今ある不安も長くは続かない! 検索ワードが語る、移りゆく母心
年があけ、1月6日生まれの娘も1歳になりました。この1年間ずーっと頭にあったのは「子供を絶対に死なせたくない」で、風邪をひいたりはしたけれど、無事に生き延びてくれたことに本当に深い感慨があります。か弱く危なっかしい赤ちゃんは「生きてて当たり前」ってわけではないので、1歳になったと思った瞬間、ずっと張り詰めていた分、「私、めっちゃお疲れ!! 頑張ったね!!」と喜びのリバウンドがすごく、その辺歩いてるおっちゃんとかにも「ありがとう!!」と言いたくなってしまうほど(不審者すぎるのでやらないけど)。
育児中の母親の、なくてはならない存在
さて本題。育児について母親は様々な疑問や不安を持ちますが、そんなときに登場するのがネットの検索エンジン。私も妊娠中は「つわり 楽になる」「マタニティ服 おしゃれ」「逆子 治る確率」だったり、産んでからも「母乳 飲まない」「冬 室内 温度」「手足口病 大人 感染る」「赤ちゃん インフル ワクチン」「海外 おしゃれ ベビー服」「赤ちゃん 温泉」(最後のほうは煩悩が……)など幾度となく検索し、ときに勇気付けられ、ときに苛立ち、ときに振り回され、ときに安心し、なくてはならない存在になっております。
そんな中、Yahoo!が検索エンジンのキーワードから育児にまつわるビッグデータの分析をしたそうでして、その記事を先日拝見。 記事によると、全体のキーワードの割合トップ5が、1位育児用品、2位保育・行政、3位howto、4位病気・トラブル、5位ママ関連(ママとしての悩み)といった結果に。育児用品はママじゃない人もお祝いを贈るときに参考にすることが多いですし、1位は妥当だなと思うのですが、病気トラブルを超えて、保育・行政が2位であることは一度考えなければいけないことなのかもしれません。なぜなら、保育や行政に対してアクションを起こすことって、日々の中でそんなにあることではないはず。だとすると、検索してすぐに解決するなら2位という高い順位にはなっていないと思うのです。非常にわかりにくく、なかなか解決しない現状ゆえの2位なのでしょう。
実際私がサービスを調べたときも、各自治体で羅列していることはあっても、自分がどこに当てはまるのかわかりにくく「改善の余地ありまくり」と感じたものでした。 さらに、分析結果として子供の月齢に沿って検索されるキーワードの移り変わりも出ていました。2か月まではママになりたてで不安だからかママ関連についてよく検索されていたり、5か月以降からぐんと離乳食というキーワードが増えたりと移りゆく母心がよく表れているのですが、私が注目したのは月齢とともに検索される割合が減ったカテゴリ。
月齢が上がるごとにどんどん減っていた検索ワードって?
病気・トラブルやママ関連の検索ワードの割合が月齢が上がるごとにどんどん減っていたのですね。これって、ママ初心者のころはとにかく不安が多くて何度も検索していたものが、経験を重ねて自信がついたからという風にもとれると思ったのです。私も娘が新生児のころは「げっぷが出ない!」ってだけで検索エンジンの海に何度もダイブしていましたから。みんなこうやって逞しくなっていくんだなあとホクホクしたのでした。 それにしても悩みや不安が可視化されるのはとても良いことだなと思います。問題解決につながりますもの。Yahoo!さん、これからもビッグデータ分析お願いします!
私、子ども欲しいかもしれない。/¥1,300 平凡社「子供は欲しいけど、実際どうなの?」出産前の犬山さんが育児体験者の話を聞いて、〝どうしよう〟をとことん考えた「出産・育児」のリアル。母親の本音が炸裂です!
コラムニスト
犬山紙子
1981年生まれ。『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。人間観察の名手として注目を浴びる。ユーモアあふれる表現で女子の生態をつづった著書多数。2017年1月に出産、一児の母に。オフィシャルLINEブログやインスタグラム@inuyamakamikoでも日常を発信中。
Domani2018年3月号 新Domaniジャーナル「ピッカピカの! ワーキングマザー一年生」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子