「つまらないものですが」は、相手を立てて自分をへりくだる謙遜表現です。そのため、取引先や目上の人にも使えます。
Summary
- 「つまらないものですが」は、「取るに足らない」という意味で自分をへりくだる謙遜表現
- 取引先や目上の人にも使えるが、相手に敬意を示すという意味を知らない人もいるので注意が必要
- 相手によって受け取り方がさまざまなので、「ささやかですが」などの言い換え表現も覚えておくとよい
Contents
「つまらないものですが」の意味
まずはじめに、「つまらないものですが」の意味からチェックしてみましょう。
「つまらないものですが」は謙遜する言葉
「つまらないものですが」は「取るに足らない」という意味で、取引先や目上の人に対して贈り物を差し出す場合に添えることが多い言葉です。ただ、注意しなければいけないのは〝本当につまらない物を送るわけではない〟ということでしょう。
実は「つまらないものですが」には、「立派なあなたを前にすると贈り物がつまらないものに見える」という意味合いが含まれているのです。

新渡戸稲造の著書「武士道」で広まった?
「つまらないものですが」の語源は、世界的大ベストセラーになった新渡戸稲造の著書『武士道』の一説だと言われています。こちらは、日本人ならではの生き方を基にした「武士道のあり方」を解説した本です。まず英語で出版され、その後日本語に翻訳されました。
本の中に「つまらないものですが」という一節があり、日本の奥ゆかしさを表す大和言葉として解説されています。なお、武士道の初版は1900年。この表現は明治時代頃から使われていたとされる文化的表現のひとつです。
「つまらないものですが」の使い方

次は、「つまらないものですが」の使い方を解説します。贈り物を受け取った場合の返事の仕方も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
取引先に贈り物を渡すときに使用する
「つまらないものですが」は、お礼の品やお土産を渡すときに使用される言葉です。贈り物を渡すときに「つまらないものですが」と前置きすることで、相手に敬意を示すことができます。
ただし、「つまらないものですが」の正しい意味を知らない人には誤解されてしまう可能性もあるので、注意しなければいけません。
人間関係を円滑にするクッション言葉
「つまらないものですが」は、ビジネスの人間関係を円滑にするクッション言葉です。これを添えることで相手に丁寧な印象を与え、良好な関係を築きやすくなり、ビジネスを円滑に進める助けにもなるでしょう。
ちなみに「つまらないものですが」は、書き言葉より話し言葉として使用されるのが一般的。業務で取引先と直接会う機会が多い人は、使用する場面も多くなるので覚えておくことが望ましいです。
「つまらないものですが」の例文
続いて、ビジネスの場面で使用できる「つまらないものですが」の例文を紹介します。さまざまな伝え方があるので、相手や状況に合わせて使い分けましょう。
【例文】
・先日は〇〇にて大変お世話になりました。つまらないものですが、どうぞお受け取りください
・こちらつまらないものですが、気に入っていただけますと幸いです
・つまらないものですが、皆様でどうぞお召し上がりください
「つまらないものですが」への返事
取引先や目上の人から「つまらないものですが」と、お礼の品やお土産など贈り物を受け取ることもあるかもしれません。そんなときは、誠意を込めて感謝の気持ちを伝えましょう。

返事にもさまざまな言い方がありますので、状況に合わせて使い分けましょう。
【例文】
・お心遣いありがとうございます
・ご丁寧にありがとうございます
・結構なお品物をいただきありがとうございます
・お心遣いに感謝いたします。せっかくですので、ありがたく頂戴します
・お気遣いいただいて、恐縮です。何かとお忙しいのに、お持ちいただきありがとうございます


