私にとって〝仕事〟とは自分の人生に素敵な色を添えてくれるもの。日々感じるたくさんの喜怒哀楽を、仕事から得ている気がします。
今月の妻:渡瀬舞子さん
株式会社ノバレーゼ 教育研修部長・36 歳
服もメークも頑張りすぎず「年相応」でいたいです
銀座の街を見下ろす華やかな場所に位置するブライダル企業で、社員教育や教育研修を担当している渡瀬さん。いきいきした表情と、よく通る明るい声が印象的だ。
「たとえば新入社員にはビジネスマナー教育、 リーダー職にはマネージャー研修など、社員の等級に応じて必要な研修を行います。講師をするうえで大切にしているのは、〝心のともなった講義をする〟こと。基本的にプログラムの内容は決まっていますが、受講者は毎年異なりますし、時代の変化にも対応しなければなりません。今いちばん伝えるべきことはなんなのか。その都度考えてプログラムを見直したり、目の前にいる相手の表情を見ながら、より響く言葉を選んで話すことを心がけています。研修にも〝ライブ感〟が重要なんです」
国内外の店舗数は 、社員数は約1800名。渡瀬さんの昨年の年間研修稼働日は102日間。出張も多く、物理的な負担もさることながら、近年は〝素直すぎる新入社員〟に向けた研修づくりに心をくだいているという。
「なんでも賛同するのではなく、自分なりの観点で捉えて考察する。それができると、話に説得力が増すと思うんです。そこを掘り下げたくて、先日個人的に〝うのみにしない力を強化する〟研修を受けに行きました。参考にして少しずつ形にしていくつもりです」
現在の業務について熱く語る渡瀬さんだが、 実は3年前、人材開発部から異動を命じられたときには〝心にぽっかりと穴が開いてしまい、切り替えるのに時間がかかった〟と明かす。
「人材採用は自分の天職だと思っていたので、最初は自分の存在意義がわからなくなって、初めて会社を辞めることを考えました。でも母に相談したら、『好きな会社を辞めるなら、もっと晴ればれと気持ちよく胸を張れるときにしなさい』とさとされ、はっとしたんです。また、実際に業務を担当し、研修部の仕事は〝人材採用後に必要なフォローアップ〟であり、組織が成長するために欠かせない重要な業務なのだと、気づくことができました」 組織人としてひとまわり成長し、プライベ ートでもよき伴侶とめぐりあって、今年結婚。
「振り返ればいつも、目の前の課題に夢中になって取り組むことで、人生の新しい扉を開いてきた気がします。私にとって仕事とは、人生に素敵な色を添えてくれるかけがえのないもの。働くことでさまざまな感情が盛りだくさんに生まれてきて、内面が豊かになる気がしています。結婚した今はまず自分自身が、夫と一緒にハッピーになる努力をしたいと思います。そのうえで、仕事を通じてスタッフとその先にいるお客さまが幸せになれるような研修を提供していきたいと思っています」
わたせ・まいこ/1981年生まれ。東京都出身。 玉川大学文学部卒業。会社説明会で〝だれかの幸せと喜びのために泥臭く頑張る〟社風に惹か れて、(株)ノバレーゼへ新卒入社。ドレスコーディネーター、ウエディングプランナーを経て 25歳で人材開発部へ。約7年間、採用部門に情熱を注ぐ。33歳で教育研修部に異動、現在に至る。今年7月に結婚。今いちばんの楽しみは、 夕食後に夫とふたりで海外ドラマを見ること。
Domani12月号 女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch!働くいい女の「水曜16時00分」より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起( NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華( P-cott ) 構成/谷畑まゆみ