと交際をスタートさせるのです。
「再婚を前提に付き合おう」と言われ、離婚を決意
み:ご飯を食べに行ったあと、彼は日本とフランスを行ったり来たりするようになって、数ヶ月後には付き合うことになったんです。そのとき彼に「将来のことも見据えてるから、ちゃんとけじめをつけて欲しい」と言われました。
よく、結婚する相手とは何もかもがトントン拍子に進むというけれど、美和子さんとBさんもまさにそれ。美和子さんはまだ結婚している状態だったにも関わらず、Bさんとの交際のことは伏せたまま、夫のAさんに「離婚したい」と告げると、特に抵抗もされずに離婚が成立。
み:国際結婚って普通は親権で揉めたりするけど、夫はあっさりしたもので、親権についても何も言って来なかった。「慰謝料や養育費はいらないから親権は全部ください」というこちらの要求を全て飲んでくれました。向こうも、今までの自分の不甲斐なさを感じていたのかもしれません。
そんなわけで、Bさんとの交際が始まってから数ヶ月で離婚が決まり、さらにその半年後には再婚!元夫との子供ふたりもBさんとふたりで育てることになったのでした。
さ:すご〜い! めちゃくちゃスムーズだったんですね。
み:そうなんですよ。運命の人とかそれまで信じてなかったけど、結婚する相手ってあらかじめ決まっているのかなって、今は思います。
同級生ならではの安心感が再婚の決め手に
さ:ちなみに、Bさんと結婚しようと思った決め手は何だったんですか?
み:たぶんなんですけど、長年海外で暮らしたり福島に住んだりして、安心できる自分のホームから離れていた私が、20年ぶりに同級生だったBくんと繋がったことで、〝ホーム〟に戻って来れたかのような安心感を感じたんじゃないかしら。
安心感か〜〜〜。たしかに、結婚相手に「安心感」を感じられるのって、すごく大事なことですよね。
み:結婚したあともケンカとかしょっちゅうするんですけど、でも友達や育った環境が似てるからか、そこまで分かり合えないようなことにはなってないんです。同級生、おすすめですよ(笑)。
―同級生ね。メモメモっと。
さて。気になるのは、ハーフの連れ子ふたりと再婚相手Bさんとの新生活ですよね。ステップファミリーの関係性って難しそうなのに、しかもアメリカ育ちの小学3年生の男の子と、幼稚園年長の女の子。そう、子供が結構物心ついてからの再婚なのです。
み:再婚まではトントン拍子だったけれど、もちろん、全てがスムーズに行くわけはありません。子どもの成長と共に色々ありましたよ。―結婚して1年後にはBくんとの息子も生まれて、うちは元夫との子どもふたりと、現夫との子どもがひとり、3人きょうだいなんです。下の子が生まれたときに、「この子はうちの家族みんなを繋げてくれる子供になってくれるといいな」と思いました。
美和子さんが築いたステップファミリーの様子と、再婚から学んだことは、次回へ続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。