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WOMEN美しい女性には美しい物語がある。

2019.08.17

「短歌の中でなら脱げるんですよね、私」知花くららさんが今、初めて語るあのときのこと。

2008年1月号より2015年6月号まで、7年半にわたって 『Domani』専属モデルとして、表紙を飾り続けてきた知花くららさん。あれから約4年。これまでのこと、これからのこと、赤裸々に語っていただきました。

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「今、初めて語るあのときのこと」

2008年1月号より2015年6月号まで、 7年半にわたって 『Domani』専属モデルとして、表紙を飾り続けてきた知花くららさん。あれから約4年。これまでのこと、これからのこと、赤裸々に語っていただきました。

▲「ドマーニ専属キャラクターになって初めての撮影。 カメラに対してどう向き合うか、モデルとして何もわかっていなかった。 白シャツ×デニムは、卒業号でも着たコーディネート。忘れられない一枚です」2008年1月号「はじめまして、知花くららです」 撮影/浅井佳代子

どこか偽物のように感じていた自分

ドマーニ卒業号から4年。あっという間のような、そうでないような…。今回、久しぶりにドマーニの撮影をして、私にとってやっぱりドマーニはあたたかい家族のような存在なんだと実感しました。

初めてドマーニの表紙と巻頭の撮影をした日のことは、今でも鮮明に覚えています。当時、25歳。私からすれば、ドマーニは大人の雑誌で、 本当に私でいいのだろうかというとまどいと、 何よりモデルの経験がない私に本当に専属表紙モデルなんて務まるのだろうかという不安と。 緊張の中、セットの前に立ったとき、向こう側から見つめる編集部の方、スタッフの方たちの不安そうな顔を見て、申し訳なさとプレッシャ ーに押しつぶされそうになりながら、もっと勉強しなきゃと腹をくくりました。

……みんなの期待にちゃんと応えられているのだろうか。当時の自分のインタビューの中に「どこかで自分のことを偽物のように感じていた」という一文がありました。求められるものに対して、自分がちゃんと追いついているのか、 つねに不安だったんだと思います。自分で選んできた道とはいえ、ちょっと息苦しさを感じていたあのころ。本当の私を表現できていない。 本当の知花くららじゃない。たとえば、「笑顔が好きだ」と褒められても、まだ自分の笑顔を客観的に見られなくて…

自分に正直でありたい。そう思っていたとき、 短歌と出合いました。2013年ごろです。 きっかけは与謝野晶子の『みだれ髪』。何度も何度も読み返しました。独学で短歌を始める中、縁あって近現代短歌の第一人者である永田和宏先生に出会い、教わってきました。続けているうち、2017年には歌壇の登竜門である「第63回角川短歌賞」で佳作を受賞することができたんです。

▲シャツ¥65,000(エディション 表参道ヒルズ店〈ロク〉) デニム¥20,000(アー・ペー・セー カスタマーサービス〈アー・ペー・セー〉) リング/本人私物 

言葉と向き合うことは自分と向き合うこと

気になる言葉や想いが浮かんだら、すぐにスマホにメモしておいて、短歌をつくるときにそれを見返します。短歌を詠むということは、そういうなにげない、日常のささいなできごとや気持ち、感覚をとどめ、客観的に見る訓練にもなると思っています。

言葉を選び、31文字の中にとじ込める。短歌は、うまい下手にかかわらず、その瞬間のできごとや細かい心の機微まで鮮明に記憶してくれます。瞬間をフリーズドライするような感覚でしょうか。

なぜ自分がそのときその言葉を選んだのか。 時間が経って読み返すと、恥ずかしいこともたくさんあるけれど、短歌では思いきり本音をさらけ出しているから、自分の人生の流れまでが見えてくる気がします。 初の歌集『はじまりは、恋』は、約6年間、 私がつくった短歌を時系列で並べています。赤面するような、湿度の高い歌もたくさん(笑)。

短歌の中でなら脱げるんですよね、私。 かつてドマーニの誌面で詠んだ歌「知つてるでしよきつく手首を縛つても心まで奪へぬことくらい」なんて、当時の編集部の担当者から「本当にこれ、紙面に出して大丈夫?」となんども確認されたほどです。

楽しいことも辛いこともシェアできる

初めての表紙の号の撮影をしてから12年が経とうとしています。あのときに比べたら、ずいぶんと等身大の自分と向き合えるようになったと思います。

今回の撮影で、初登場も卒業号も巻頭を撮影してくださったカメラマンの浅井佳代子さんに久しぶりにお会いしました。初登場時の撮影後、 「変わらないでね。そのままでいてほしいけど、 きっともっと成長できるよね」と言われたことは忘れられません。今日はなんて言われるだろう…とどきどきしていたら、「くらら、ほんとにいい表情してる。強くて凛としてずっと見ていたくなる澄んだ目をしてる。本当にいい年の取り方、したねぇ」って。「私ってこんな表情するんだ…」と驚く一方で、 やっと自分をさらけ出せる、脱げるようになったのかな…と内心うれしかった。

結婚をして、さらにもうひとり、大切な家族も増えました。そんな人生の大きな変化が、いろんなものを脱ぎ捨てられるようになった理由のひとつです。朝から歌を歌いながら料理をしちゃうような、底抜けに明るく、何があっても全力で私を楽しませようとしてくれる彼の存在はほんとに大きい。楽しいこともつらいこともシェアできるし、何より、こんなに〝脱げる〞 相手ってほかにいるのかな、と。

そんな日々を大切に、これからもすっぴん等身大で生きていけたらいいなと思っています。 

くららさんの想いと成長が詰まった歌集が発売に

本歌集には「恋」「家族」「社会問題」「故郷・沖縄」など、多彩な経験から生まれた歌が収録されている。 表紙撮影は、篠山紀信。
『はじまりは、 恋』(角川書店刊)1,600円

※この特集で使用した商品の価格は、すべて本体(税抜)価格になります。
※この特集で使用した商品についての問い合わせ先はこちらのページになります。
※この情報は2019年6月27日現在のものになります。
 

Domani8/9月号掲載『おかえりなさい♡知花くららさん、「今、初めて語るあのときのこと」』
撮影/浅井佳代子  スタイリスト/田中雅美  ヘア&メーク/室岡洋希(ThreePEACE)   構成/田中美保  再構成/WebDomani編集部

モデル

知花くらら

1982年、沖縄県生まれ。2006年、 ミス・ユニバース世界大会2位を経て、Domaniほか多数のファッション誌でモデルとして活躍。テレ ビやラジオ、CMなどに出演するほか、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)の日本大使として世界各国を訪問、活動を行っている。著書に『くららと言葉』『あなたと短歌』など。

 

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