デリケートゾーンの正しい洗い方
生理トラブルや更年期障害など女性のお悩み解決に努める、産婦人科医の福山千代子先生に伺いました。
汚れやにおいが気になるところだけれど…。デリケートゾーンの洗いすぎはバリア機能を落とすことに直結
「外陰部から肛門にかけてがデリケートゾーンといわれていますが、汚れやにおいを気にするあまり洗いすぎている方が多いです。40代からはホルモンバランスの乱れやエイジングで肌が乾燥しやすい状態で、しっかり洗いすぎると肌のバリア機能まで落とすことに。すると、乾燥がひどくなってかゆみが起こることで、ひりつきや熱感という不快な症状に進み、炎症が起こると色素沈着してしまいます。ちょっとしたトイレットペーパーの硬さで傷ついたり、いつもの下着が合わなくなるなど日常生活にも支障をきたします」(福山先生)
デリケートゾーンの正しい洗い方って?
「汚れをきちんと落とすことは大切ですが、デリケートゾーンの皮膚の厚さは顔と同じくらい。ですから、顔を洗う感覚でデリケートゾーンも洗いましょう。顔を洗うときに硬いタオルやブラシを使わないですよね? デリケートゾーンも“硬いものでゴシゴシこする”“洗浄力が高いものでパパッと洗う”のはNGです。基本は手洗いで肌をなでるように丁寧に洗うと、潤いを守りながら汚れを落とすことができます。最近はデリケートゾーンの肌を考えた洗浄力の専用ソープもあるので、乾燥が気になる人は使ってみてください」(福山先生)
- ソープをしっかり泡立ててからデリケートゾーンを手で洗う。(ジェルやオイルなど泡立て不要のものはそのままなじませる)
- ベタベタしたタンパク汚れや経血などがつきやすいひだ部分は丁寧に洗う。このとき、膣内までソープが入らないようにする。
- すすぎは、熱すぎないお湯(36〜38℃程度)で、洗浄剤が残らないようしっかりすすぐ。
デリケートゾーンにはどんなソープを使うべき?
「お湯だけ」「洗顔フォームやボディソープで」はNG
「お湯でしっかり流しているから大丈夫!」「ボディーソープでちゃんと洗っているから安心!」と思っている人もいるかもしれませんが、人の肌表面は弱酸性、膣内は酸性です。そのため、アルカリ性の石鹸や弱酸性のボディソープも、デリケートゾーンには向いていないと言われているのです。
本来持っているバリア機能を壊さないようにするため、洗浄するときは専用のボディーシャンプーや低刺激のものを選ぶのがよいでしょう。
おすすめの専用ソープ
4U(ヨユー) ボディオイルソープ
サンフラワーオイル×精油×植物由来の洗浄成分を絶妙に融合し、ボディ洗浄とオイルトリートメント(保湿・癒し)がワンステップで完成してしまう優れもの。植物オイルで優しくすっきりと洗いあげながら、肌のざらつき、ごわつき、角質、乾燥へしっかりアプローチ。ボディクリームいらずのうる艶肌に。低刺激でデリケートゾーンにも使用できる優しい処方。
泡立たないオイルが、皮脂を余分に取りすぎずしっとりと洗い上げてくれます。ハーブの香りに癒され、バスタイムが至福のひと時に。
ピュビケア オーガニック フェミニン シフォン ソープ
左からビターオレンジ&レモン、ローズ&イランイラン、ジャスミン&ネロリ
ビオトゥルム フェミニンウォッシュジェル
ワフィト インティメイト ウォッシュ
MAROA フェミニンソープ
左はデリケートゾーン保湿用のフェミニンミルク
デリケートゾーン洗浄後は保湿ケアも
保湿することで皮膚の老化を防ぐ
(C)Shutterstock.com
先ほどお伝えしたように、デリケートゾーンはとても乾燥しやすい部分。ケアしないと黒ずみやシワができてしまったり、少しの刺激でもかゆみを感じてしまう原因に。
そのためきちんと洗うことだけでなく、洗浄後はぜひ保湿ケアも行いましょう。
保湿に使用する化粧品も、デリケートゾーン専用のものがおすすめ。毎日続けることで、ふっくらとしたハリもよみがえってきます。
また、アーユルヴェーダの考えに基づいた保湿ケアとして、膣の働きを改善して内側からうるおわせる「オイル湿布」もおすすめです。やり方は、オイルをしみ込ませたコットンをお風呂あがりの清潔な外陰部に当てるだけ。パッチテストをしてから塗布するのが推奨されていますが、これにより血流が促進され、皮膚の老化を防ぐことができると言われています。
デリケートゾーンの肌も、年齢とともに乾燥しやすくなる
年齢を重ねるとともに顔やボディの肌が乾燥しやすくなりますが、デリケートゾーンも同じです。とくにデリケートゾーンは、下着や衣服、ナプキンなどによるムレ、月経やおりものなどの刺激を受けやすく、乾燥しているとかゆみやにおい、ヒリヒリ感などが起きてしまいます。
40代からは膣の乾燥ケアもスタートしたい
さらに、40代から目を向けて欲しいのが「膣」です。その理由を婦人科医の福山千代子先生に伺いました。「膣は閉経を境に老化します。粘膜が薄く硬くなって膣萎縮(ちついしゅく)という状態になり、膣内が乾燥しやくなります。おりものの異常やにおいが強くなるほか、性交時に痛みや出血が起こりやすくなります。対策として今のうちから取り入れるなら、膣マッサージがおすすめです。うるおいを与えながら、指で膣の伸び感や柔らかさを出すケアで膣に適度な刺激を与えましょう」
膣マッサージの方法(お風呂上がりなど清潔な状態で行います)
- デリケートゾーン専用のオイルを手にとり、膣の入り口全体にやさしくなじませます。
- 指の第一関節までを膣に入れ、膣の下半分(肛門近くの側)を少し伸ばすようにしてマッサージします。
デリケートゾーンの保湿&膣マッサージは専用のものを使ってケア
デリケートゾーンは刺激を受けやすい部分のうえ、下着や衣服でムレやすいのでボディ用のクリームやオイルだとトラブルを起こすことも。デリケートゾーン専用のものを使いましょう。
▲(左)ピュビケア オーガニック フェミニン マッサージ ミルク
みずみずしいミルクタイプで、VIOゾーンから脚のつけ根まで使えます。ハチミツエキスや保湿力が高いオーガニック植物エキスを配合。やさしく円を描くようにマッサージして使うことで血行がよくなり、透明感のあるしっとり肌に。
(中)YES インティメイト・オイルローション OB 80mL /ラブピースクラブ
イギリス発のオーガニック・デリケートゾーンコスメブランド。ヒマワリやシアバター、アーモンドオイルなどを使用した、99.8%オーガニックのオイルローションで潤いやしなやかさを長時間保ちます。潤滑剤としても使えるので、膣マッサージにもおすすめ。
(右)ワフィト インティメイト オイル
植物性スクワランやマカデミア、ホホバなど厳選された8種類のオイルを独自ブレンド。デリー使いはもちろん、産前産後のケアとしても使えます。パルマローザやゼラニウム、ラベンダーなど天然精油をブレンドした女性らしい香りも人気の理由。