パリ生まれのおしゃれなウサギの女のコ「マロンクリーム」
今回フォーカスするのは、遠くパリに暮らすこのウサギの女のコ・マロンクリームです。
■レトロキャラ「マロンクリーム」の思い出
1985年にデビューしたマロンクリーム。私たちの子どもの頃って、サンリオショップへいくと、ピンクの小花柄が散りばめられた、本当に上品なデザインのグッズがたくさん並んでいましたよね。
実は筆者、小学校へ入学するときの持ち物を、全部マロンクリームで揃えていました。かなりおてんばな娘でありましたが、ハンカチをポケットから取り出すたびに、マロンクリームのおしとやかな雰囲気に心をとろけさせていました。あの頃、なりたかった理想の女のコ。それがマロンクリームでした。
■リセエンヌへ憧れた子ども時代
このマロンクリームの筆記体のロゴひとつとっても、めちゃくちゃ素敵に思えたんですよね。グッズに書かれているローマ字の文章(実は文法自体は日本語で構成されているんです!)を解読しながら、外国語を読めるような気分に浸って、マロンクリームのリセエンヌな世界観を想像していたものです。
■大人になった今こそ改めて知りたいマロンクリームのこと
当時は今みたいにスマホもネットもありませんでしたから、「実は大好きだったのにマロンンクリームの詳しいプロフィールってあまり知らないな」という人も多いのではないでしょうか?
というわけで、今回のデザイナーインタビューでは、なんと!マロンクリームの初代デザイナーさんに誕生秘話や懐かしいグッズのお話などを伺わせていただきました。
マロンクリームの知られざる横顔を探して♡初代デザイナーさんにインタビュー
■マロンクリームに込められたストーリーを教えてください。
「多感な少女時代にファッション雑誌の創刊という出来事に出会った私は、そこで度々紹介されていたおしゃれなパリにすっかり夢中になり、以来ずっと憧れていました。
そんな私がサンリオに入社して、自由なデザインでノートやレターセットを作れる機会があった時、迷わずパリに住むおしゃれなリセエンヌのキャラクターを描きました。
その頃、パリで暮らすリセエンヌのおしゃれなライフスタイルは、ティーンの女の子たちの憧れであり、私の夢の楽しみでもあったのです。そしてこのおしゃれなうさぎの女の子に、今まで想像を膨らませてきた憧れの生活や、私のやりたいことを全部かなえてもらいました。こうして誕生したのがマロンクリームです。
当初は“マロンクリーム”ではなく“おしゃれうさぎ”という名前でした。デビューが決まり、正式に名前を決めることになった時、どうしようかとあれこれ迷って考えていたのですが、実はその時とってもケーキが食べたくて、頭の中はパリのお菓子屋さんの甘いお菓子
でいっぱいに…!そうしてこのうさぎは“マロンクリーム”になりました。
お父さんは“アーモンドクリーム”、お母さんは“バニラクリーム”、親友のネズミ君は“シナモン”という名前です。
当時はDCブランドが流行して、キャラクターもだんだんトレンドを取り入れたものに変わっていった時代でしたので、マロンクリームも大きめなシルエットの服や花柄を取り入れたりしていますが、そうした中にも素朴でおしゃれなマロンクリームらしさが伝わるよう、さりげない一瞬のポーズやドレス、小物、建物などの表現に思いを込め、手描きのタッチにもこだわりました。」
「この時の一番のお気に入りポーズは お洗濯のかごを持ち上げているマロンです。」
■マロンクリームのお友だちについて教えてください。
「実はマロンクリームがいつも行く公園には、仲良しのくまのアイスクリーム屋さんがいます。とってもおいしくて優しい味のこのアイスクリームを、お散歩の途中で買って食べるのがマロンクリームのお気に入りです。このデザインは残念ながら商品に使用される事がなかったので、皆様にご紹介する機会はありませんでした。」
■これまでファンからの反響が大きかったマロンクリームのグッズを教えてください。
「マロンクリームが初めてプロモーションで商品化された時、一番人気があったのがコットンレースで縁取りされた生成りのハンカチでした。さりげなくおしゃれな可愛らしさを表現したくて、素材にこだわって作ったアイテムでしたので、多くの人に手に取っていただけて、とても嬉しかったです。」
■マロンクリームのデザインが時代を超えて愛され続ける秘密とは?
