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2021.09.15

自閉症の息子が画家として活躍。夫婦の25年の記録が一冊に

フランスの美術展で受賞し、画家として活躍する石村嘉成氏。自閉症と診断された彼を支えた夫婦の子育ての記録が、一冊の本になりました。

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我が子を暴君にしない〝愛情あふれる突き放し〟『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』

力強くいきいきとした生き物たちの姿が印象的な作品を生み出し続けている、画家の石村嘉成氏。高校3年の絵画の授業で版画にめざめた彼は、卒業後にフランスの美術展「新エコールドパリ浮世・絵展」でみごと優秀賞に輝きます。それを機に、各地で個展を開くたびに入場者数記録を塗り替える人気画家になりました。

▲2019年12月。自宅アトリエで大作を製作中

画家として活躍するその陰にあったのは、献身的な「療育」を行った母親と、亡き妻の遺志を継いだ父親の姿。その25年にわたる記録をまとめたのが、『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』です。

生後2歳で自閉症と診断された嘉成氏は、暴れる、泣きわめく、発語がないなどの状態が続き、両親は苦悩します。そんな中、小学校では普通学級に通わせる代わりに毎日教室で授業に付き添うなど、懸命に「療育」を行った母親の有希子氏。彼女は、嘉成氏が11歳のときにがん闘病の末に他界されました。夫の和徳氏との共著という形になっている本書には、有希子氏が残した療育の記録も多数掲載されています。

▲妻のがん闘病中は、ベッドの脇で母と子の時間が流れていました

実は、この本の末尾には、本誌『Domani』が登場しています。おしゃれが好きだったという有希子氏が、ある日「私の世代に合う、すごくいい雑誌を見つけた」と言って和徳氏に見せたのが、創刊間もない『Domani』だったそう。毎月発売日を楽しみにしていてくださり、有希子氏が亡くなった後は、和徳氏が雑誌を買い、写真の前に置くという習慣を続けていたそうです。

▲自閉症児だからこそ、なるべく外に連れ出しました。妻・有希子と嘉成

シングルファーザーとなり息子の療育に励む和徳氏は、嘉成氏が版画と出会うこととなる高校時代は、父子一緒に自転車で登下校をしていたそう。暴れる息子を前に「我が子を暴君にしない。親が子どもの奴隷にならない」という覚悟の「療育」は、今でも続いているといいます。子育てに悩める人々に様々なヒントを与えてくれる、夫婦の25年の記録。Domani読者のみなさんも、ぜひ手に取ってみてください。

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『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』

著者/石村和徳・石村有希子 絵/石村嘉成
1760円(本体1600円+税)

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著者

石村和徳(いしむら・かずのり)

1960年生まれ。愛媛県新居浜市在住。
2歳で自閉症と確定診断された息子の子育てに夫婦で取り組む。シングルファーザーとなってからは、会社経営の激務と両立させながら、嘉成氏が高校生のときには3年間無遅刻無欠席で一緒に自転車で登下校するなど、「療育」を続けた。現在は嘉成氏の個展の企画や、「療育」についての講演会にも取り組んでいる。

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