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LIFESTYLE夫婦関係

2020.03.22

母の突然の家出と裏切りがトラウマで…『あなたはどう思いますか?』

母親の不倫がトラウマになり、不倫を嫌悪していたはずなのに…。『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、東京で働く女性の恋愛事情をレポート。甘い禁断の果実に潜むリスク…あなたはどう思いますか?

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真面目な人は、周囲から内心バカにされる!?

お話を伺ったのは、町田沙織さん(仮名・42歳)。群馬県高崎市出身・地方短大卒業、派遣社員(年収250万円)。同じ年の夫(地方銀行勤務・年収700万円)と結婚15年。埼玉県内の借り上げ社宅在住。子どもは14歳の女の子と、11歳の男の子。身長155cm、ぽっちゃり体型とボブヘア、スモーキーピンクのワンピースが似合う。

母になることが幸せになることだと信じていた

母になることで、新たな幸せの世界が始まると疑わなかったという。

「私の母は、家族の行動を先回りし、アレコレやってくれる、”ザ・昭和の母”。実家に行けば、家族の好みのお菓子が買い置きされていて、何も言わなくてもお茶が出てくる。手作りで味噌やジャムを作ってくれて、子どもたちや夫が喜ぶ顔を見て、母も嬉しそうにしている。母は、私の理想で自慢でした」

しかしその母は、沙織さんが中学3年生のとき、離婚を企てて家出する。

「父は無口で特に面白みがない人でした。私にはなんてことない父ですが、陽気で社交的な母にとってはつまらない男だったのかもしれない。母は楽しそうに何かを話しているのを遮って、『醤油、くれ』というような父ですからね。そういう不満が降り積もって、母は家出をしてしまった」

全く音信不通になった母

家出をして、1か月音信不通になっても、しれっと家に帰ってきた母。そこから変わらぬ日常が始まる。

「なんでも話していた私にさえ、何も言わなかった。信じてもらえなかった、裏切られたという感情は心に今でも残っています。優しかった祖母から『アンタの母親は』などと言われたし、家族にしこりは残りますよね。私もすごく傷ついた。2歳下の弟は、あの一件以来、母親とほとんど口を利かず、関西の専門学校に進学。その後、地元の女性と結婚し婿養子になりました。長男なのに婿養子ですよ! 家がバラバラになったのは、母の家出のせい。それなのに母は悠々と老後を謳歌している」

芸能人の不倫のニュースを嫌悪するようになる

その後、沙織さんは実家から通える短大に進学し、地元の銀行に勤務。同僚の中でも一番真面目な男性と結婚する。

「ずっと地元にいたのですが、主人が東京支社に転勤になり、5年前からさいたま市に住んでいます。こっちのママ友は、教育や子育ての話ができるから毎日楽しかった。私は短大卒なので、大卒ママグループに入り、いろんな話をしていました」

それから1年が経過。人間関係が固まり始めたころに、清純で真面目なイメージがある女性タレントの不倫ニュースが世間をにぎわせた。

「家庭を壊すことのすべてが許せないんです。もうその時に、ホントに憎しみしかなくて、会うたびにその話をしていたんです。止まらないんですよ。主人にも不倫は許せないという話をしていたら『単に興味がない、もうやめろよ』と言われ、『後ろ暗いところがあるからそう言うんでしょ』と大ゲンカに発展。そのことをママ友に話したら、薄い反応なんですよ」

不倫ヘイト発言を繰り返したら、ランチ会に呼ばれなくなる……

ママ友とは、子ども中学受験、学校の噂話、習い事の評判などの話をしていたという。

「それなのにあの時の私は不倫の話ばかりしていた。月イチくらいでなんとなく集まっていたランチ会に呼ばれなくなった気付いたときに、PTAの役員会があったんです。学校のトイレで、仲いいママと別のママが『あの人、ホントの負け犬よね』『自分が欲求不満で、話題もない』と言いながら大笑いしていたのを聞いてしまったんです」

沙織さんがいたのは、トイレの個室。体が凍り付いて動けなくなった。

「確かに私は、夫ともレスが10年以上続いており、女を捨てていた。毛玉が付いた服を着て、ブクブク太っていた。自分のことも全く構わず、本も読まず、映画も観ずに、ネットニュースとTwitterばかり見ていた。子どもたちに何かを聞かれても知らず、主人との会話も弾まず、冷水を浴びせられたように『これではヤバい』と気が付いたのです」

3か月間迷い、社会復帰をする

夫に「仕事を始めようと思う」と相談すると、大喜びされて拍子抜けしたという。家事がおろそかになることを詫びると、「そんなの子どもたちにやらせろ。ママが甘やかしすぎてるから、あいつら何もできないじゃないか」と言われた。

「3か月間、娘と息子に家事を教えつつ、『母親の愛情が足りなくなったらどうしよう』と思いながら、社会復帰を決めました。地銀勤務の経歴と、簿記の資格を生かして、派遣社員に登録。すぐに仕事が決まり、今は週5で地元の企業の経理として仕事をしています」

職場は男性が多く、来客対応すると「女性が淹れたお茶はおいしいね」などと言われる。

「本人には悪意がないけどセクハラ発言。でもそう言われるとすごくうれしいんですよ。男性の目があるから、きちんとしたキレイな服を着るようになったし、メイクもするようになりました。『最近のママ、すごくいい』と主人にも子どもたちにも言われる。この会社に派遣されて丸3年……実際にまだ男女の関係にはなっていないけど、社員さんに微妙に好きな人がいるんですよ。彼は5歳年下で、同棲中の彼女がいるんですが…。母親って、自分より家族を優先させなくてはいけないと思っていた。でも今の私はそうではない。まさか私がそうなるとは思いませんでした」

どこからを「不倫」とするのか……その線引きは自分が決めるのだろうか。

Writer&Editor

沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。

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