エナジーブランディング vol.17:
「負けるが勝ち」な状況で本当に勝つ方法
「負けるが勝ち」ということわざ、ご存知ですか? 使ったことあります?
【負けるが勝ち】
つまらない争いは避け、その場の勝ちは相手に譲るのが賢明で、最終的な勝利につながる。
(コトバンクより)
このことば、何に負けて何に勝つのかで話は変わってきます。人生、負けちゃいけない時もいっぱいあるから(笑)。
仕事のコンペとかスポーツとか、負けたら勝負が終わっちゃうから負けれない。それでも負けたらそれを原動力にまた頑張る。だけどそんな時は「負けるが勝ち」とは言わないですよね。
“負ける”を考える
コトバンクの解説のつまらない争いの「つまらない」がポイントです。私が考えるつまらない争いとは「理不尽なこと、自分の正義で許せないことなのに、戦っても相手の立場が強くて負けてしまう時」をイメージします。
Domani読者なら、ご経験された方も多いでしょう。喧嘩にならない強い立場と対峙しなければいけない状況… 理不尽と思える人事や取引先からの無理なクレームなど。
戦ってもどうしても結果が良くなるとは思えない時、悔しいけどその場は譲るしかない。それは確かに「負け」かもしれません。そして譲ってばかりいたら、ただの負け続け。つまらない争いは避けて、負け続ける人になってしまいます。
私が考える“負けて勝つ”とは、その場では一旦相手に勝ちを譲っても、時や場所を移して、最後に勝つための努力をすることだと思っています。
時や場所を移すと、その間に時間が生まれます。その時間を作る為に負けるくらいの感覚です。そしてその時間で自分を磨く。課題を克服する。
一旦距離を置くことで得られる時間、気づきと変化
私は約30年間に5つの企業で宣伝やマーケテイングの仕事をしてきました。会社や経営者の価値観と私が提供する「ブランドの価値」がマッチしている時は良いのです。企業もすごく成長します。
それがさまざまな理由で崩れるとさあ大変。その間で悩み、あがき、説明にチカラを使い果たすことになります。そして最後に、自分の正義で許せなかったとき、その企業から自分を切り離し転職してきました。説得しきれなかったのも不徳の致すところですし、ブランドや企業から離れるのも負けかもしれません。
ですが時や場所を移すことで、課題を克服する時間を持つことができます。また、新しいチームを育む時間も作れます。すると不思議なことに、チャンスの神様が降臨するんです。途中から何か困難なことが起こると「これを乗り越えるとチャンスが来る!」と困難とチャンスが同義語のように思えるようになりました。
「負けるが勝ち」といって、本当に勝つ方法
それは「負け」を負のエネルギーにするのでなく、ポジティブなエネルギーに切り替えること。そして気持ちだけでなく、そのエネルギーでスキルアップに努めること。
エネルギーがいっぱいでスキルもアップした状態に進化出来たら、その時の勝負は勝ったと同じ。そして勝負に勝った経験より、多くの勝ちを得るのではないでしょうか。
皆さんも、理不尽と思える状況に遭遇したら「負けるか勝ち!」と心の中でつぶやいて。困難を乗り越えたら、そこには今より進化した自分自身がいるはずです。
記事内イメージ画像/(C)Shutterstock.com
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ブランディング コーチ
大島文子
ファッションや百貨店、化粧品、ライフスタイル雑貨などのブランディング支援、PRや販促を中心に活動している。6年前に(株)ブルーム&グローという会社を起業。
Oggi.jpにて連載していた「ブランディング仕事術」はこちら