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LIFESTYLE 夫婦

2020.03.17

専業「主夫」の完璧家事からの帰宅恐怖症・・・。『あなたはどう思いますか?』

 

料理も洗濯も掃除もこなす夫から逃げたくて…。『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、東京で働く女性の恋愛事情をレポート。甘い禁断の果実に潜むリスク…あなたはどう思いますか?

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夫が突然「専業主夫」になった落胆

今回お話を伺ったのは…

お話を伺ったのは……佐藤若菜さん(仮名・40歳)、千葉県出身・名門国立大学理工学部卒業、建築関連会社勤務(年収800万円)。8歳年上の夫(専業主夫)と結婚12年。文京区にある、分譲マンションに在住。子どもは10歳の娘と8歳の息子。身長160㎝でややぽっちゃり。美容院は年に2回、セミロングヘアを一本結びにしている、質実剛健キャリア女子。

住宅ローン完済のタイミングで退職した夫

若菜さんの夫は、半年前に、勤務していたIT関連会社を突然、辞めた。

「2人の子どもたちの子育てが猛烈に忙しく、仕事と保育園送り迎えで地獄を見ていた時期に、夫は子育てに関しては、何もしていませんでした。毎日のように終電帰宅して、仕事中心の生活をしていた。子育てがある程度落ち着いてきた時期に、いきなり会社を辞めたんです」

夫はそれまで収入があり、マンションのローンが完済するタイミングに退職。

「それまで、体調不良もあったし『生きる目的を子育てにスライドする』と。私も収入があるし、夫も在宅で仕事をすると言っているので、受け入れました。それから半年間、毎日夫が夕飯を作って待っているのが苦痛で、帰宅恐怖症になったんです」

レシピサイトを見て嬉々として作る料理が不味い

夫も理系。「家事は化学だ」と言い、料理、掃除、洗濯をこなす。

「それまでワンオペだったので、一切の家事から解放されていいのですが、夫は完璧主義。隅々まで掃除して、計画的に買い物し、レシピサイトを見て計量して、凝った料理を作る。子どもたちは『美味しい』と言っていますが、私は落ち着かない。適当な調味料で作ったシンプルな野菜炒めでいいんです。でも私が料理すると、そっとリビングを出て、油はねなどを拭いている。うんざりですよ」

働き方改革で会社にいられない

若菜さんは、家に帰るのがイヤになる。

「家事はしなくていい、子どもたちは甘い夫の方が好き。残業しようとしても、会社は働き方改革で追い出される。そこで、仕方がないから会社から家の間の乗換駅にある定食屋のような飲み屋で1~2時間ほど潰してから家に帰るようになったんです。この店、ほっといてくれるから居心地がいいんです」

そこでアルバイトしていたのが彼だ。

「彼は14歳年下の、私の大学の後輩。26歳の大学院生です。見た目がいいからモテるらしく、女性に慣れている。お店に通って10回目くらいかな。『おね~さん、いつもありがとう』と声をかけてきました。私は店員に顔を覚えられるのが嫌いなので、この店はこれっきりだ、と思ったところで『また来てね、待ってるから』と言ったんです」

胸の谷間を指摘される

関係が始まったのは、年末。誘ったのは彼からだった。

「あのときはうちの会社の忘年会が終わって、10時くらいにお店に行ったんです。お店も宴会が終わった後で、営業時間内だったけれど、閑散としていた。スタッフも出払っていたので帰ろうとしたら、彼が『やってるよ』と笑顔で出てきた。ビールを持ってきて『おねーさん、今日はセクシーだね。谷間、気を付けた方がいいよ』って。言われてみると、洗いざらしのニットワンピが伸びて、胸の谷間が見えるような感じになっていたんです」

それまで不倫に縁がなかったのに、彼の一言で火がつく。

「時間も遅かったので、30分程度で帰ろうとしたら、彼が口パクで『待ってて』と伝えてきた。11時くらいだったかな? もう夫も子どもたちも寝ている時間です。彼に誘われるように、店から出て、タクシーで一番近いホテルに行きました」

タクシー代もホテル代も、私が払う

若菜さんはぼんやりと彼と男女の関係になりたいと願っていた。

「私は、男性が流れを作ってくれたら、そこに流されるんですよ。不倫は初めてでしたし、モラル的にもアウトだろうと思っていたのですが、自分にそういう話が来ると乗ってしまう。性欲どうこうではなくて、スキンシップが欲しかったのかも」

それから、月に1~2回関係が続いている。

「彼には彼女がいるらしく、家には入れてくれないので、会うのはホテル。もちろんお金を出すのは私です。お小遣いなどをねだられたことはありません。一緒にいると楽しいですよ。最近、夫と子どもたちが仲良くて、疎外感があるんですよ。彼を見ていると、私にもこんな時代があったんだと。好きな時間に寝起きして、仕事や勉強する。家に友達や恋人を呼ぶのも自由。別に彼とどうこうしたいわけではないですが、最近は離婚してもいいかな……と思うようになりました。まあ、子どもの顔を見ると、そんな離婚願望は消えるのですが、この先どうなるかわかりませんよね」

それまで円満な家庭だったのに、母親がいなくなったら、子どもたちは何を考えるのだろうか。

写真/(C)Shutterstock.com

Writer&Editor

沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。

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