座椅子や座布団の数え方
座椅子は脚がなく、床と座面の距離がほとんどないため、「1台、2台」と数えることが一般的です。座布団は一般的には「枚」と数えますが、客人をもてなすために畳や座椅子の上に敷く座布団は「1客、2客」を用います。「客」と「脚」は、両方とも「きゃく」と読むので混同しがちですが、「座布団を出すときは接客をするとき」と考えると分かりやすいでしょう。大切な人をもてなす場面では、座布団を出すことが多いはずです。
グラスや食器なども「客」を使って数えることがあります。和食器は5客あるいは10客で1セットとして数えることも、併せて覚えておきましょう。
ベンチの数え方
一口に「ベンチ」と言っても、街中ではさまざまなタイプを見かけるでしょう。ソファのように室内でくつろぐことを目的としたものもあれば、公園やバス停などで腰かける用に置かれているものもあります。
備え付けのベンチのように、移動しないことを前提に設置されているものは「基」を使うことが基本です。常に固定された状態には、「脚」を使用した数え方はしません。動かせない公園のベンチや、庭園にある石造りのベンチなどは「1基、2基」と数えます。カウンターバーにあるようなスツールも、床に固定されている場合は「基」を使って数えてよいでしょう。
移動可能なベンチは、「本」や「台」と数えます。まれに「脚」を用いる場合もあります。
【目次】
お店での椅子の数え方
同じ椅子を数える場合であっても、立場や場所が変わると数え方も変わることがあります。場合によっては、「脚」を使うと意味が分かりづらくなってしまうでしょう。お店での椅子の数え方を紹介します。
商品として捉えた場合
椅子を商品として販売する側になったときは、「点」を使って数えることがあります。家具店で、椅子やソファを注文するときのことを思い浮かべてみましょう。
会計時にお店のスタッフから「椅子を4点、机を1点ですね」というように、数を確認する場面があるはずです。お店では品物の種類に関係なく、「点数」として扱うことは珍しくありません。
このほか、業者や家具店のスタッフは家具を「1本、2本」と数えることもあるのです。一般的には使われない専門的な数え方ですが、椅子だけでなく売り物の家具に対して幅広く使われます。
場所として捉えた場合
お祝い事や宴会などで、人をもてなすときに「一席設ける」と表現することも。飲食店などで、人が座る場所として捉えるときは「1席、2席」と数えます。
もてなしの席を用意する場合は「12脚、準備してください」とは言わず「12席」と言います。会議や研修などで、人が座る場所を準備することになったときも「〇席」と表現しましょう。
教室の椅子や、映画館・劇場などの椅子も「席」に分類されます。単純に椅子の数を数えるのではなく、場所として表現したいときは単位を使い分けるようにしましょう。