働く女性の人生は常に分岐点の連続。たとえばなにかひとつ扉を開けたとしても、そこは決してゴールではなく、また新たなフェーズでの山あり谷ありが始まるもの。ふたりの子供をもつワーキングマザーの安宮さんを3年ぶりに取材したら、3人目のお子さんの育児休業中で、未体験のフェーズに立ち向かう気力を養いながら復職準備をしている、今のリアルな気持ちがうかがえました。
Vol.3 【母】安宮依李さん(掲載時はビジネスネームの川口依李さん)(35歳)
株式会社博報堂(現在育児休業中)
後編▶︎『受験と臨月、夫と協力し合った壮絶な日々・・・。』女妻母~ひと皮むけば誰でも傷だらけのヒロイン~【安宮依李さん・後編】
●掲載号 2015年Domani6月号「女の時間割」
●安宮さんの「人生や生活面における変化」ベスト3
1:三女の妊娠・出産・育休
2:長女の小学校受験を妊娠・仕事と両立させたこと
3:家の購入・引っ越し
●現在の仕事内容
現在は三女の育児休業取得中。2018年5月に職場復帰予定。
●24Hタイムスケジュールの変化
休職中であり、長女が小学一年生になったこともあり、大きく変化
●今、自分を自分でほめたいこと、叱りたいこと
・ほめたいこと:3人の育児と家事をよく頑張っている
・叱りたいこと:少しガミガミ、イライラし過ぎ。大切な今の時間をもっと笑顔ですごそう!
子供が3人に増えて、復職後の仕事と育児の両立について模索する日々・・・
3人目出産、お受験、転居と、この2年間で大きなライフイベントをいくつも経験されたんですね。
そうなんです。Domaniの取材を受けた当時は31歳。次女の育休から職場復帰して約1年、ようやく仕事にもリズムが出てきて、少し背伸びしながら頑張っていたときでした。その後、自分の生活がさらに大きく変化していくことを何も知らなかったと思うと(笑)、人生って面白いなと感じます。
長女は27歳、次女は29歳で出産し、三女を産んだのは昨年、34歳のときでした。振り返ればひとり目ができたときは業務もハードで、“果たして子供をもっても自分はちゃんと働けるのか”という不安感がありました。でもうちの会社には“リーママプロジェクト”というワーキングマザーのコミュニティがあり、先輩の話を聞いたり、働く背中を見るうちに“考えてもしょうがない。やるしかないから頑張ろう”と腹がくくれてきたんですね。
ワーキングマザーとして頑張れたのは周囲の理解や協力のおかげ
ふたり目のときには、望んではいたものの復帰先が営業局だったこともあり、“育児が2倍に増えても本当に両立できるのだろうか”と、やはり当初は不安な気持ちに。周囲の理解や協力が得られたおかげでなんとか乗り切れました。体力も今よりあったので、それも大きかったです(笑)。
今回の三女の妊娠は、実は予期せず授かったという感じでした。ふたり目出産後に復職したときには、確かにしんどさも倍になりましたが、でも育児をしながらキャリアも築きたいと3人目にトライしていた時期があったんです。しかし、しばらくたって、どうやらもう授からない運命かもしれないと思うようになり、以降は長女のお受験準備などにいそしんでいたんですね。
ところが定期検診に行ったある日、先生が診察後にカーテンをガラッと開けて「(赤ちゃんが)いるよ!」と。「ええっ!」っとびっくりして、しばし茫然としました。一瞬、お受験や家の引っ越しなど、予定していた家族の行事が頭の中をよぎってしまい…。会社のチームのメンバーにもすぐに報告をしました。授かったからには、楽しみながら乗り切ろう。ただ、また仕事を休んでしまうことになるのかと、そのことだけは気がかりでした。
今回は復職までの流れをどのように考えていますか?
まず、育休中は子供と思いっきり向き合おうと思いました。そして復職後の生活を想像してみると、2人も3人も変わらないかなという楽観的な気持ちと、でも、いざ仕事を始めたらさすがにちょっと変わるかもしれないという心配の両方が浮かびました。今回は子供の年齢のことも気になりますね。長女の“小学1年生の壁”がまさに今なんです。今はちょうど育休中なのですごくありがたいのですが、今年5月からは小学校と保育園のほかに、自分の仕事もやりくりしないといけません。そんなわけで、今から気持ちを引き締めているところです。
三姉妹と安宮さんの4ショット。「最近、長女は休日に何度も練習して、逆上がりができるようになりました」
後編▶︎『受験と臨月、夫と協力し合った壮絶な日々・・・。』女妻母~ひと皮むけば誰でも傷だらけのヒロイン~【安宮依李さん・後編】
インタビュー掲載号:2015年Domani6月号「女の時間割」
撮影時スタッフ:撮影/生田祐介(f-me)ヘア&メーク/坂口勝俊(HAIR DIMENSION)