次々と発表される暗いニュースが人々にダメージを
先週末に発表されたアメリカ労働省「雇用統計」によると、先月4月の失業者数は約2,050万人で、失業率は14.7%。前月に比べて3倍以上の大幅な悪化で、1948年以降の最悪水準だそうです。
高級デパート「ニーマン・マーカス」や、近年はブランド改造を成し遂げた「J.Crew」(日本からは2009年に撤退)が経営破綻するなど、特に小売や飲食などのサービス業は深刻な影響を受けています。「J.Crew」は好きなブランドのひとつだったので私もとても残念…。友人、知人の間にも「解雇」という言葉がちらほら聞こえてきました。
緊急ホットラインへの相談は昨対1000%増
Stay at Home のなか、心が荒むニュースを毎日見たり聞いたりすると、気持ちがさらに落ち込みますよね。アメリカ連邦政府が運営する、精神的苦痛をもつ人々のための緊急ホットラインがあるのですが、この4月に寄せられた件数は昨年同時期と比較すると、なんと1000%以上の増加を記録しているとのこと!またアメリカだけでなく、世界的にドメスティックバイオレンスの被害も急増しているとも聞きます。
そういえば、つい最近スーパーで、30代くらいの男性同士が殴り合っている現場に遭遇しました。買い物に気を取られてソーシャルディスタンスを守らかなかった一方に対して、もう一方が「おい、近寄るなー!」と声を荒げたことからスタートし、それがヒートアップ、最後にはパトカーや救急車までくる始末に。ちょうど現場を目撃してしまった私は事情聴取を受けるハメに…。みんなこの生活に疲れて、イライラしているのがよくわかります。
ウイルスだけでなく、不安が感染しないように
そんななか、前向きに、笑顔でお互い励まし合おうよ!というコンセプトのもとで発生したYouTubeやソーシャルメディアのアカウントが人気を呼んでいます。
Inspire Moreというサイトには、新型コロナウィルスに関連した「あなたを笑顔にする」ためのニュースが満載。また、インスタグラムでも、@TanksGoodNewsや @GoodNews_Movement、@upworthyなど、心が温かくなるような情報発信に特化したアカウントに、この数ヶ月でフォロワー数が急増しているよう。
特に人気を集めているコンテンツは、俳優のジョン・クラシンスキー(イギリスの人気テレビドラマ「The Office」のジム役)が始めたYouTube「Some Good News」。オープン1週間以内に150万人の購読者と2500万回の視聴を超え、さらに上昇を続けているようです!このアカウントでは、各回のテーマごとに、オプラ・ウィンフリー、スティーヴン・スピルバーグ、マーサ・スチュワート、ガイ・フィエリ、マララ・ユスフザイなどなど、様々な分野からの見慣れた顔がゲスト出演し、彼らのGood Newsを披露してくれます。ドラマ「The Office」のメンバーもときどき出演しているので、「The Office」好きにはたまりません!エンタメ的にもかなり楽しめる内容です。
これらを見ると、世界にはまだまだたくさんいいことがある!と励まされるし、どんな状況でも物事をどう捉えるかは自分次第なんだと再認識できます。コロナウイルスに感染するのも怖いですが、不安が感染してしまうのも怖い。ハッピーを運んでくれるニュースは英語の勉強にもなってオススメですよ。
⚫ Inspire More
https://www.inspiremore.com/coronavirus-good-news-dashboard
⚫ Some Good News
https://www.youtube.com/channel/UCOe_y6KKvS3PdIfb9q9pGug
▲一見暖かそうですが、5月なのにまだまだ寒いニューヨーク。先週末は雪が散らつきました。Stay at Homeの解除とともに暖かくなりますように♡
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インタビュー
白子真由美
大学卒業後、東京にて、ファッションブランドのPR・コミュニケーションに従事。2016年からニューヨークへ渡米。MBAを取得後、現地日系企業に勤務しマーケティングを担当。