「何がやりたいのかわからない」女性たちをサポートしたい
●PROFILE
岩橋ひかりさん・38歳・東京都在住
株式会社MYコンパス代表取締役/キャリアコンサルタント
9歳と4歳(男児)の母
やりたいことを見つけるオンライン講座を開設
働く女性たちのカウンセリングを始めたときに気づいたのは、「みんな同じようなことで悩んでいる」ということでした。
「自分は何がやりたいのかわからない」
「何かを変えたい。でも、どうしたらいいのかわからない」
仕事は異なっていても、そう感じている人はとても多い。そういった人に対して、やりたいことを見つけるサポートができたら。しかも、1対1の労働集約型ではなく、オンラインで多くの方が受けられる仕組みをつくったら。そうと決まれば、その仕組みをつくっていくのみ!
会社を辞めて独立したときはまだ、将来の絵を描くことはできなかったけれど、できることから「とりあえず」始めてみた結果、やるべきことが見えてきたのです。
オンライン講座は、キャリアに対する悩みやもやもやを明確にすることから始まり、やりたいことを見つけるための自分との対話やカウンセリング、さらにはインタビューやセミナーの動画などでサポートをします。同時にオンラインコミュニティでは常時カウンセリングが受けられたりもします。実際に受講した方の満足度も高く、わずか1年半で受講者200人を超えたのは、自分でも予想以上でした。
こうした業務を手伝ってくれたのは、私が独立した当初にカウンセリングを受けたお客さまや、サポートしてくれた仲間たちでした。そして、先が見えにくくてもなんとかなったのは、「ともかくやってみよう!」「ダメでも、まあいいっか」という私の性格ゆえ。
最近、勉強を始めたFFS診断では、5つの因子でその人の個性を表すのですが、私の場合、圧倒的に「拡散性」が高いという結果でした。外に向かって動く力が強く、「まぁいいか」「適当に」が口ぐせ。先が見えにくくても、「とりあえずやってみる」。そう、私の性格と行動そのものです。
▲岩橋さん自身のFFS診断結果
進みながら考える私のやり方は、自分では心地よかったけれど、別の性格タイプの人なら不安になってしまうでしょう。私がよくいう「とりあえず、やってみる」がイヤな人も多いでしょう。だから、私の方法が誰にでも合うというわけではありません。人それぞれが自分にあったビジネスの始め方、働き方でやればいいと思うのです。
仲間同士、たりないところを補完する
この「まぁいいか」な性格は、子育てでも役に立ちました。子どもが泣き止まないからといって、育児書とにらめっこしたり、必要以上に気をもむこともありません。ごはんを食べてくれなくても、「まぁいいか」。その代わり、食べたときは「よかったよかった!」とシンプルに喜ぶ。おおらかな育児はストレスがなく、私に合っています。
家事だって、夫が得意なことなら率先してやってもらいます。最近は自動調理器のホットクックを買ったので、ほとんど機械まかせですけど。その上、食材はパルシステム、洗濯物はしろふわ便、そしてお掃除も、アウトソースできるものはしています。
私のタイプとは反対に、育児書をしっかり読んだり、仕事も計画を立ててコツコツ進めるほうが合っている人だっているでしょう。仕事も家事・育児も、合う方法は人それぞれ。それでいいんだと思います。そして、これこそが私がキャリアカウンセリングを通じて女性たちに伝えていきたいこと。
だからこそ、違うタイプの仲間とチームを組めば、足りないところを補完し合って、また違う仕事だって可能になります。最近増えてきた女性対象のマーケティングのプロジェクト「MYコンパスラボ」は、こうした背景から生まれました。商品購入の際の決定者である女性の声を、企業の商品企画などに生かしてもらうもので、プロジェクトごとにさまざまなタイプの仲間とチームを組み、活動します。初めは予定していなかったけれど、フルタイムではなく「プロジェクトごと」「期間限定で」という仕事の関わり方も、ワーママに合っているし、やりながら・前に進みながら生まれてきた形です。
性格はいろいろ、働き方もいろいろ。もちろん子育ての仕方も。それをわかって、楽しむことができれば、おのずと仕事は広がっていく。今はそんなふうに感じています。(終わり)
●ワーママ起業成功の法則
1、ブログやSNSでの発信はコツコツ続ける
2、自分が何をストレスに感じやすいのかを知る
3、自分とは異なる他人の働き方も尊重し、補完し合う
南 ゆかり
フリーエディター・ライター。半年にわたって取材・執筆した書籍『真夏も雪の日もかき氷おかわり!』発売中! ほかに書籍『今の私は』(後藤真希・著)、Oggi誌面インタビュー連載「この人に今、これが聞きたい!」「お金に困らない女になる!」などなど。