「私が担当した後、マロンクリームを3人のデザイナーさんたちが引き継いでくれました。なんと3人ともマロンクリームがそのまま来てくれたような、おしゃれなお姉さんたちばかり。それぞれの個性や時代を反映して描かれるマロンクリームも都度少しずつ変化し、そうして代を重ねていくたびにマロンクリームはどんどん可愛く魅力的に成長していきました。35年もの間、今もこうしてマロンクリームが皆様に愛され続けているのは、そうやって夢と愛情を持って大切に育ててもらったからこそなのです。」
■デザイナーさんがお気に入りのマロンクリームグッズを教えてください。
「マロンクリーム誕生のきっかけとなった“おしゃれうさぎ”だった時のレターセット。これからの夢が詰まった思い出の一品です。」
「“おしゃれうさぎ”から“マロンクリーム”になって初めて発売されたステーショナリーたち。
とにかくマロンクリームがどんな女の子なのかをみんなに知っていただきたくて、様々なシーンやポーズを練りに練って一生懸命描きました。このときベースに取り入れた『花柄』が、その後マロンクリームの基本イメージとなりました。」
「同期の友人がプレゼントしてくれたマロンクリームの一輪挿し。マロンクリームならではの癒しのアイテムです。下に敷かれている布はマロンクリーム柄のファブリックです。」
■マロンクリームの知られざるトリビア
「マロンクリームはいつもやりたいことがいっぱいだけど、実は結構堅実家なのです。
お友達とティーパーティーを開いたり、おしゃれやお菓子作りを楽しむために、ベビーシッターや近所のケーキ屋さんのお手伝いをしてお小遣いを貯めています。」
おませな女の子にも大人気!色あせることのないマロンクリームの魅力
お洋服をいっぱい持っていそうだし、しょっちゅうホームパーティーしていそうだし、てっきり上流社会のお嬢なのかと思いきや、がんばってお手伝いをしてお小遣いをためていたなんて…!そんな裏事情を知ると、ますますマロンクリームが好きになりますよね。
サンリオショップへいくと、シナモンやプリンなど人気キャラのアイテムばかりが目立ちますが、よ~く探すと、今もちゃんとマロンクリームのグッズが並んでいるんですよ。※一部店舗では、品切れの場合もございます。
■マロンクリーム ラミネートポーチS 550円(税込)
リップ、目薬、イヤホンなど小物を持ち歩くのに使いやすい大きさの船形ポーチです。汚れが付きにくいラミネート加工なので持ち歩きも安心。親友のネズミ君、シナモンとのツーショットもかわいいですね。
■マロンクリーム お道具箱風キーホルダー 605 円 (税込)
ワーママ世代にはたまらない、赤い小花柄を基調にしているキーホルダー。このデザインはたまりませんよね。コインやアクセサリーなど細かいモノを入れるのに便利なお道具箱風。
■マロンクリーム ケース付き絆創膏 550 円 (税込)
ケガをしてもデコ気分でマロンクリームが元気をくれる絆創膏。デザインは2パターンです。使い終わったあともケースは綿棒や薬、アクセサリー入れに利用できます。
■マロンクリームのLINEスタンプ 250円
マロンクリームのLINEスタンプは、ちょっと衝撃。あのローマ字ではなく、ひらがな!
マロンクリームが親指をたてて「いいね」のポーズをしてるデザインとか、初めて見たときはびっくりしましたけど、これがジワジワくるんですよね。昔よりも、存在がグンと近くなった気がしませんか?
お子さんとのちょっとしたメッセージのやりとりにもよさそう。
どんなときでも明るいマロンクリーム。送る側も、受け取る側も、きっと癒されるに違いありません。
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PROFILE
マロンクリーム
誕生日は5月31日。フランスのパリの郊外で生まれたウサギの女のコ。お菓子づくりや手芸がお得意な、とってもオシャレさん。どんな時でも、明るくて前向きな女の子。リセ( フランスの学校)に通っている。シナモンは、親友のネズミ君。
(C)’85,’20 SANRIO 著作(株)サンリオ
朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では多業種に関わっている。 旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。 Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher