【目次】
最も大切なのは帰宅時の行動
「新型コロナウイルスは、<飛沫感染+接触感染>でうつります。ウイルスは主に、感染した人の咳やくしゃみに含まれます。大切なのは飛沫や接触を通じて、ウイルスを自分の鼻や口に入れないことです。日常生活の中で、行動に特に注意したいシーンが3つあります」
注意したいシーンその1<換気の悪い密室>
「換気があまり良くない密室は感染リスクが高いということは、みなさんすでにご存知かと思います。どうしても行かなければならないときには必ずマスクを着けてください。自分のことも相手のことも守ることができます」
注意したいシーンその2<外食>
「食事中でも、会話で声を出すときにはマスクを着けましょう。食事中のマスクで感染を広げる確率が下がったという実例データはまだありません。しかし、マスクは飛沫が飛び散るのを80%以上カットできそうだというデータはあります。また、食事中のマスクの着け外しは、マスクの外側に十分に注意をしてください。ウイルスを含んだ飛沫が着いている可能性があるからです。マスクを複数枚用意して食後に着け変えるのも良いと思います」
注意したいシーンその3<帰宅時>
「自分の家にウイルスをもち込まないためには、帰宅時の行動がカギになります」
ポイント1 帰宅したら、カバンと上着は部屋にもち込まず玄関に置く
ポイント2 洗面所に直行し、服は洗濯機に入れて、入浴をする
ポイント3 在宅中に玄関のドアノブや電気のスイッチを触ったら手を洗う
「実は、コロナ禍の前から、“今日は風邪の患者さんを診察した”という日は、帰り道では自分の鼻や口を手で触らないように気を張り、玄関を開けたらお風呂に直行していました。これらの行動は医師が医学生時代に習う感染予防の技術をベースにしています。私の場合、この手間を惜しむとたいてい風邪を発症してしまうので欠かさなくなりました。平時に医者が毎日、ノロウイルスやインフルエンザにかかった患者さんたちを診察していても自分が感染しないのには、こうした理由があるのです。
また、在宅中に宅配便の受け取りなどで玄関のドアノブや電気のスイッチを触ったあとは、手をきれいに洗い流しましょう。ドアノブやスイッチは帰宅後、まだ洗っていない手で触りがちな場所だからです。
くり返しになりますが、目標は“鼻と口にウイルスを侵入させないこと”です。新型コロナウイルスについては眼からの感染も報告されています。出先ではうっかり手で眼の粘膜を触らないようにしましょう。さらに、感染したという実例の報告はまだありませんが、人の便の中にも新型コロナウイルスが排出されることがわかっています。トイレでもしっかりと手を洗いましょう」(真鍋先生)
『感染症時代のマスクの教科書』
マスク研究家 飯田裕貴子・内科医 眞鍋葉子/共著
小学館刊 A5判 128ページ 1,300円+税
内科医
眞鍋葉子
2011年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、東京都健康長寿医療センターを経て、現在は都内のクリニックに勤務。2020年コロナ禍の4月7日、Facebook上で、「コロナ感染から身を守る方法」という文書を公開、5月2日時点で閲覧回数が約23万回に上り話題となる。ウイルス感染を「ペンキ塗り立て」論で展開、共感と理解を呼んだ。著書『的確に選んで正しくつける「感染症時代のマスクの教科書」』(飯田裕貴子・眞鍋葉子/共著 小学館刊 1300円+税)。現在ウェブページで発信を続けている。
Facebookページ「コロナ感染から身を守る方法の更新情報発信ページ」
イメージで理解する医療情報
構成
谷畑まゆみ
フリーエディター・ライター・キャリアコンサルタント
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。カウンセラーやキャリアコンサルタントのスキルを活かして、YeLLのクラウドサポーターとしても活動中。先日はDomaniオンラインサロンで「「女の時間割。」の取材デモンストレーション&コツをレクチャー」するコンテンツを展開。サロンメンバーがレポートした当日の様子は「Domaniオンラインサロン公式note」にて公開中。
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