プルデンシャル生命保険株式会社 広報チーム マネージャー
林 文恵さん(42歳)
はやし・ふみえ/1975年生まれ、東京都出身。上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻博士前期課程修了後、IT企業に新卒入社。営業や広報を経て31歳で現在の会社に転職。37歳で結婚。39歳で現職に。40歳で出産。現在風評リスク管理を含む対外広報を担当中。
【目次】
取材中に感じた、サンクス志向な女性の素敵ポイント
「担当窓口が複数ある取材現場を、的確にハンドリングしていただき助かりました。終了後も帰りに私がオフィスビル内で迷いそうな気配を察したのか、雑談がてらビル出口まで案内してくださって、ありがたかったです」(本企画及び「女妻母」担当ライター)
人生は一期一会。出会えたら絶対その場を楽しくします
目ざすのは、弱みも強みに変えるコミュニケーション
外資系生命保険会社で、風評リスク管理を含む対外広報を担当する林さん。本誌1月号の連載取材時にはやわらかなトーンできめ細かく取材をサポート。「メールも電話もお相手の顔が見えないツールなので、使うときは相手の方を思い浮かべながら書いたり話したりしています。たとえ業務連絡であってもせっかくのコミュニケーションの機会なので、いい関係を築くきっかけにしたいですよね。すべてのコミュニケーションは〝ありがとうございます〞と〝ごめんなさい〞で成り立っていると考えているので、どちらも必要なときすぐ言えるようにしています」
たとえば何かしてもらったら恐縮するのではなく、〝ありがとうございます〞と感謝を伝える。電話では相手に2度名乗らせないようにしっかり聞き取り、逆に自分は2度名乗る。 「でも若いころは、働き方や大切にしていることが今とはまったく違いました。社会人の第一歩が営業職だったからか、ひとり勝ちしたいわけではないけれど、自分が決めた勝負どころで負けるとものすごく悔しいんですね。こんな勝負観だと長くは働けないねと、同僚と冗談で笑いあっていたほどです」
30代でIT業界から異業種転職してチームリーダーとなり、ホールディングスの業務も精力的に兼務。ところが37歳で結婚した直後に体調をくずしてダウン。新しい仕事に熱中するうちに、体が追いつかなくなってしまった。キャリアをリセットせざるを得なくなり、落ち込む林さんに上司がすすめた本がその後の生き方を変えるきっかけに。 「特に『LIFE SHIFT』は衝撃でした。これからは人生100年。長い現役時代を乗り切らなくてはいけないのに、自分がいかに目の前の勝ち負けにこだわっていたのか、目からウロコが落ちました。ここで新たな専門性を身につけようと、ポジティブな攻めの広報から、危機回避的な守りの広報としてのスキルを高めたいと思うようになりました」 求める働き方が変わってからは、自然と周囲と和やかに働き続けられる環境を求めるように。林さんのコミュニケーションもさらに深化を増していく。
サンクス志向な女性が愛読している本
「『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)で人生100年時代を意識し、『キャリアデザイン入門Ⅱ』(日経文庫)で長期的なキャリアのつくり方を学びました。それまで、目の前の勝ち負けにとらわれていたのが、今は75歳までいかに鮮度を保って周囲と楽しく働けるかという視点に変わりました」
お礼状は「鳩居堂」の便せんを愛用
「手紙は、かつての恩師や仕事でご一緒した経営者の方にお礼を伝えるときなどに。鳩居堂の便せんはインクがにじむことなく、美しく書けるので重宝です」
体のために処方されたサプリを摂取
「漠然とした不調の原因をあいまいにしたくないので、定期的に血液検査をして不足している栄養素を把握。処方されたサプリメントを飲んでいます。風邪のひき始めにはハーブがいちばん。ドイツ・マリエン薬局の〝免疫力対策レメディウム〟にも頼ります」
林 文恵さんのサンクスルールとは
仕事メールのマイルール
・ メールの冒頭は「ご連絡をありがとうございました」から
・ 言いづらい用件ほどはっきりと書き、感謝は伝わりにくいので言葉を重ねる
・ 〝相手の状況を想像したひとこと〞を添える
電話対応のマイルール
・ 最初に「今、電話でお話ししてもいいですか?」と尋ねる
・ 伝言を残すときは社名や名前を再度名乗る。相手には2度名乗らせないようにメモをとる
人とつきあううえで、大切にしていること
・ 〝ありがとう〞と〝ごめんなさい〞は、素直に伝える
Domani2018年3月号『「サクセス志向」→「サンクス志向」でうまくいく』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/フカヤマノリユキ イラスト/齋藤よしこ 構成/谷畑まゆみ